さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

茨城県に「紀州堀」 元・水戸藩主、徳川頼宜に由来

2019-09-29 13:40:51 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、県の木として「梅」が指定されている茨城県を取り上げた。
和歌山県から遠く離れた地であるが、歴史を辿ればつながりが見えてくる。
今週より「梅でつながる茨城探訪」と題し、紹介していきたい。


紀州徳川家の祖として知られる徳川頼宜は、かつての水戸藩主。慶長7年(1602年)伏見城で生まれた頼宜は、2歳にして水戸藩20万石を与えられる。

慶長14年(1610年)駿河・遠江国(駿府城)へ転封するまでの約7年に渡り水戸藩主を務めた。
藩主とはいえ、家康のもとで育てられたことから、水戸へ入ることはなかったという。

頼宜のあとの藩主となる徳川頼房(よりふさ)は、頼宜の弟にあたり、水戸徳川家の祖となる人物。ここから水戸徳川家の歴史が始まる。

水戸藩主として現地へ赴くことがなかったとされる頼宜であるが、水戸市内に頼宜を思わせる名が付いたものがある。
それは、水戸城の外堀の名称で「紀州堀」。理由は定かでないが、頼房が前藩主であった兄が紀州藩主となった縁から「紀州」の名を使ったという説がある。
紀州堀は水戸城本丸跡から見て南西方向にあり、紀州の方角。
兄を慕い付けた名なのか、何か危惧することがあり付けた名なのか、その由縁を知りたいものであるが真相は明らかでない。



紀州堀の跡は「紀州堀緑地」として水戸市が管理する公園となっている。
市の中心部へ向かう国道349号線が堀の跡地を通り、その両側に都市緑地として整備され、広さは15800㎡。遊歩道が整備された細長い公園となっている。
水戸市梅香。水戸駅から西へ約1㎞。茨城の地に頼宜の歴史が刻まれている。

(次田尚弘/水戸市)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅でつながる茨城県 28日から国体・大会が開催

2019-09-22 14:48:22 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、梅酒づくりに欠かせない氷砂糖の浸透圧について取り上げた。
梅の生産量が全国1位で全体の61.6%(平成29年)を占める和歌山県であるが、酒屋へ行けば県外の梅酒も並ぶ。

例えば茨城県。生産量は全国15位(全体の0.9%)であるが、梅の名所である偕楽園にちなみ、県の木に梅が指定されるなど梅に対する県民の思いが強いところ。
徳川御三家のひとつ「水戸」を県庁所在地に置く茨城県には「紀州」とのつながりがきっとあるはず。

茨城県は関東地方の北東部に位置する。人口は約287万人。44の市町村で構成され県庁所在地である水戸市が最も人口が多く約27万人。県の中央部に位置する。

水戸市の「偕楽園」は「後楽園(岡山市)」、「兼六園(金沢市)」と並ぶ日本三名園のひとつとされ、国の史跡・名勝に指定。
園内には100種3000本の梅が植えられ、花の季節には大勢の観光客が訪れる。

県北部の日立市やひたちなか市、県東部の鹿島市や神栖市では工業化が進み、県南部ではJR常総線の利便性向上、つくばエクスプレスの開通で都心とのアクセスに優れ、自然が残る東京のベッドタウンとして人気のエリア。
県西部は関東平野の中央部にあたり農業が盛ん。太平洋に面する太平洋側気候で、夏季は多雨多湿、冬季は少雨乾燥と、気候は和歌山県と似たものがある。

28日(土)から「いきいき茨城ゆめ国体・大会」が開催されることから、県外から大会関係者が現地に入るなど活気に溢れている。


【写真】いきいき茨城ゆめ国体・大会を知らせる(水戸駅前)

国体・大会の報道で注目を集める茨城県。紀州・和歌山と梅でつながる茨城県を紹介していきたい。

(次田尚弘/水戸市)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅酒づくりに化学の力 氷砂糖で「浸透圧」を調整

2019-09-15 13:30:12 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
これまで10種類に及ぶ様々な梅酒カクテルの作り方やその味わいを記してきたが、共通して言えることは、梅の果実から出たエキスの風味、味わい、甘さを引き立てる数々の飲料の存在。

梅酒づくりには収穫まもない梅の果実と氷砂糖、酒(ホワイトリカーと呼ばれる甲類焼酎など)を使うが、なぜ氷砂糖を使うのかご存知だろうか。
実は、氷砂糖と酒の組み合わせが、梅のエキスを抽出することに役立っているという。


【写真】梅酒づくりに欠かせない「氷砂糖」

今週は梅酒ができる仕組みを紹介したい。

梅の収穫時期、ご家庭で自家製梅酒を作るという方も多いだろう。
スーパーやホームセンターで売られている「果実酒瓶」と呼ばれる専用のガラス容器と氷砂糖の陳列は、この時期の風物詩といえるもの。


