かとうなおひこのブログ

かとうなおひこの徒然なるブログ

Nine Inch Nails

2008-05-20 11:23:05 | LIVE
 Nine Inch Nails のライブDVDを見ました。いや、去年の夏に買ったやつなのですが、その頃は音楽DVDをのんびり見る状況に無かったので、タワレコから届いたパッケージ未開封のまま部屋に転がってて、すっかり忘れていたのでした。
 
 計算され尽くされた演出で固められたライブではあるのですが、基本的に音楽を聴いてもらおう、という姿勢が根本で崩れていないので、大変好感の持てるライブDVDでした。でも、音が良すぎるっていうか、完璧すぎるのがちょっとねぇ・・・。まぁ、商品ですから、いろいろと差し替えやら加工やらしているんだろうなぁ・・・、私も仕事では使えるだけのごまかしテクニックを使いまくってますので、そこは責められないかなぁ~(^_^;)
 
 Nine Inch Nails、バンドのような名前をつけてますがその実態は、Trent Reznor というキーボーディストのおじさん一人きりであります。歌も歌うしギターも弾くけど、基本的にはキーボーディストのはず。で、そのライブの中で、ほんのちょっとだけど、一人でピアノを弾いている部分があるのですが・・・、これが、ピアノ一本でもその音がちゃんと"Nine Inch Nails"になっているんですねぇ。ん~、オリジナル、ここにアリ!Nine Inch Nails というと変態な音がてんこもり、という所にまず目が(耳が)言ってしまうのですが、どうしてどうして、ピアノ一本でちゃんと表現できるものを発展させただけ・・・なのか?ん~、やっぱりものが違いますねぇ
 
 
 さて、音楽性は抜きにして、"Marilyn Manson"を目指したいか?"Nine Inch Nails"を目指したいか?と問われたら、私は間違いなく後者です(ま、実現するのは私にはかなり難しいですが、目指すだけなら勝手ですからね)。だって、他人に作ってもらった仮面をつけても、ちっとも楽しくないんですもの・・(^_^;)。
 
 私が音楽を始めた頃は、日本の歌謡曲は別として、70年代のロックと呼ばれた音楽は、セルフプロデュースが当たり前でした。セルフプロデュースできない奴は、まがい物扱いされた時代でしたねぇ。
 しかし現代においては、セルフプロデュースで成功している例は、かなり稀であります。Trent Reznor もプロデュース業も積極的やり、デビッドボーイのプロデュースまで手がけた事がありましたが、そこまでの地位に行くと、プロデュースだけで十分食えるし、楽なので、自ら人前に出なくなるものですが、ちゃんと Nine Inch Nails としての作品を発表し続けている姿には、頭が下がります。そして彼がプロデュースした誰よりもやっぱり Nine Inch Nails の方があきらかにかっこいい・・・、セルフプロデュースがちゃんと出来る、現代では希有な存在だなぁ~、と改めて思いました。
 
 いつ頃からでしょうかねぇ。アーティストとプロデュースが分離してしまったのは?80年代はそれこそプロデューサーの名前でレコードが売れた、というアーティスト不在の時代でしたが、さかのぼると、Sex Pistols が実は企画ものだったってあたりかしら?でも Sex Pistols は、プロデュースされたとは言い切れないのかなぁ?
 たとえ稚拙でありきたりでも、背伸びせずにすべてを自分でやる・・、ってのに惹かれるのは、私がいい歳だからですかねぇ。(^_^;)