働いた時間ではなく、成果によって賃金を決めることを目指して、政府が国会に提案しようとしている「高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)」。この新しい労働制度を「残業代ゼロ法」だと批判する弁護士たちが2月18日、東京都内の連合会館で反対集会を開いた。
●「労働時間規制を外す恐ろしい制度」
この制度は、2007年に第一次安倍政権で議論になったが、「残業代ゼロ法案」として批判され、頓挫した。現在の第二次安倍政権で再び議論になり、政府は、今国会に労働基準法改正案を提出して、導入を進めようとしている。しかし批判も根強く、今回の対象は、高度な専門業務で年収1075万円以上の労働者となった。
反対集会は、日本労働弁護団、過労死問題対策弁護団全国連絡会議、ブラック企業被害対策弁護団の3団体が主催した。労働問題に取り組む弁護士や、家族を長時間労働による過労死で亡くした遺族らが登壇し、約200名の参加者とともに改正案の問題点について議論した。
日本労働弁護団の棗一郎弁護士は、改正案について「法定労働時間制や週休2日制、深夜労働などの規制を全てはずし、労働時間規制の保護がおよばない労働者を作り出す、極めて恐ろしい制度です」と指摘。「過労死、過労うつを促進するこんな法案を、必ず、叩き潰していきましょう」と参加者に呼びかけた。
●「残業代不払いが合法化されると、過労死が増える」
過労死問題の第一人者として知られる川人博弁護士(写真)は、過労死と残業代の関係について、次のように語った。
「長年、過労死の実態調査を行ってきましたが、日本の過労死事案のほとんどは残業代不払いと一体になっています。残業代を支払わないから、企業は安心して長時間労働をさせるというのが、日本の企業の構造です。ただ、現状では残業代不払いは多くの場合、非合法となっています。これをなんとか合法化したいというのが、今回の法案の最大のポイントです」
また、川人弁護士は、ホワイトカラー・エグゼンプションがすでに導入されているアメリカの例を挙げ、「アメリカでは、残業代がつかない新制度が導入されて、1週間に最低60時間以上働かされるようになったという事例もあります。これは、日本でいう過労死ラインです」と指摘した。
そのうえで、「もしも法案が認められて、残業代不払いが合法化すれば、
弁護士ドットコム
「過労死、過労うつを促進する法案を叩き潰す」弁護士たちが「残業代ゼロ法」反対集会
●「労働時間規制を外す恐ろしい制度」
この制度は、2007年に第一次安倍政権で議論になったが、「残業代ゼロ法案」として批判され、頓挫した。現在の第二次安倍政権で再び議論になり、政府は、今国会に労働基準法改正案を提出して、導入を進めようとしている。しかし批判も根強く、今回の対象は、高度な専門業務で年収1075万円以上の労働者となった。
反対集会は、日本労働弁護団、過労死問題対策弁護団全国連絡会議、ブラック企業被害対策弁護団の3団体が主催した。労働問題に取り組む弁護士や、家族を長時間労働による過労死で亡くした遺族らが登壇し、約200名の参加者とともに改正案の問題点について議論した。
日本労働弁護団の棗一郎弁護士は、改正案について「法定労働時間制や週休2日制、深夜労働などの規制を全てはずし、労働時間規制の保護がおよばない労働者を作り出す、極めて恐ろしい制度です」と指摘。「過労死、過労うつを促進するこんな法案を、必ず、叩き潰していきましょう」と参加者に呼びかけた。
●「残業代不払いが合法化されると、過労死が増える」
過労死問題の第一人者として知られる川人博弁護士(写真)は、過労死と残業代の関係について、次のように語った。
「長年、過労死の実態調査を行ってきましたが、日本の過労死事案のほとんどは残業代不払いと一体になっています。残業代を支払わないから、企業は安心して長時間労働をさせるというのが、日本の企業の構造です。ただ、現状では残業代不払いは多くの場合、非合法となっています。これをなんとか合法化したいというのが、今回の法案の最大のポイントです」
また、川人弁護士は、ホワイトカラー・エグゼンプションがすでに導入されているアメリカの例を挙げ、「アメリカでは、残業代がつかない新制度が導入されて、1週間に最低60時間以上働かされるようになったという事例もあります。これは、日本でいう過労死ラインです」と指摘した。
そのうえで、「もしも法案が認められて、残業代不払いが合法化すれば、
弁護士ドットコム
「過労死、過労うつを促進する法案を叩き潰す」弁護士たちが「残業代ゼロ法」反対集会