さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

貴重な国内産が県内で 香りを楽しむ柑橘「ライム」

2022-02-27 13:30:45 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では「橙」を使ったポン酢、オレンジ酎ハイの作り方を取り上げた。
今週も果汁が魅力的な柑橘を紹介したい。

ジュースや酎ハイなどで親しまれる「ライム」。海外からの輸入品が一般的であるが、ごく僅か、国内でも栽培されている。


【写真】県内で僅かに生産される「ライム」

2018年の農水省統計によると全国の生産量は3.5t。最も生産が盛んであるのが愛媛県で3.4t(シェア97%)。第2位が和歌山県で0.1t(シェア3%)となっており、県内の主要産地は、かつらぎ町。

ライムはミカン科の柑橘で、ヒマラヤ地方が原産とされ、見た目はレモンにそっくり。香酸柑橘と呼ばれる香りのよい柑橘で、レモンやユズの仲間である。
主に流通しているのはアメリカやメキシコで栽培されたものであり年間を通して入手できるが、国内産は9月から翌年2月にかけて流通する。

筆者が購入した県内産のライムは、レモンと変わらない程度の大きさ。
おそらく、タヒチからアメリカに渡ったとされるタヒチライムという品種であると思われる。
輪切りにしてみると種がほとんどなく、レモンに似た香りがする。

食べ方としては、ライムの果汁に炭酸水を注いで作るライムジュースや、果汁にゼラチンを混ぜて作るライムゼリー。輪切りにしたライムにミントを加えて作るデトックスウォーターやカクテルとして、ライムに含まれるビタミンCなどの成分の摂取と香りを楽しむなど様々。

国内産、とりわけ県内産のライムは希少価値が高いが、温暖な気候ならではの品種。
産直市場などで見つけた際はぜひ購入し、その香り、味わいに触れてみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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「サワーオレンジ」の名に懸けて ポン酢、オレンジ酎ハイの作り方

2022-02-20 13:34:27 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、全国3位の収穫量を誇り、正月飾りや鏡餅に乗せる縁起物として知られる「橙」の歴史を取り上げた。
ほのかな甘みはあるものの、酸味と苦みが強く、そのまま食するには適していない橙であるが、ヨーロッパでは「サワーオレンジ」の名が付くほど、その果汁が積極的に活用されている。
今週は、橙の果汁を使った加工品の作り方を紹介したい。

まず紹介したいのが「ポン酢」の作り方。橙2個に対し、醤油大さじ3杯、お酢大さじ1杯を用意する。橙を半分に切り、搾り器を使って果汁を搾る。この時、橙の外皮に絞り器が当たるほど強く絞ると苦みが出るため、軽く果汁を取り出す程度に押し当てるのがおすすめ。

種や果肉が一緒に搾り出されてしまうので、最後に濾し器を使って果汁だけを取り出し、最後に、醤油とお酢と混ぜれば出来上がり。
橙のサイズや果汁量によって、味が薄く感じられることがあるため、醤油とお酢の量は好みで調整してほしい。

これだけでもポン酢として美味しいが、ここに鰹節や昆布を加え、1日程度冷蔵庫で寝かせることで味がまろやかになり、風味も良くなるため、おすすめしたい。


【写真】簡単に作れる「橙」を使ったポン酢

他にも「サワーオレンジ」の名のとおり、サワーや酎ハイとしていただくこともできる。
焼酎を炭酸で割り、半分程度の橙を手で搾りよく混ぜる。好みで果汁の量を増やし、濁りが出てくれば飲み頃である。
市販のオレンジ系の酎ハイは、どこか甘すぎて苦手だという方にとっても、さっぱりとした味わいを楽しめるのでおすすめ。

まもなく橙のシーズンは終わりを迎えるが、鍋が美味しいこの季節、橙を使った加工品づくりを試してみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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収穫量全国3位 長い歴史を持つ「橙」

2022-02-13 13:32:02 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、花粉症対策に有効とされる「じゃばら」を使ったジュースの作り方を取り上げた。
じゃばらの他にも主に果汁を使用する柑橘がある。
今週は「橙(ダイダイ)」を紹介したい。


【写真】外皮が分厚く果汁が詰まった「橙」

橙は正月飾りや鏡餅に乗せる縁起物として広く知られる柑橘。長いものでは数年間も実が落下せず、新旧問わず、木に実が成り続け「代々栄える」という語呂合わせからその名が付けられた。

インド、ヒマラヤが原産で、1000年近く前から栽培され、日本には600年程前の室町時代に中国から伝来したとされる。
ヨーロッパでは「サワーオレンジ」の名が付けられ、日本名の橙(ダイダイ)と比べれば随分洒落た名で呼ばれている。

果実は丸みを帯び、張りがあることが特徴。温州ミカンよりやや大きいサイズだが、ずっしりとした重さがあり、1個あたり200gから250gある。外皮は分厚く手で剥くには固いため包丁などで輪切りにする。
切ってみるとその重さが故に果汁がたっぷりで、ほのかな甘みを感じるが、実際にそのまま食すとなると酸味や苦みが強いため、果実を食べることは難しい。

農水省統計(2018年)によると、主な生産地は、1位が広島県(約400t)、2位が静岡県(約250t)、3位が和歌山県(約150t)で、和歌山県における収穫量は全国上位を占めている。

収穫は10月下旬頃から。正月飾りとしての需要から12月に最盛期を迎えるが、2月頃まで収穫は続き、ちょうど今頃が果汁の甘味が増す時期。
橙はポン酢やサワーとしての利用に適した柑橘。次週は橙の調理方法を紹介したい。

(次田尚弘/和歌山市)
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「じゃばら」で乗り切る 花粉症対策に、ジュースの作り方

2022-02-06 17:27:37 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号より、花粉症対策に効果があるとされる、北山村特産の幻の柑橘「じゃばら」を取り上げている。
鬼も逃げ出す酸っぱさがその名の由来で、果実は食べられずジュースやマーマレードとして食するのが一般的。
2月に入り、花粉症の筆者は少し目の痒みを感じはじめた。今週はじゃばらの果汁を使った花粉症対策として、「じゃばらジュース」の作り方を紹介したい。

じゃばらが花粉症などのアレルギー対策に有効な理由は、アレルギーを抑制する「ナリルチン」という成分が多く含まれるため。
農業食品産業技術総合研究機構の調べでは、果肉に含まれるナリルチンの含有量は柚子の6.5倍であるという。

その恩恵を受けるためにジュースとしていただくことにした。
まず、じゃばらを輪切りにする。鉄分のような特有の匂いがするがそれに耐えながら果汁を絞る。思った以上に果汁量が多く、じゃばら半分あたり30ml程度の果汁が取れる。果汁30mlに砂糖を小さじ2杯ほど入れるかハチミツを加え、そこに湯を注ぐと出来上がり。
じゃばら特有の香りは残るが甘味が入ることですっきりとした味わいになる。


【写真】果実を搾り果汁を取り出した「じゃばら」

2月いっぱいは果実の購入可能なじゃばら。手に入れることができればぜひ試してみてほしい。
果実の購入が難しい場合やオフシーズンには、瓶詰めされた市販のじゃばら果汁や粉末を活用することもおすすめ。
今年の花粉症シーズンはじゃばらで乗り切りたい。

(次田尚弘/和歌山市)
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