梅、氷砂糖、酒を入れた果実酒瓶の中では「浸透圧」による梅エキスの抽出が起きている。
仕組みはこうだ。まず、実の中に含まれる糖分が外の糖度と同じにしようとする。
梅の表皮にある穴は小さく、糖分を外に出すことはできないが、穴より小さな分子であるアルコールや水は通ることができるため、梅の中に入ってくる。
この時、梅の実は膨張した状態になる。

続いて氷砂糖が活躍する。氷砂糖はグラニュー糖などと違い、時間をかけて酒の中に糖分が溶け込んでいく特徴をもつ。氷砂糖が酒に溶け込むと、梅の実の中よりも外の方が、糖度が増してくる。
梅は浸透圧を使い、糖分を外に出そうという動きをする。表皮の構造上、糖分を外に出せない梅は、エキスがふんだんに混じったアルコールを外に放出し、徐々にしぼんでいく。
これが、氷砂糖が解けきる3ヶ月から半年程の間に起き、それを経過した頃が
飲み頃になるという具合。

氷砂糖を使った浸透圧の調整で引き立つ梅酒の味わい。化学の仕組みがここにある。

(次田尚弘/和歌山市)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイスでも、ホットでも クリーミーな「ミルク梅酒」

2019-09-08 13:36:34 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、意外な植物同士のコラボと題し、心も体も温まる「ココア梅酒」と、健康に着目した効果について取り上げた。
今週も意外な組み合わせで驚きの味を楽しめる「ミルク梅酒」を紹介したい。


【写真】ミルク梅酒

ミルク梅酒は、牛乳と梅酒を混ぜ合わせたもの。筆者が試したのはアイスタイプ。
作り方は簡単。あらかじめ冷やしておいたグラスに梅酒を注ぐ。続いて牛乳を注ぎマドラーでかき混ぜると出来上がり。
カクテルの基本である氷を入れてもよいが、ミルク梅酒が薄まってしまうため、あらかじめ牛乳やグラスをよく冷やしておくことをおすすめしたい。
梅酒と牛乳の割合は1対5程度が頃合い。

お味のほどは、まるで生クリームのよう。ミルク梅酒を飲もうと口にグラスを引き寄せた途端、梅酒の甘い香りが近づいてくる。
飲んでみるとクリーミーな味わいが口いっぱいに広がり、甘い後味が残る。
梅酒を入れず牛乳のみを飲んだ時は感じられない深いコク。

これがどのような理由で起きるのか。梅の果汁がお酢のように牛乳のたんぱく質を凝固させる性質があると考えられる。
梅に含まれる成分が牛乳の組織に何らかの影響を与えることで、クリーミーな味わいを生み出しているようだ。

掲載した写真はアイスタイプだが、冷たい牛乳が苦手な方には「ホットミルク梅酒」をおすすめしたい。
作り方は梅酒と牛乳を混ぜ合わせ、電子レンジなどで温めるだけ。
梅酒の割合を多くすると、とろみが出てヨーグルトのような味わいになる。乳成分が分離してしまうので、温めすぎや混ぜすぎにご注意を。

選ぶ梅酒は芳醇であらごしのものがおすすめ。
梅酒の甘味と牛乳の風味がマッチしたミルク梅酒。意外な組み合わせの梅酒カクテルをぜひ。

(次田尚弘/和歌山市)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

意外な植物同士のコラボ 心も体も温まる「ココア梅酒」

2019-09-01 14:11:16 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、これからの季節に楽しめる温かいカクテルとして「ホットティー梅酒」と紅茶に含まれるポリフェノールによる健康への効果について取り上げた。
今週も健康への効果が期待される「ココア梅酒」を紹介したい。


【写真】ココア梅酒

ココア梅酒は、ココアと梅酒を混ぜ合わせたもの。
まず、コーヒーカップやマグカップなど耐熱の器を用意し、あらかじめお湯を注ぎ温めておく。
続いて梅酒を別の耐熱容器などを使い電子レンジで軽く温める。温めておいたコーヒーカップの湯を捨て、そこへ温めた梅酒を入れ、更にお湯と混ぜる。いわゆる梅酒のお湯割りだ。
梅酒とお湯の比率は、梅酒2:お湯1くらい。このとき、150㎖程度の分量であれば、そこへ「ココアパウダー」を大さじ一杯ほど入れ、よくかき混ぜる。

ココアの種類に注意いただきたい。市販されているココアには「調整ココアという砂糖や粉乳を混ぜ合わせたものがある。ミルクココアなどがそうだ。
できれば、ココアの含有量が多いココアパウダーを選びたい。梅酒と混ぜ合わせた際、粉乳が玉になって固まることがあるからだ。


ココア梅酒の味はというと、まず、ココアらしいカカオマスの風味が広がる。
さらに心地よい梅酒の甘さを感じ、つんと来る梅の風味が残るといったところ。
どうしても味が薄めになってしまうので、ココアの風味を楽しみたい方は、ココアの量を増やしていただきたい。

健康のために期待される効果として、梅酒のクエン酸は免疫力を高め、ココアに含まれるリグニンという食物繊維は腸の動きを整える作用があるという。
リラックスしたいとき、梅酒とココアの組み合わせで、心も体も、ほっこり温まってみては。

(次田尚弘/和歌山市)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする