さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

流派を超えた圧巻の演奏 ブラジル和歌山県人会連合会④

2013-01-27 13:11:43 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

2012年12月15日、ブラジル・サンパウロ市の文化センターで、箏曲家・西陽子氏のコンサートが開催され、会場には多くの日系人や市民が訪れた。

 

  

 

【写真】サンパウロで開催された琴の演奏会

 

コンサートでは、西氏によるソロ演奏の他、世界初演の「久遠の大地」が披露された。

この曲は西氏が著名な作曲家・江戸信吾氏に「ブラジルと日本の架け橋になるような曲を」と依頼し作曲されたものだ。

和楽器の箏が日本を飛び出し、地球の反対側で大事に育まれていることへの感謝を込めた曲だ。

当日は現地で箏に親しんでいる日系人の箏愛好者3団体との共演が実現、総勢25名の圧巻の演奏となった。

 

日系人の方々は、数ヶ月前から練習を積み重ねて来たという。

西氏との音合わせが2日間しかなかったにも関わらず、本番では息のあった音色が会場に響き渡った。

 

筆者はその光景を見て、深く感動し、何度も涙が溢れた。

遠い異国の地で、日本の伝統楽器、箏が演奏されている。

皆が先祖に日本人を持つ日系人で、しかもいくつもの流派を超えて、日本への思いあふれた曲を奏でている。

音楽の力、文化の力、そしてブラジル日系人の力はすごいと強く感じたコンサートだった。

 

次のURLで演奏会の模様を動画配信している。

 

http://youtu.be/5iUb5g9wx6c

 

 

(神野翔/サンパウロ)

 

 

新春特集として4週に渡り、ブラジル和歌山県人会連合会との交流について取り上げました。

 

2月16日()午後9時放送の、箏曲家・西陽子の「音楽って素敵なこと」(和歌山放送)で訪問の模様を放送する予定です。

 

 

 

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遠い異国の地に「和歌山」がある 竹中平蔵氏 ブラジル訪問記

2013-01-20 14:40:25 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

新春特集としてブラジルと和歌山の交流について、和歌山放送とメディアミックスで取り上げている。

今週はブラジル日本研究者協会日本代表で慶大教授の竹中平蔵氏からのブラジル訪問記をお伝えする。

 

  

 

【写真】ブラジルを訪問した竹中教授

 

1908年、ブラジルへの初めての移民800人を乗せた笠戸丸が神戸港から出帆して100年以上が経ちました。

その間、日系人は困難を乗り越え、ブラジル社会の発展に貢献してきました。私は毎年、多くの日系人が活躍するブラジルを訪れ、文化交流をするなどして彼らとの親睦を深めています。

 

総務大臣をしていた頃、私はルーラ・ブラジル大統領にお会いすることがありました。

ルーラ大統領は「日系人を心から尊敬している。彼らがいなければ、ブラジルはここまで成長はしなかった。」と言ってくれました。

私はその言葉に深く感動したのを覚えています。

日本とブラジルの架け橋になることをライフワークにしたい」と、定期的なブラジル訪問を始めました。

 

多くの和歌山出身の日系人が、ブラジル各地で活躍しています。

昨年12月に訪問した際に、ブラジル和歌山県人会連合会の木原会長とお会いしましたが、地球の反対側で故郷を想い、和歌山の伝統や文化を大事にしながら、たくましく頑張っておられる方々がおられるのです。彼らにはいつも励まされます。

 

和歌山出身の日系人の存在は、私たち和歌山県人の財産だと、訪問の度に感じています。

遠い異国の地に「和歌山」があるのです。彼らはこれからも、両国の友好に寄与していくことでしょう。

私たちもブラジルという国を、大切にしていきたいですね。

 

(竹中平蔵/東京)

 

2月16日()午後9時放送の、箏曲家・西陽子の「音楽って素敵なこと」(和歌山放送)で訪問の模様を放送する予定です。

 

