fernhaven rd.

狭いベランダで育てているバラのこと、趣味のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

映画 ラブ&マーシー終わらないメロディー、最後のライブ映像がよかった。

2015-08-11 21:44:06 | 映画
月曜日、ビーチボーイズのボーカルで作詞作曲もしていたブライアン.ウィルソンの映画
ラブ&マーシー終わらないメロディー』を観てきた。

はっきり言って、ビーチボーイズに詳しいわけでも大好きな音楽だったわけでもない。

知っている曲と言えば『サーフィンUSA』、映画カクテルの主題歌『ココモ』くらい、でも流行っていたし曲を聴いたら、ああ~知ってるその曲、みたいな曲は他にもあると思うけど、、、。

では、何故観に行ったかと言うと、夏だしビーチボーイズの曲がいろいろ聴けるならいいかも、と言う軽いノリだった。



これが大誤算。

始まりから終わる寸前までとにかく暗い、苦悩に次ぐ苦悩、それにビーチボーイズの曲がさほど流れるわけでもない。

ミュージシャンの映画と言えば、お話は売れる前から始まって爆発的に人気が出て、その後栄光の影の部分が出てくる、みたいなイメージだが

この映画は、すでに栄光を手にしているブライアンが、ビートルズの『ラバーソウル』を聴いて刺激を受け新たな音楽を生み出すところから始まる。

支配的な父親から暴力を振るわれて育ったブライアンは、その影響下からずっと抜け出せない、シーン

新しい音楽を生み出すにあたっての他のメンバーとの確執のシーン

時を経て、精神を病んだブライアンがこれまた支配的な医者に薬漬けにされて操られ何もかも搾り取られるシーン

これらの場面が執拗に繰り返し出てくる、観ていると本当につらい。

その合間に出てくる音楽を作り出す部分だけはなかなか興味深かったけど。

才能あふれるブライアンは、次々にアイディアが出てくるうえに演奏に対して妥協を許さない、何度も何度もテイクを取られるミュージシャンたち、犬の鳴き声や話し声をもサウンドに取り入れて新しい音を生み出していく。

ラストは、のちに妻となる恋人のメリンダが、悪質な医者からブライアンを救い出してくれて取り敢えずハッピーエンド、ここでちょっとほっとするんですが。

で、最後、エンドロールと共に流れる年齢を経たブライアンのライブ映像
これがとても良かった!歌声がすごく心に響いた。

途中こっちまで暗い気持ちになって帰ろうかと思ったりしたが、帰らなくてよかった。

何だろう、何とも言えない幸せを与えてもらったような。

映画自体はいまいちだったが、最後のその部分ですごくブライアンに興味がわいて、家に帰ってから早速ネットで調べてみた。

ブライアンが映画の中で作り上げたアルバム『ペット.サウンズ』は、今でもポップスの名盤と歌われているアルバムらしい。

ブライアンがビートルズの『ラバーソウル』を聴いて刺激を受けて作った『ペット.サウンズ』を、今度はビートルズが聴いて刺激を受けて『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を作り上げたそうだ。

詳しくはWikipediaでどうぞ、もっと興味深い話が載っています。

ブライアンがその才能をフルに駆使して作ったアルバムだったのに、発売当時はアメリカでは評価が低かったらしい。

時代が追い付かなかったのか、やっぱり天才は辛い。

そんなに素晴らしいアルバムならどうしても聴いてみたい、YouTubeで探してみたら、ありました!さすがです。




今までの明るい流行りのサーフィンや海や女の子などの歌詞ではなく、自分の心の内を歌ったとされています、聴きやすくてスッと心に入って来るメロディが美しい。

Amazonのレビュー

ペットサウンズのことをもっと知ってから映画を観ていたら、違った感想だったかもしれない。

夜、1人でこのCDを聴くと音が深く深く心に染み込んできて胸が締め付けられる思いがする。



すごく癒される歌声、ライブ映像もお薦め。
年を取って、声も衰えて音程もいいわけではないけれど何故か感動する、伝える力が凄い。
曲の持つ力も。
ペットサウンズと同じ時期に作られた曲、神がかっています、どうしてだか泣ける。
みんながとても楽しそうに演奏しているのも幸せ感が増す。







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