●「追い出し部屋」に入れられた40代男性
「今辞めれば、退職金を給料1ヵ月分上乗せしてやる。3月末までに辞めなければ解雇だ」
100人規模の中堅IT企業につとめる40代男性に、会社からこんなきつい言葉が投げかけられたという。坂倉さんによると、この男性は、ある日突然、これまで全く経験がない仕事をする部署に異動させられたそうだ。いわゆる「追い出し部屋」作戦だ。
男性は経験がないため、成果をあげられなかった。やる気をなくしたころを見計らうようにして、会社は退職を勧めてきた。納得できなかった男性は、POSSEに相談に訪れた。弁護士を紹介され、現在は雇用の継続を求めて会社と係争中だという。
POSSEにふだん寄せられるのは、20~30代の若者からの労働相談が多い。しかし、年度末の「解雇シーズン」には、若者だけではなく、40~50代の中高年からも相談が寄せられる。
●「退職を迫られても、すぐ応じないことが重要」
もし会社から退職を迫られたら、どうすればいいのか。
坂倉さんは「『退職届を出せ』『辞めろ』と言われても、すぐには応じないことが重要です」と語る。口頭でも「同意」をしてしまうと、その後撤回させることは基本的には難しく「自己都合退職」の扱いとなって、雇用保険がすぐに受け取れなかったりするなど、不利な条件を強いられる可能性があるという。
また、雇用主が労働者を解雇するためには、厳しい要件をクリアする必要があるが、多くの会社はその要件を満たしていないという。そのため、坂倉さんは、会社が解雇しようとしている証拠を記録することを勧めている。「『辞めろ』と言われたときの
弁護士ドットコム
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