フェリーに乗った船旅の紀行文企画。
グルメでもなく旅好きでもない奥田英朗にどうしてこの紀行文をお願いしたのかはわからないが、より普通感覚で書かれたものかということは分かる。いや普通じゃないな。普通よりもかなり皮肉交じりの斜め目線だ。そこが面白くもあるけれど、それでも時々混ざる素直な感想にほっとしつつもリアルさが生まれるのか。なんて言って、平気でうそ書きそうだもんなぁ。難しいこと考えないで楽しむのが一番か。
鬼は筋肉。
鬼は記憶。
鬼は波動。
鬼は流れ。
鬼は音。
鬼は踊り。
鬼は太鼓。
鬼は仮面。
鬼は魂。
鬼は波。
鬼は夜。
鬼は怒り。
鬼は哀しみ。
鬼は死。
鬼は生命。
鬼は無限。
鬼は跳躍。
鬼は妖艶。
鬼は矮小。
鬼は偉大。
鬼は人間。
鬼は鬼。
鬼は驚愕。
鬼は静動。
鬼は聖悪。
鬼は必然。
鬼は形式。
鬼は自由。
夜の暗がりに咲く花の如く。
魂を超えた鬼を見た。