2013年12月29日(日) NHKニュース7
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- 自主回収の対象は、子会社の「アクリフーズ」の群馬工場で生産した冷凍食品すべて
- 中国当局船3隻一時領海侵入、接続水域航行中
- 帰省ラッシュ続く
- 円安で国内生産へ切り替える動き
- 羽田空港 増便に備え訓練
- スピードスケート代表選考会
- 世界異常気象
- 世界の平均気温が0.2度高かった~地球温暖化~
- 極地の氷が解けて寒波の流れが変わって寒くなる場合も
- シリア内戦、死者12万人以上、難民230万人
2013年12月29日(日) NHKニュース7
「がんのひみつ」2013学研まんがでよくわかるシリーズ89
「がんは身近な病気」「がんは怖くない」
なんてことが書かれていると聞いて、原発や放射線擁護の洗脳本かと怪しんだ。
しかし、そんな本ではなく、普通にがんの知識を児童向けに啓もうする良書だった。
ページの耳の「豆知識」は大人が読むとちょっと引っかかるようなこともあるが、子供に大体そんなものだと思わせるにはこれくらいの表現になるだろうと納得するわかりやすさ。
それでもちょっと見ておく。
「がんが大幅に増えた(P8)」というのは、本の目的と反するのではないか。子供をへんに怖がらせる。きちんと平均寿命の延びが原因だとわかるように書くべきだ。まあ、他のページの豆知識に「男女とも年齢が高くなるほどがんになりやすい(P31)」とは書いてあるが、それとがんの増加の関係はどこにも書かれていなかった。厚生労働省の年齢層別の死亡原因で見ると、だいたい10歳くらいで1万人に1人ががん(悪性新生物)で死に、その割合は5~10年ごとに倍になっていく。
「痩せているとがんになりやすい(P10)」「太っているとがんになりやすい(P11)」おいおい・・・ってか、痩せている方は因果関係が逆になっているかもね。だって、がんになると急に痩せる人が多いんでしょ?
「乳がんで亡くなる人は2011年で年間13000人(P12)」これも年齢別のデータでなければ意味が薄い。怖がらせているだけ。おそらくほとんどが高齢者だろう。
「2008年に、日本で新しくがんと診断された人は約75万人(P85)」これも年齢別のデータを見たい。年間35万人ががんで死んでいることを考えると、見つかった人の半分は助かっていないわけだ。そして、残りの人たちも治療が原因で他の病気になったり弱ったりして死んでいるかもしれない。そういった分析はがんの研究者はともかく治療関係者には都合が悪いだろうから、関係組織はデータを持っていても公表しないだろう。
「毎日コーヒー2杯でがんになりにくい可能性がある(P115)」もうね、学者たちは常に表現をごまかす。『可能性がある』とかね。タバコの害が明らかならば、コーヒーも害がある可能性は高そうに思えるのだが、そちら側のデータは調べないようしたり隠したりしていそうだ。まあ、燃やした煙と溶かした液体の違いがあるから、身体への取り入れ方によって違いはあるかもしれないが。
ストーリーの方ではP12で、いきなり子供におばさんのがんを告げたりするのか?酷いな。まあ、ほぼ告知の時代らしいから、普通に話しちゃうのかな。
P45の「がんは日本人の死亡原因のトップ」というデータの扱いはひどい。
嘘はついていないが、そのほとんどは老人であって老化病というべきもの、「年々増えている」というのは『寿命が延びている』ということであり、「男性は58%、女性は43%」とは言っても、何度も言うようにほとんどが高齢者だ。
P50/51も少し言いたいことがある。子供向けには必要ないことだが、この治療によって患者の苦しみは生まれ、また殺されている可能性もあるということ。
P52「早期発見」というが、『検査ががんを増やしている』現実も見逃してはいけないはずだ。(がんを見つけるという意味と、がんを生成させているという両方の意味で)
まあね、『子供向けならこの程度か』とも思ってしまうが、子供をバカにせずにもう少し踏み込んだ作り方をしてもいいのではないか。
難しい話は付録で漫画のあとに付けておけばいい。意識の高い子供は読むし、そうでないなら読まない、それでいい。