人生を支配するのは幸運であり、英知にあらざるなり。 キケロ
憂鬱は凪いだ熱情に他ならない。 アンドレ・ジイド「地上の糧」
「お前は嘘がうまいから、行ひだけでもよくなさい。」 太宰治「晩年」
人は仰いで鳥を見るとき
その背景の空を見落とさないであろうか 三好達治「鳥鶏」
一杯の茶のためには、世界など滅びていい。 ドストエフスキー「地下生活者の手記」
人間は誰でも気違いだが、人の運命というものは、この気違いと宇宙とを結びつけようとする努力の生活でなかったら何の価値があろう? アンドレ・マルロオ「希望」
感傷とは、シニシズムの銀行定休日にすぎない。 オスカー・ワイルド「獄中記」
人生には何物にも値しない。…だが人生に値する何物も存しない。 アンドレ・マルロオ「征服者」
この本を読んである程度胸に残った言葉を列挙してみて思ったことがある。これらの言葉は誰にとっての名言か。それは寺山修司にとっての名言であり、誰よりも寺山修司にその作用を及ぼすものだろう。ということ。人の持つ名言は自分の名言ではないということ。自分の言葉は自分で探すほかはないということ。とりあえず今の僕にとってはこれらの言葉よりも、「エロこそすべて」という詞の方が強い力を持っているということ。
もうひとつ。結局言葉はただの言葉でしかないということ。世界は言葉でできているわけではない。それこそ「書を捨てよ、町へ出よう」。
憂鬱は凪いだ熱情に他ならない。 アンドレ・ジイド「地上の糧」
「お前は嘘がうまいから、行ひだけでもよくなさい。」 太宰治「晩年」
人は仰いで鳥を見るとき
その背景の空を見落とさないであろうか 三好達治「鳥鶏」
一杯の茶のためには、世界など滅びていい。 ドストエフスキー「地下生活者の手記」
人間は誰でも気違いだが、人の運命というものは、この気違いと宇宙とを結びつけようとする努力の生活でなかったら何の価値があろう? アンドレ・マルロオ「希望」
感傷とは、シニシズムの銀行定休日にすぎない。 オスカー・ワイルド「獄中記」
人生には何物にも値しない。…だが人生に値する何物も存しない。 アンドレ・マルロオ「征服者」
この本を読んである程度胸に残った言葉を列挙してみて思ったことがある。これらの言葉は誰にとっての名言か。それは寺山修司にとっての名言であり、誰よりも寺山修司にその作用を及ぼすものだろう。ということ。人の持つ名言は自分の名言ではないということ。自分の言葉は自分で探すほかはないということ。とりあえず今の僕にとってはこれらの言葉よりも、「エロこそすべて」という詞の方が強い力を持っているということ。
もうひとつ。結局言葉はただの言葉でしかないということ。世界は言葉でできているわけではない。それこそ「書を捨てよ、町へ出よう」。
ふと目を上げるとそこに。
ドブ池と。
うす汚れた空がある。
匂いも音もなく。
鈍い光だけが。
俺の周りを覆っている。
これこそが俺の宝物。
これこそが俺の人生。
きれいなものが大好きな。
君達には一生分かるまい。
この美しさと。
俺との一体感。
池に飛び込むまでもなく。
空に溶け出すまでもなく。
今俺はまさに。
この景色と一体である。
何ものにも代え難い。
俺だけの。
宝物だ。
ドブ池と。
うす汚れた空がある。
匂いも音もなく。
鈍い光だけが。
俺の周りを覆っている。
これこそが俺の宝物。
これこそが俺の人生。
きれいなものが大好きな。
君達には一生分かるまい。
この美しさと。
俺との一体感。
池に飛び込むまでもなく。
空に溶け出すまでもなく。
今俺はまさに。
この景色と一体である。
何ものにも代え難い。
俺だけの。
宝物だ。