■トヨタ空前の黒字でも上がらない下請け企業の部品価格
トヨタの値下げシステムは業界では有名で、毎年2回必ず部品を納入する下請け企業にコストダウンを要求するものです。つまり、下請け企業はトヨタに対し同じ商品を納品しているにもかかわらず、販売価格は毎年2回ずつ確実に下がっていくのです。値下げ要求はその車種が販売中止になるまで続きますので、5~7年程度は同じ品質の同じ商品であるにもかかわらず、下請け企業の部品価格は下がり続けることになります。
もちろん販売価格は日本円ですから、下請け企業は円安の恩恵はまったく受けません。逆に円安により円ベースでは樹脂や金属などの原料価格、そして電気料金が大幅に上昇していますので、その分のコストアップも含めて決められた価格の中でやり繰りしていかなければなりません。
記事には「この値下げを見送ることで本来生じるはずの数百億円の収益改善分を取引先に還元」と書いてありますが、これはトヨタの立場にたってみた話で、下請け企業にしたら「製造原価は上がっているのに販売価格は上がらないどころか下がっている」状況に変わりはないのです。こんな状態で、下請け企業が賃上げできるはずがありません。
■円安と海外生産拡大で過去最高益に
もう一つ、トヨタ自動車の最高益ですが、実はこちらもほとんど日本には関係ありません。
トヨタ自動車のHPによると、トヨタ、ダイハツ、日野を合わせたグループ全体の自動車の輸出台数は、過去5年間一貫して減り続けています。
トヨタ自動車空前の黒字でも日本人の給料が上がらない理由
トヨタの値下げシステムは業界では有名で、毎年2回必ず部品を納入する下請け企業にコストダウンを要求するものです。つまり、下請け企業はトヨタに対し同じ商品を納品しているにもかかわらず、販売価格は毎年2回ずつ確実に下がっていくのです。値下げ要求はその車種が販売中止になるまで続きますので、5~7年程度は同じ品質の同じ商品であるにもかかわらず、下請け企業の部品価格は下がり続けることになります。
もちろん販売価格は日本円ですから、下請け企業は円安の恩恵はまったく受けません。逆に円安により円ベースでは樹脂や金属などの原料価格、そして電気料金が大幅に上昇していますので、その分のコストアップも含めて決められた価格の中でやり繰りしていかなければなりません。
記事には「この値下げを見送ることで本来生じるはずの数百億円の収益改善分を取引先に還元」と書いてありますが、これはトヨタの立場にたってみた話で、下請け企業にしたら「製造原価は上がっているのに販売価格は上がらないどころか下がっている」状況に変わりはないのです。こんな状態で、下請け企業が賃上げできるはずがありません。
■円安と海外生産拡大で過去最高益に
もう一つ、トヨタ自動車の最高益ですが、実はこちらもほとんど日本には関係ありません。
トヨタ自動車のHPによると、トヨタ、ダイハツ、日野を合わせたグループ全体の自動車の輸出台数は、過去5年間一貫して減り続けています。
トヨタ自動車空前の黒字でも日本人の給料が上がらない理由