来春卒業予定の学生の就職活動が3月1日から本格的にスタートし、各地で合同企業説明会が開催されている。今年の面接解禁日は、昨年より2カ月早い6月1日。選考までの準備期間が3月から6月までの「短期決戦型」となっているのが特徴だ。
学生に焦りが生じるかもしれないが、ここで気をつけたいのが、現実と異なる高待遇で学生を誘い、実際は劣悪な環境で働かせる「詐欺求人」だ。企業のホームページや求人サイト、ハローワークでは高待遇と見せかけて、いざ入社してみたら労働条件が全然違っていたとの被害が報告されている。
求人広告にウソの労働条件を記載する「詐欺求人」には、どんな法的な問題があるのだろうか。また、被害に遭わないためには何に気をつければいいのか。「ブラック企業対策プロジェクト」事務局長で、若者の労働環境改善に取り組む嶋崎量弁護士に聞いた。
●現状の「詐欺求人」は野放しで、罰則の適用もない
「多少乱暴に解説すれば、現状の『詐欺求人』は野放しで、罰則などの適用はありません。
しかし、虚偽の広告をした場合や虚偽の条件を呈示して募集をした場合に、6月以下の懲役または30万円以下の罰金となる(職安法65条8号)という規定があるように、本来であれば罰則の対象となるものです。
高待遇に見せかけた「詐欺求人」に注意! 被害に遭わないための心構えを弁護士が指南