季節は春から夏へと向かっている。これまでにように急激な寒暖の差もなくなり、
霜が終わって稲の苗がすくすくと育つ頃。そろそろ田植えの準備が始まる
72候、次の「牡丹華(ぼたんはなさく)」までの5日間を「霜止出苗」という
さて、田植えのころに咲く花を「苗代花(なわしろばな)」というそうだ
とくに、奈良県をはじめとする近畿地方では、種もみをまく日、田んぼの水口に、
季節の花や種もみの残りで作った米を、焼き米にして供える風習がある
この時期の花といえば、コブシ、ツツジ、山吹、アヤメなど様々であるが、
水が引かれたばかりの静かな田んぼに、ポツンと灯る宝石のような花の姿、
これこそが日本人独特の感性であり、本当の美しさかもしれない
ちなみに、お供えの焼き米やモチは早々に鳥たちに食べてもらう
それには、秋の収穫を荒らさないよう!という願いが込められているそうだ
このように、日本には他にも似たような風習がいくつものこされている
正月の三が日、日頃は迷惑なネズミをあえて嫁が“君”と呼んでご馳走を与え、
正月七日には、カラスに米や餅を投げ与えたりする習慣がある
古来より、ネズミは大黒様のお遣い、カラスは山の神ということになっているが、
人間と動物との豊かな共生が感じられる。こうした共生の精神、言い換えれば、
譲り合いの精神!これが生まれながらにして日本人には宿っている
過去、日本人は、地震、洪水、火山の噴火などの天災、そして戦災など、
幾つもの大きな危機に直面してきた。しかし、そのたびに支えあい、
幾多の困難を乗り越えてきた・・・
阪神大震災、東日本大震災、そして今回の熊本地震
まだまだ復興にはほど遠いが、お互いが支えあい、そして知恵を出しあって、
必ず笑顔で暮らせる日がくる!!