fernhaven rd.

狭いベランダで育てているバラのこと、趣味のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

嘆きのピエタ

2013-09-01 16:25:42 | 映画
最近、見たい映画がたくさんある。
時間がなくてなかなか映画館に行けないけれど
7月に見た、キムギドク監督の『嘆きのピエタ』はすごかった。
感動したとかよかったとかのレベルじゃなくて
身体中をぼこぼこにされて、よれよれにされて
どうなのだ、どうだ?と問われているような
そんな映画だった。
こんなにすごい映画を作る人間がいるなんてと、
衝撃で映画を見た日はあまり眠ることもできないくらいだった。

希望が見いだせないような工場地帯で繰り返される残酷な暴力
親を知らず孤独に生きてきた主人公ガンドのすさんだ心
借金の返済方法として、ガンドによって障害者にされてしまった低所得者層の人たち
きれいなところなどみじんもない映像だが、それだからこそ
人々のほんの少しの優しさや、寄り添いあう愛情が心にしみる。

そんなガンドの前に、母親と名乗る中年女性ミソンが現れる。
最初は、ミソンに堅く心を閉ざし拒絶するガンドだが、ミソンの執拗とも言える愛情(?)に
次第に、ミソンを慕うように。
「オンマ、もうオンマがいない毎日なんて考えられない。」と、訴えるガンド。
救われるかに見えたガンドだが、、。

終盤、ミソンとミソンの息子の死体と、ミソンが自分に編んでくれたと思っていたセーターを着たガンドが
墓穴で3人並んで横たわる場面になぜか慰められた。

この映画は、ヴェネチア映画祭で金獅子賞をとっている。
キムギドク監督は、他にもカンヌ、ベルリンの映画祭でも受賞されている
すごい才能の持ち主で、世界に認められた方らしいですが。









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