さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

再エネ先進県を目指して 期待集まる「洋上風力発電」

2021-01-31 13:36:09 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、湾岸エリアの魅力を発信する「みなとオアシス和歌山」を取り上げた。
このエリアを俯瞰して撮影するため、和歌山市を南下した取材機は、海南市、有田市、有田川町の境に連なって建つ風車の姿を捉えた。
和歌山県における風力発電の今と展望を紹介したい。


【写真】山頂に連なる風車

取材機の眼下に見えるのは、2009年12月に運転を開始したウインドファーム。
合計10基が東西方向へ帯状に延びる形で建設されている。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公表する、2018年3月末時点での県内の風車の稼働数は約60基(単機出力10kW以上かつ総出力20kW以上の設備)。
広川町、日高町、由良町、日高川町など、紀中エリアの海岸沿いや山間部での導入が進み、発電規模としては関西2府4県で最大であるという。

導入が進んできた陸上の風車であるが、景観や環境保全の課題をクリアし、地域住民の理解を得られる設置場所は限られ、大規模な発電所の計画を立てるのが困難となってきた今、海に風車を建てる「洋上風力発電」に期待が集まっている。

県内の海域(主に紀南エリア)における年間の平均風速は7m以上と、風況に恵まれた立地であることから、県はゾーニング実証事業を実施し、景観や環境、漁業や船舶の運航、市民生活への影響を調査するなど、研究が進められている。

県は県内消費電力に占める再生可能エネルギーの構成比率を、2026年度に25%とする目標を掲げ「再エネ先進県」を目指している。
様々な課題をクリアし持続可能な社会づくりに貢献する風車の導入が進むことを期待したい。

(次田尚弘/有田川町上空)
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湾岸エリアの魅力を発信 「みなとオアシス和歌山」

2021-01-24 14:00:01 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、遊び、食、癒しが詰まった人工島と題し「和歌山マリーナシティ」を取り上げた。
和歌山マリーナシティを含む湾岸エリアは、国土交通省近畿地方整備局により「みなとオアシス和歌山」に登録され、海を通じた地域の発展が期待されている。
今週は、みなとオアシス和歌山を紹介したい。


【写真】水軒ゾーンと和歌浦湾ゾーンで構成される「みなとオアシス和歌山」

みなとオアシスとは、自然、歴史、文化など、その地域が有する魅力的な資源に人々がアプローチしやすい環境を作るため、休憩スペースやトイレ、駐車場などを提供できる施設や地区を登録し、広く周知することで、地域の賑わい創出を図るというもの。
平成15年に制度が創設され、令和元年11月時点で全国135箇所、県内では御坊(日高港)、古座、新宮を含む4箇所が登録されている。

みなとオアシス和歌山は平成27年、県内で初めて、近畿で7番目に登録された。
和歌浦湾の北部を「水軒ゾーン」、南部を「和歌浦湾ゾーン」とする2つのエリアで構成。
水軒ゾーンはクルーズ客船を受け入れる西浜岸壁や定期フェリーの岸壁を有する和歌山港、中央卸売市場など、人や物の交流機能を有するエリア。
和歌浦湾ゾーンは国の名勝に指定されている和歌浦の景観、海水浴などのマリンレジャーで賑わう片男波海水浴場や浜の宮海水浴場、和歌山マリーナシティなどの観光資源が集積したエリア。
「和歌の浦アート・キューブ」を基本施設とし、情報発信の機能を担っている。

海を通じた魅力が多い和歌山市。今一度、その魅力に触れてみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)



みなとオアシス和歌山に関連した写真です。

【水軒ゾーン】


養翠園・和歌山港:高津子山より


番所庭園:トンガの鼻より


雑賀崎・雑賀崎灯台:cafe&barスハネフ14-1より


【和歌浦湾ゾーン】


不老橋・和歌浦アートキューブ:鏡山より



高津子山・和歌浦漁港:鏡山より


浜の宮・マリーナシティー:東照宮より


和歌浦漁港・片男波:高津子山より
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遊び、食、癒しが詰まった人工島 海の玄関口「和歌山マリーナシティ」