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日本との架け橋に ブラジル和歌山県人会連合会(2)

2013-01-13 06:56:42 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

前回に続き新春特集として、ブラジル和歌山県人会連合会木原会長竹中平蔵慶大教授の対話についてお伝えする。

 

県人会には日本の正月を体感したいという青少年がいるので、和歌山県内にある国際交流の協会の協力により、日本の一般家庭へのホームステイを4年連続で実施している。

 

参加できるのは僅か2名。四世の時代で日本語がたどたどしく不安な気持ちがあるなかで、日本へ行きたいという気持ちが勝り、希望者が大勢で狭き門であるという。

 

若者の注目が熱い日本。移民して半世紀が経つ木原会長にとって、今の日本はどう映るのか。

 

1960年初頭、ブラジリア近郊は砂利道で家はバラック造りだった。それが今や街にはビルが建ち並び、たいへんな発展を遂げた。それは日本の高度成長と同じ。

しかし、ブラジルでは、治安の悪さ、地域の貧富の格差が顕著だが、日本は恵まれ、豊かな国だと感じるという。

 

木原会長が危惧するのは、故郷和歌山県の人口減少。木原会長は故郷を離れたことで故郷のよさが見えた。

日本、和歌山県の若者たちにも、ブラジルの若者のように世界への関心を持って、広く物事を見て、感じて欲しい。

 

2014年は県人会創設60周年、FIFAワールドカップ、そして2016年にはリオデジャネイロオリンピックの開催を控えている。

 

木原会長は「ブラジルは価値観が変わる国。もっとブラジルに興味を持って貰えるように頑張りたい。」竹中教授は「日本とブラジルの架け橋になってください」と話し、固い握手を交わした。

 

(聞き手・神野翔/サンパウロ)

 

  

 

【写真】握手を交わす木原会長㊧と竹中教授

 

 

対話の模様を、1月19日()午後9時放送の、箏曲家・西陽子の「音楽って素敵なこと」(和歌山放送)で放送する予定です。

 

 

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県人の絆を感じる ブラジル和歌山県人会連合会

2013-01-06 10:28:32 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

昨年12月、慶大教授の竹中平蔵氏が理事長を務めるNPO法人和陽文化振興会は、ブラジル・サンパウロを訪問し現地の和歌山県人会連合会と交流会を開催した。その模様を新春特集として、和歌山放送とメディアミックスでお伝えする。

写真】会談する木原会長㊧と竹中教授

サンパウロ市内のブルーツリーホテルで、県人会連合会の木原好則会長と竹中平蔵教授が会談した。

 

木原会長は1960年5月に旧貴志川町からブラジルへ渡った日系一世。

大学で学んできた農学の知識を活かそうとブラジルで肥料を扱う企業に就職。

以後半世紀に渡り、サンパウロ近郊の日系人の農家と協力し、野菜や花き、果物の栽培技術の向上に貢献された。

 

元来、ブラジル国内では野菜を食べる文化が薄かったが、日系人の農家が得意とする野菜栽培により以前よりずいぶん野菜を食べるようになったという。

そこには日系人らしい地域貢献の姿があった。

 

会員を務めておられる県人会連合会の会員数は約6千5百名。

移民が多い広島や福岡の約2万人に比べると、少数の部類であるという。

県人会では敬老会やピクニック、カラオケ教室、句会などを頻繁に開催しているという。

句会の名は「くろしお句会」。和歌山らしい名称だ。

 

県知事などがブラジルへ訪れる際には700名もの会員が集まる。

他の県人会の場合は多くて数百名規模の参加者であるから、参加率の高さや絆の強さを実感するという。

これは総領事はじめ日系人たちにも広く知られている。

 

※次週に続く

 

(聞き手・神野翔/ブラジル)

 

 

対話の模様は、1月19日()午後9時放送の、箏曲家・西陽子の「音楽って素敵なこと」(和歌山放送)で放送する予定です。

 

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