あるコラムで、オイラが社内研修で活用している「江戸しぐさ」が叩かれていた!
江戸しぐさとは、傘かしげ、肩引き、時泥棒、こぶし腰浮かせなどが代表な事例であり、
人が密集していた江戸、そこで生活していくうえでの知恵でありマナーと云われている
数年前、公共広告機構の広告を見るまでオイラも「江戸しぐさ」を正直知らなかった
しかし、いまじゃ、その考え方は道徳の教科書にまで載っているほど浸透してきた
かならず評判がでるとこれを潰そうという輩が登場する!
奴がいうには、江戸しぐさなど単なる都市伝説にすぎない!いってみれば学校の会談
記録なんかありゃしない。記録がないんだから根拠などあるわけがない!!!
誠にけしからん!!口頭で伝承されただけのもの。こんなもの鵜呑にしちゃいけない!!
というもの。また、これに同調して教科書から「江戸しぐさ」を削除したメーカーもある
記録がないという理由だけで、先人から受け継がれてきた“いいもの”が途絶えちゃう
本当にそれでいいんだろうか?代々“その土地に根付いていること”って必ずある
とくに、下町にはこうした文化・風習が数多く遺されているんだから・・・
江戸風俗研究家で文筆家、漫画家として活躍、2005年に逝去した杉浦日向子さん
その杉浦さんが遺した江戸の「三ない主義」を紹介したいと思う
杉浦さんは日本橋の呉服屋の御嬢さん
いまのところ、彼女の「三ない主義」に反論・異論を唱える輩はいないようだ
さて、「三ない主義」とは、
ひとつはモノをできるだけ持たない。家財道具は最小限でよい。足りない分は借りて済ます
もしくは、別のもので代用するか、ガマンする。長屋には押し入れなんかついてない!
だいたい、しまいっぱなしの家財道具なんぞ皆無に等しい
ふたつめは出世しない。出世して地位が高くなるといろいろな余計な付き合いも増えるし、
なにかと厄介なことが多い。身軽に生きたほうが得である
大工が、「棟梁と呼ばれたくないから、こうやって昼間から酒食らっているんでぇ~」
という啖呵があるが、出世しないとは、そういう心意気をいう
出世のため!?毎週、接待ゴルフとかで、家族を放ったらかしにするんじゃないよ!
最後の「ない」は悩まない。過ぎたことは忘れて悩まない。翌日に持ち越さない。
常に前向きに、ポジティヴに生きる。起こってしまったことは仕方がない!
悩んでいてばかりいてもダメじゃねーか!寝れば明日が来る・・・
これが「明日は明日の風が吹く」ってーこと。江戸の常識だ!!
とはいえ、この三ない・・・を、本当に実践するのは難しい
むしろ、全部持とう!とすら考えている。モノを持ちたいし、出世もしたい!
悩みがあってもいいじゃねーか~~っ!と・・・
人は欲望の塊である。また江戸と現代とを同じレベルで比較などできるわけがない!
オイラもそうだけど、この“三ない”を全部持とう!と、考えるのが普通かもしれない
しかし、杉浦さんが言いたかったのは、「三ない主義」を実践しようと!
というものではけしてない
モノでも地位や名誉でも、「ある」から豊とはいえない
ときに、「ない」ことが人間らしく生活できることもある。「ない」から余計なことを考えず、
悩みも生まれない・・・これが言いたかった
もし、江戸の庶民が現代の便利な生活を見たら、「ある」のに「貧しい」と驚くかも!?
お金があっても「心が貧しけりゃ」なにもいいことはない
2016年は、「買わない・溜めない・欲しがらない」だね!?
必要なモノは買うけれど必要以上に欲しがらない!
モノを溜めずにお金を貯めて趣味や旅行に奮発する!!
これもひとつの生き方と言いたいが、たぶん、理屈はわかるが、実践するのは無理・・・
ただし、「江戸しぐさ」や「三ない主義」もそうだけど、要は、マナーであり、モラル!
これが大事ってーこと。なんでも度が過ぎちゃいけない!自分の身の丈を考えろ!
これを怠ると本当の意味で「ゲスの極み」になっちまう!
こういうのを「新しい貧しさ」っていうそうだ