キスリングと言えば、学生時代の教科書に載っていた人物画のイメージが強かったのですが
今回の作品展を観て果物や花を題材にそして風景なども描いている事を知りました。
どの画家もそうでしょうが、自分の道を求めて今までの色々な画家の影響を受けて変遷していく様子が興味深かったです。
果物や風景の絵では、セザンヌそしてキュビズムの影響を色濃く受けていると感じましたし、またそう解説にも書いてありました。
私が特に感銘を受けた点は、とにかく色。
心をかき乱すような色、どうしたらこんな風な色が出せるのか、画面から強く心に働きかけてくる色。
今まで観てきた画家の中で一番と言っていいくらい形容しようのない色のシャワーに心打たれました。
(カタログを写しているのでそれは伝わらないと思いますが)
カタログの中から印象に残った絵をご紹介したいと思います。
カタログの表紙は、作家コレットの娘であるコレット.ド.ジュブネル1933年
コレットが二十歳の頃の肖像画。アンリ.ルソーにも影響を受けていたキスリングですが、背景がそれを表しています。
作家コレットと言えば『青い麦』、10代の頃に読んだ記憶があります、内容は全く覚えていませんが、、
〈ひげの男の肖像〉1912年
写真がうまく撮れていませんが、深く暗い色使いがこの人物の憂いを抱えた何とも言えない雰囲気を表現していました。
〈ルシヨンの風景〉1913年
ーゴーギャンの後期印象主義、セザンヌの教え、キュビストたちの経験を統合させているーと解説には書いてありました。
これも緑の色が息を飲むほど美しかったです。
〈青い花瓶のある静物〉1914年
〈サン.トロペでの昼寝〉1916年
様々な色がバランスよく画面に散らばっていて、木漏れ日の中の二人が寛いでいる様子が伝わってきて観る人を明るく暖かく穏やかな気持ちにさせてくれますね。
〈果物を載せた皿〉1917年
背景の赤が際立って美しく、でもそれに負けない皿と果物、観ていて心地の良い絵でした。
〈赤い長椅子に横たわる裸婦〉1918年
展示されていた作品の中で1番好きだったかもしれません。
この絵も又赤が印象的で、少しづつ違った赤が使われています。
ソファーの赤、クッションの赤、果物の赤、どの赤も圧倒的で深い美しさをたたえていて心の底に沈殿していくような感覚を覚えました。
実際の絵がどんなに素晴らしかったか伝えられなくて残念です。
ー1863年に〈オランピア〉においてマネがそうしたように、1538年に描かれフィレンツェのウフィツィ美術館に収蔵されているティツィアーノ作〈ウルビーノのビーナス〉の観察を混ぜ合わせているー
と解説に書いてありました。
〈果物のある静物〉1920年
果物を題材にしている絵の果物の数が年を追うごとにだんだん増えて行っている気がしました。
セザンヌやキュビズムの影響からも抜け出しているような気がします。
このたくさんの果物からキスリングの内面の豊潤さ愛情深さが感じられました。
〈ル.ベック氏の子供〉1926年
キスリングの肖像画の眼は単純なアーモンド型の形、そして色は黒一色であることが多いのに、たくさんの事を物語っている気がします。
ーキスリングは二つの世界大戦期間に、無視できない数の子供や青年の肖像画を描いている。
「貧しく不幸な子供が私を悲しませる。彼が私に抱かせる感情の中で、私は彼を描く。」とキスリングは述べている。
悲惨な側面を描きだそうとするのではなく、幸福を奪われたこれらの子供たちに対して感じた共感が、やさしくメランコリックな絵を覆っているー
と、解説にありました。
〈花〉1934年
たくさんの色を使ってたくさんの花を描いています。
秩序が無いようであるところが好きです。
キャンバスに向かって呻吟するキスリングの姿が見えるようですが、それは私のただの想像です。
〈アトリエの画家とモデル〉1938年
ーキスリングはパリにある自分のアトリエを次のように描写している。
「大きな部屋の壁に写真が張りつめてあり、その写真の目を通して私の過去の全てが私を見つめている。
モデルのための壇、ベンチ、いくつかの椅子、あるのはそれだけだ。」
柔らかい色調の色使いに寄って表現された光の明るさは、この時代の多くの裸体画にみとめられる独特な黄金色を想起させるー
と解説にありました。
カーテンの色合いも明るくきれいで、窓から入る淡い光がモデルの身体を照らしているさまがいいです。
まだまだ素敵な絵がたくさんありましたが、これくらいで終わりたいと思います。
私の勝手な感想を読んでいただいてありがとうございました。
