目薬のロート製薬は2月24日、国内の正社員約1500人を対象に、ほかの会社やNPOなどで働く兼業(副職)を認める制度を4月から始めると発表した。
「社外チャレンジワーク」と名付けた制度で、就業先を届け出て会社から許可を得ると、平日の終業後や土日祝日に他社で働き、収入を得ることができる。会社の枠を超えて技能や人脈を培ってもらい、視野の広い人材を育成することが狙いだという。
こうした兼業を認める取り組みを弁護士はどう考えているのだろうか。他の企業が導入する場合、どのような点がポイントになるのか。近藤麻紀弁護士に聞いた。
●自社業務の支障や、職場の秩序への影響、会社と競業するかどうか
「就業時間外の時間は本来、労働者が私的な時間として自由に使える時間であり、兼業もできるはずですが、就業規則の服務規定などで、許可のない兼業を認めない会社は多いです」
近藤弁護士はこのように述べる。業務時間外の時間の使い方は、労働者の自由とも思えるが、そうした規則はどう考えればいいのか。
「裁判例では、そのような制約は、(1)労務提供への支障(休養を取れず自社での業務に支障がないか)、(2)会社の職場秩序を乱したり信用等を害したりするか、(3)会社との競業や経営上の秘密の漏洩の可能性、といった点から、必要がある場合に限定して認めています。
ロート製薬正社員1500人「兼業OK」に――他の企業が導入するときのポイントは?