ちっちゃい頭を揺り振って。
お日さまの角度を測っているよ。
光を身体に入れるのだ。
触角ぴん。
尻尾もぴん。
自分が一体誰なのか。
なんて思い浮かんだこともないんだよ。
名前なんか要らないよな。
お日さまの光。
受けるからだがあれば。
な。
東京タワーやら亀有公園やら東京の割合有名なところに行って写真とってます。あたたかい愛があるなんでもない写真が、最近のお気に入りらしいな。
佐渡島に行きました。
うどうさんに会いに行きました。
研修所と寝床は廃校の教室でした。
一日の練習を終えた後も教室からは。
音楽の鳴り止むときはありませんでした。
さながら建物全部がうたっているようでした。
鬼太鼓を見せてくれました。
その踊りには宇宙がありました。
捻る首筋に。
身体を沈めた足首に。
太鼓に擦り付けるその腕に。
輝く星がありました。
仮面は必要ないくらい。
鬼の姿が見えました。
滑稽で愚かしくて純粋で残酷でやさしくて容赦のない。
確かにそれは鬼でした。
帰る時うたをうたってくれました。
本当の芸能の担い手たち。
一人一人が唯一無二で。
最初で最後の芸能です。
顔や手や肩や背中や足や指や。
身体の中に身体の外に。
皆が皆違う宇宙を持っています。
外に出て見上げてみれば。
天の川。
名前も知らない君が。
名前も知らない何処かの街で。
宇宙をぱん!と出現させる。
そのことを思うだけで。
僕はわくわく嬉しいのです。
アマゾンの森での虫捕り紀行。
ブラジル熱帯雨林地方の饗熱と病理(西欧化による)。浮かれるほどの楽しさは後の寂しさ空しさと表裏一体である。つまり「楽しき熱帯」と「悲しき熱帯」はすぐそばにいるほぼ同義の言葉なのだ。
アマゾンと言う言葉の響きにまず惹かれ、実態を読むにつけまた惹かれ、やはり遠い世界であることに一抹の絶望感と安心感を得るのであった。
おもしろかったよ。
大切なことって。
なんだろう。
木に穴を穿つこと。
卵を産み付けること。
蜜を吸い生きること。
戦いを避けること。
そんなことじゃないだろう。
たぶんそれは。
空が青いこと。
朽木が苔むすこと。
雲が来て雨が降ること。
星が空を飾ること。
落ち葉の下にもぐりこみ。
宇宙に包まれて感じているんだ。
フェリーに乗った船旅の紀行文企画。
グルメでもなく旅好きでもない奥田英朗にどうしてこの紀行文をお願いしたのかはわからないが、より普通感覚で書かれたものかということは分かる。いや普通じゃないな。普通よりもかなり皮肉交じりの斜め目線だ。そこが面白くもあるけれど、それでも時々混ざる素直な感想にほっとしつつもリアルさが生まれるのか。なんて言って、平気でうそ書きそうだもんなぁ。難しいこと考えないで楽しむのが一番か。