2021-01-17 13:36:18 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、日常を忘れられる豊かな空間として身近な無人島である「友ヶ島」の歴史と魅力を取り上げた。
今週は進路を大きく南に変え、和歌山市南部に位置する人工島「和歌山マリーナシティ」を紹介したい。


【写真】和歌山マリーナシティ

和歌山マリーナシティは、平成6年に開催された世界リゾート博に合わせ開発された人工島。
島内にあるテーマパーク「ポルトヨーロッパ」をはじめ、食事や地場産品の購入ができる「黒潮市場」に加え、温浴施設、ホテルなどの存在は、和歌山市を代表する観光地のひとつとしてその役割を担ってきた。
近年は冬季に行われるイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」が人気を博し、県内外から多くの観光客が訪れている。

島の魅力は豊かな海に面していること。島内のヨット倶楽部は、国土交通省から「わかやまマリーナシティ海の駅」の登録を受けている。
海の駅とは一般利用者に開放された船舶係留施設で、その地域への海からのアクセスを促進しようとするもの。
プレジャーボートやヨットで訪れる人のために短時間の停泊ができるビジターバースを用意し、給油や給水、応急修理のスペースなど、船舶に関する基本的な設備を提供。
また、周辺にあるレジャー施設や海鮮市場、温泉、宿泊施設などを利用してもらうための地域の情報発信基地としての役割も担っている。
全国に171箇所あり、県内には、湯浅、由良、田辺、那智勝浦など計6箇所が登録されている。

一般利用者における海からの玄関口となる和歌山マリーナシティ。
海の魅力を活かしたまちづくりの拠点として更なる発展を期待したい。

(次田尚弘/和歌山市上空)



1994年(平成6年)にマリーナシティーで開催された世界リゾート博の懐かしい写真です。


和歌山館屋上より1号橋、北・名草山方向


和歌山館屋上より2号橋・東方向


和歌山館屋上より南方向の南太平洋ビレッジ(西サモア館)


和歌山館屋上より北西・和歌浦方向





海上エレクトリカルパレード

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身近な無人島「友ヶ島」 日常を忘れられる豊かな空間

2021-01-10 13:43:21 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、総合公園化で交流人口の拡大をめざす「スカイタウンつつじが丘」の取り組みを取り上げた。
今週は進路を西に変え「友ヶ島」の歴史と魅力を紹介したい。


【写真】4つの島で構成される「友ヶ島」。左が「沖ノ島」。

友ヶ島は紀淡海峡に浮かぶ「地ノ島」「神島」「沖ノ島」「虎島」の総称。
いずれの島も無人島であるが、沖ノ島は加太港から航路で繋がっており、風光明媚な瀬戸内海国立公園の一部として多くの観光客が訪れる。

かつて紀淡海峡を防衛する目的で作られた「由良要塞」の友ヶ島地区に位置し、沖ノ島と、隣接する虎島には合計5つの砲台跡や弾薬庫跡、聴音所跡などが残る。
近年、これらの遺構がジブリアニメの雰囲気を味わえると話題になり、若者を中心に他府県や海外から訪れる観光客が増えている。

沖ノ島にはこれらを巡るハイキングコースが整備されている。所要時間は2時間から3時間。神秘的な要塞の遺構を見ながら、緑豊かな自然に触れ、コバルトブルーの海を眺められるコースは、日常を忘れリフレッシュできる。
加太港から船で20分とはいえ、離島に居るという特別な感覚もあり、非日常的な体験をしたい方におすすめである。

明治5年に日本で8番目に作られたとされる洋風建築の「友ヶ島灯台」は現在も稼働。歴史的・文化的価値が高く、海上保安庁が最も価値が高いとされるAランク(全国で23基)に指定した保存灯台。これも見どころのひとつである。

広い芝生ではキャンプができ、夏場は磯遊びができる場所もあり、日常を忘れられる豊かな空間。
身近な無人島を満喫してほしい。

(次田尚弘/和歌山市上空)



2018年11月に訪問した友ヶ島の写真です。


ラピュタ:加太港


友ヶ島・野奈浦桟橋


第3砲台跡:友ヶ島における最主力砲台




展望台からの景色




旧海軍聴音所


灯台


子午線広場


第2砲台跡:敵艦に対して真横から砲撃を加えるべく設置された要撃砲台


ともがしま:野奈浦桟橋
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