さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

「歩いて楽しいまちづくり」 各地のバルイベントの共通点

2012-05-27 13:36:01 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

5月20日(日)岡山市で市街地を飲み歩くイベント「ハレノミーノ(バルイベント)」が開催された。

バルイベントは2004年春の「函館西部地区バル街」が発祥。

スペインでは、立ち飲み居酒屋が集まって営業することを「バル」といい、スペインで修業経験のある、函館西部地区バル街実行委員会代表の深谷宏治さんが街の活性化に活かそうと、函館で活動を始めた。

和歌山市でも昨年10月に「わかやま城下町バル」を開催。中心市街地の約140店舗が参加する大盛況のイベントとなった。

 

 

【写真】 「ハレノミーノ」のチケット

      

 

ハレノミーノの前日、岡山市は深谷さんを招き、バルイベント発祥のいきさつや、各地での事例についての講演会を開催。

深谷さんは、「イベントを通して、歩いて楽しい街にするのが大切」と、参加者、店のスタッフが一体となって街を盛り上げる意義について話していた。

岡山市の「ハレノミーノ」と、和歌山市の「わかやま城下町バル」には共通点がある。

それは、参加者のアクセスを便利にする交通の役割を重視している点だ。

歩くには遠いが目的のお店へ行きたい、飲酒するので自転車には乗れない、という参加者のため、岡山市では市内を走る「岡山電気軌道」の協力を得て、チケットの上部に路面電車の一日乗車券を付けた。

「歩いて楽しいまちづくり」を提唱する同社の思いと合致し実現したという。

和歌山市の場合は飲食店街を縫うように走る専用の無料バスが運行された。

歩いて楽しいまちづくりに公共交通は必要不可欠な存在であると、チケットを片手に朗らかに談笑しながら路面電車に揺られる参加者を見てそう感じた。

(次田尚弘/広島)

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気軽に参加できる短時間型ツアー 「わくわく関空見学プラン」

2012-05-20 10:21:34 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

ワンコインで関空を観光できる。関西国際空港は土日祝日限定で「わくわく関空見学プラン」と題した個人向けツアーを開催。関空や飛行機について学ぶことができる。参加料は1人5百円(ワンコイン)で、1日4便、各60分コース。

 

先日、筆者もこのツアーに参加してみた。当日午前10時、関空展望ホールSkyViewで受付を開始。開始直後から子供連れや航空機ファンらが並び、午前11時発の便はすぐに満席。筆者は午後1時発の便を購入できた。

 

ツアーは関空展望ホールSkyViewが発着地点。観光バスに乗車し普段は入ることができない保安区域へ。機内食の運び込みや、石油タンクなどを間近で車窓見学できる。また、バスから降りて滑走路の突端から離着陸する飛行機を見学できる。着陸のため接近する飛行機にカメラを向けたり、歓声をあげたりと、子供から大人まで誰もが楽しめる。

 

 

 【写真】着陸する飛行機に歓声をあげる参加者(関西空港)

 

このツアーは僅か60分で5百円と気軽に参加でき、保安区域に立ち入られる、体験型であることがポイントだ。集客が見込まれることからこの価格設定で実現できていると思うが、この短時間型ツアーを和歌山県の観光促進に活かすことはできないだろうか。

 

以前、和歌山市内を走る定期観光バス(1日コース)があったが、車両の老朽化から現在は運航されていない。何らかのイベントの開催日など、集客が見込まれる際には、ワンコインは難しくとも、ワンシート(千円)で気軽に参加できるツアーを開催、PRできれば、さらなる観光促進につながるかもしれない。

 

(次田尚弘/広島)

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先人に倣い、身に付けたい 観光客への「きめ細かなもてなしの心」

2012-05-14 21:57:43 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

4月下旬、ゴールデンウィークの初日に、東京都港区から10年ぶりに和歌山に来られた中年のビジネスマンをマッサージさせて頂いた。

 

「10年前と比べて、和歌山の印象はいかがですか?」元気がなくなってますね、なんて言われないかと内心怯えながらお尋ねした。返ってきたのは意外な答えだった。

 

和歌山城が美しいですね。」思いがけない言葉に、私は言わずもがなの解説をしてしまった。「元は国宝だったのですが、残念ながら昭和20年7月の和歌山空襲で消失してしまい、昭和33年にコンクリートで再建したお城なのですよ。」「それでも美しいです。」そう言って下さるお客様に、私はある種の感動を覚えていた。

 

しばしの沈黙の中で私は、「多様性の受容」ということばを思い浮かべていた。それは城の石垣についてである。石垣を構成する石に同一のものは無い。一つ一つ、形も大きさも異なる。多様性を受け入れ、一つ一つを活かしている。それは熊野古道にも通じる。華やかな衣装を身につけた平安貴族も、病状の進んだ患者も、隔てなく受け入れ、癒やしてきた。 

 

 

【写真】 和歌山公園内に設置の案内板

(年代ごとに使われている石について紹介されている)

 和歌山は単なる観光地ではないと思う。和歌山に来られる客人に、それぞれが求めるものを提供できる、「きめ細かなもてなしの心」を身につけたいと心から願う。

 

(宮本年起 / 和歌山)

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