『キスリング展』は、東京都庭園美術館にて7月7日まで開かれているそうです。
今回の作品展を観て果物や花を題材にそして風景なども描いている事を知りました。
どの画家もそうでしょうが、自分の道を求めて今までの色々な画家の影響を受けて変遷していく様子が興味深かったです。
果物や風景の絵では、セザンヌそしてキュビズムの影響を色濃く受けていると感じましたし、またそう解説にも書いてありました。
私が特に感銘を受けた点は、とにかく色。
心をかき乱すような色、どうしたらこんな風な色が出せるのか、画面から強く心に働きかけてくる色。
今まで観てきた画家の中で一番と言っていいくらい形容しようのない色のシャワーに心打たれました。
(カタログを写しているのでそれは伝わらないと思いますが)
カタログの中から印象に残った絵をご紹介したいと思います。
カタログの表紙は、作家コレットの娘であるコレット.ド.ジュブネル1933年
コレットが二十歳の頃の肖像画。アンリ.ルソーにも影響を受けていたキスリングですが、背景がそれを表しています。
作家コレットと言えば『青い麦』、10代の頃に読んだ記憶があります、内容は全く覚えていませんが、、
〈ひげの男の肖像〉1912年
写真がうまく撮れていませんが、深く暗い色使いがこの人物の憂いを抱えた何とも言えない雰囲気を表現していました。
〈ルシヨンの風景〉1913年
ーゴーギャンの後期印象主義、セザンヌの教え、キュビストたちの経験を統合させているーと解説には書いてありました。
これも緑の色が息を飲むほど美しかったです。
〈青い花瓶のある静物〉1914年
〈サン.トロペでの昼寝〉1916年
様々な色がバランスよく画面に散らばっていて、木漏れ日の中の二人が寛いでいる様子が伝わってきて観る人を明るく暖かく穏やかな気持ちにさせてくれますね。
〈果物を載せた皿〉1917年
背景の赤が際立って美しく、でもそれに負けない皿と果物、観ていて心地の良い絵でした。
〈赤い長椅子に横たわる裸婦〉1918年
展示されていた作品の中で1番好きだったかもしれません。
この絵も又赤が印象的で、少しづつ違った赤が使われています。
ソファーの赤、クッションの赤、果物の赤、どの赤も圧倒的で深い美しさをたたえていて心の底に沈殿していくような感覚を覚えました。
実際の絵がどんなに素晴らしかったか伝えられなくて残念です。
ー1863年に〈オランピア〉においてマネがそうしたように、1538年に描かれフィレンツェのウフィツィ美術館に収蔵されているティツィアーノ作〈ウルビーノのビーナス〉の観察を混ぜ合わせているー
と解説に書いてありました。
〈果物のある静物〉1920年
果物を題材にしている絵の果物の数が年を追うごとにだんだん増えて行っている気がしました。
セザンヌやキュビズムの影響からも抜け出しているような気がします。
このたくさんの果物からキスリングの内面の豊潤さ愛情深さが感じられました。
〈ル.ベック氏の子供〉1926年
キスリングの肖像画の眼は単純なアーモンド型の形、そして色は黒一色であることが多いのに、たくさんの事を物語っている気がします。
ーキスリングは二つの世界大戦期間に、無視できない数の子供や青年の肖像画を描いている。
「貧しく不幸な子供が私を悲しませる。彼が私に抱かせる感情の中で、私は彼を描く。」とキスリングは述べている。
悲惨な側面を描きだそうとするのではなく、幸福を奪われたこれらの子供たちに対して感じた共感が、やさしくメランコリックな絵を覆っているー
と、解説にありました。
〈花〉1934年
たくさんの色を使ってたくさんの花を描いています。
秩序が無いようであるところが好きです。
キャンバスに向かって呻吟するキスリングの姿が見えるようですが、それは私のただの想像です。
〈アトリエの画家とモデル〉1938年
ーキスリングはパリにある自分のアトリエを次のように描写している。
「大きな部屋の壁に写真が張りつめてあり、その写真の目を通して私の過去の全てが私を見つめている。
モデルのための壇、ベンチ、いくつかの椅子、あるのはそれだけだ。」
柔らかい色調の色使いに寄って表現された光の明るさは、この時代の多くの裸体画にみとめられる独特な黄金色を想起させるー
と解説にありました。
カーテンの色合いも明るくきれいで、窓から入る淡い光がモデルの身体を照らしているさまがいいです。
まだまだ素敵な絵がたくさんありましたが、これくらいで終わりたいと思います。
私の勝手な感想を読んでいただいてありがとうございました。
『キスリング展』は、東京都庭園美術館にて7月7日まで開かれているそうです。