5月20日(日)岡山市で市街地を飲み歩くイベント「ハレノミーノ(バルイベント)」が開催された。
バルイベントは2004年春の「函館西部地区バル街」が発祥。
スペインでは、立ち飲み居酒屋が集まって営業することを「バル」といい、スペインで修業経験のある、函館西部地区バル街実行委員会代表の深谷宏治さんが街の活性化に活かそうと、函館で活動を始めた。
和歌山市でも昨年10月に「わかやま城下町バル」を開催。中心市街地の約140店舗が参加する大盛況のイベントとなった。
【写真】 「ハレノミーノ」のチケット
ハレノミーノの前日、岡山市は深谷さんを招き、バルイベント発祥のいきさつや、各地での事例についての講演会を開催。
深谷さんは、「イベントを通して、歩いて楽しい街にするのが大切」と、参加者、店のスタッフが一体となって街を盛り上げる意義について話していた。
岡山市の「ハレノミーノ」と、和歌山市の「わかやま城下町バル」には共通点がある。
それは、参加者のアクセスを便利にする交通の役割を重視している点だ。
歩くには遠いが目的のお店へ行きたい、飲酒するので自転車には乗れない、という参加者のため、岡山市では市内を走る「岡山電気軌道」の協力を得て、チケットの上部に路面電車の一日乗車券を付けた。
「歩いて楽しいまちづくり」を提唱する同社の思いと合致し実現したという。
和歌山市の場合は飲食店街を縫うように走る専用の無料バスが運行された。
歩いて楽しいまちづくりに公共交通は必要不可欠な存在であると、チケットを片手に朗らかに談笑しながら路面電車に揺られる参加者を見てそう感じた。
(次田尚弘/広島)