“今年こそイケてる学校生活を送る”と目標を立てたデービーは水泳部のイケメン、パクストンとセックスしてロストバージンしようと決意する。かくしてすっとこどっこいな新学期の始まりだ。実況(ナレーション)は元テニス選手のジョン・マッケンローでお送りします!(←なぜ)
インド系コメディエンヌ、ミンディ・カリングがショーランナーを務める本作はまだ見ぬカルチャーを伝えてくれるNetflixならではの作品だ。インド系移民2世のデービーは出自ゆえに学校ではガリ勉扱いされ、家に帰れば母から祖国の文化を厳しく躾けられる。だが生まれも育ちもアメリカのデービーにとってインドは異国の地に過ぎず、彼女のアイデンティティはアメリカにある。そんなインド系アメリカ人の生活実態と、ジェネレーションギャップを描いているところに本作の面白さがあり、キャストのほとんどはアジア系や黒人といったマイノリティで占められ、デービーがセックスしたいパクストンにいたってはなんと苗字が“ヨシダ”だ。全米でヘイトが吹き荒ぶ今、 アジア系がフロントラインを張る本作の重要性は言うまでもないだろう。移民にルーツを持つ彼らもまたアメリカを形成する“アメリカ人”なのだ。
さておき、イケメンとのセックスのために、親も友達も放り出す主人公デービーの暴走っぷりが可笑しい。ただでさえメンドクサイ思春期の自意識をマイトレイ・ラクマリシュナンは何ともめんこく演じており、そんな女子高生の日常を実況するジョン・マッケンローとのミスマッチがくすぐったい笑いを生み出しているのだ。
シーズン1で話が完結したように見えなくもないが、シーズン2製作の決定を受け、才女ミンディ・カリングが2020年代にどうデービーを描くのか楽しみだ。
『私の“初めて”日記』20・米
製作 ミンディ・カリング
出演 マイトレイ・ラクマリシュナン、プールナ・ジャガナサン、リチャ・ムールジャニ、ダレン・バーネット、ジョン・マッケンロー
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