2012年12月15日、ブラジル・サンパウロ市の文化センターで、箏曲家・西陽子氏のコンサートが開催され、会場には多くの日系人や市民が訪れた。
【写真】サンパウロで開催された琴の演奏会
コンサートでは、西氏によるソロ演奏の他、世界初演の「久遠の大地」が披露された。
この曲は西氏が著名な作曲家・江戸信吾氏に「ブラジルと日本の架け橋になるような曲を」と依頼し作曲されたものだ。
和楽器の箏が日本を飛び出し、地球の反対側で大事に育まれていることへの感謝を込めた曲だ。
当日は現地で箏に親しんでいる日系人の箏愛好者3団体との共演が実現、総勢25名の圧巻の演奏となった。
日系人の方々は、数ヶ月前から練習を積み重ねて来たという。
西氏との音合わせが2日間しかなかったにも関わらず、本番では息のあった音色が会場に響き渡った。
筆者はその光景を見て、深く感動し、何度も涙が溢れた。
遠い異国の地で、日本の伝統楽器、箏が演奏されている。
皆が先祖に日本人を持つ日系人で、しかもいくつもの流派を超えて、日本への思いあふれた曲を奏でている。
音楽の力、文化の力、そしてブラジル日系人の力はすごいと強く感じたコンサートだった。
次のURLで演奏会の模様を動画配信している。
(神野翔/サンパウロ)
新春特集として4週に渡り、ブラジル和歌山県人会連合会との交流について取り上げました。
2月16日(土)午後9時放送の、箏曲家・西陽子の「音楽って素敵なこと」(和歌山放送)で訪問の模様を放送する予定です。