天気雪

白石一文 『不自由な心』

面白くないと言いつつまた読んでしまった。
醜悪な人間の生き様を醜悪なままに書いている。そして突然な終わり方が苦い余韻を残す。それでも読み進めてしまうのは、上手いんだろうね。文章が。人間の矮小さを書いていていやになることはないんだろうか。それとも醜悪とも矮小とも思っていないんだろうか。そこらへんがわからない。
人はどうあってもひとりである、という基調低音には共感するが、なぜそれを大事のように言うのだろう。もっと明朗痛快な考えには到らないのかな。それでもどうしても思い悩み苦しみもがくのが人間だよというのなら、僕は人間をやめてやろう。
「卵の夢」はよかったよ。どうせならここまでの寂寥を書ききったらむしろ絶望感ですっきりします。

シャッターに描く ０２

詩７９６「宇宙が欲しい」

世界は言葉でできてるけれど。
宇宙はものでできている。
言葉なんていらないよ。
世界なんていらないよ。
僕が欲しいのは宇宙です。
股間を突き上げてくるものです。
心臓を突き抜けてくるものです。
宇宙ってつまり。
うわあー。
とか。
どへえー。
とか。
ため息。
とかいうことです。
脳ミソの中身が立派な人は。
理解を放棄してください。
宇宙楽しい。
宇宙いいなぁ。
俺は宇宙を。
あきらめない。