さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

和歌山から悠久の大地へ ブラジルで箏のワークショップ

2015-11-29 14:01:28 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
11月10日(現地時間)、和歌山市出身の箏曲家・西陽子さんがブラジルで箏のワークショップを開催した。
世界中に箏の魅力を発信しようと活躍されている西陽子さんにその思いを聞きました。
(次田尚弘)


和歌山を拠点に活動している私が、日本から最も遠い国・ブラジルを訪れるようになって、今回で7回目。
箏曲家として日本の伝統文化を伝えるため、2009年からほぼ毎年訪れています。

11月のブラジル訪問で訪れたのは、首都ブラジリア郊外の町・ タグアチンガ。
そこは、街中で日本語が聞こえてくるサンパウロと違い、殆ど日系人がいない地域です。
そんなタグアチンガの学校で日本語を学ぶ子どもたちがいると聞いて、箏に触れるワークショップを学校で開くことにしました。

子どもたちが遠い日本に関心を持ってくれているって、とても嬉しいことです。
「少しでも子どもたちに、日本の音色を届けたい。
日本の文化を直に体験してほしい。」という想いを胸に、ワークショップをスタートさせました。

「さくらさくら」に始まり、箏曲古典「六段」では賑やかな子供たちも別人のように静かに日本の音を味わってくれました。
その後、子どもたちに実際に箏に触れ演奏してもらいました。

弦の強さに驚く子もいれば、ラテン楽器とは違う重厚な響きに目を丸くする子も。
会場いっぱいに集まった子どもたち、みんな笑顔で興味津々。
最後は箏の演奏に合わせ、日本の歌を歌って終わりました。

音楽は万国共通語です。
和歌山とは文化も歴史も違うけれど、ブラジルの大地に奏でられた箏の音色は、遠く日本を想うブラジルの子どもたちの心に、確かに響きました。子どもたちにとって、この経験がいつか、日本とブラジルの架け橋になることを願ってやみません。

(西陽子/ブラジル)


【写真】ブラジルの子どもたちに囲まれて
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高野山で「写経体験」 非日常のひと時を

2015-11-23 13:03:37 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
市街地でも、木々の葉が色づきはじめるようになってきた。
この連休、紅葉狩りに出掛ける方も多いのではないだろうか。

高野山では既に落葉が進み、晩秋を迎えている。
昨年は12月上旬には積雪したことを記憶しているので冬の到来はまもなくだ。

先日、筆者は、企画・運営をお受けしているバスツアーで、高野山町石道の一部を歩き、高野山内の宿坊で精進料理と写経体験を行い、奥ノ院を拝観する日帰り旅へ、約50名をご案内させていただいた。

なかでも写経体験は参加者からの満足度が高く「観光目的ではない高野山の魅力に触れられた」など、称賛の声を多数いただいた。
今週は「写経」の目的や体験の機会について紹介したい。

「写経」は印刷技術が乏しかったはるか昔より仏典の保存(継承)や仏典を書き写すことによる功徳を目的に現代まで受け継がれている。
262字の般若心経で構成され、原典はインドから中国へ渡り、漢文体に翻訳され日本に伝わったもので、仏教の根本となる教理が説かれている。
一字一字、心を込めて写経することにより「仏道を発心し、あらゆる悩みや苦しみを解消し、幸福な暮らしが開ける」という。

般若心経は如何なる宗旨に共通したもの。
日頃の自分を振り返ることができ、また、意識を集中することにより神経や脳の動きが活発になる効果もあるという。
初めての体験では集中力や忍耐力が試されるが、書き上げ、納経した際の充実感はひとしお。


【写真】 262字の般若心経を写経する


初心者には薄く文字が印字された用紙が使われ、字をなぞればよいので気負いする心配はない。
まもなく初冬を迎える静かな高野山の宿坊で、日頃の雑踏から離れる機会もよいのでは。

(次田尚弘/高野町)


【写真】 宿坊での写経風景
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見頃迎える「紅葉」 あなただけの名所探しを

2015-11-16 01:07:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では実りの秋にふさわしい、日高地方で魅力的な農作物を生産者が直に販売する「軽トラ市」の話題を取り上げた。

日に日に秋の深まりを感じるこの季節。県内でも標高が高い地域から次第に紅葉の見頃を迎えている。
現在最も見頃を迎えているのが標高500メートル前後の地域。
紀北エリアであれば丹生都比売神社周辺などがそうだ。
今週は紅葉の仕組みとその魅力に触れたい。

紅葉は樹木が冬に葉を落とすための冬支度。
秋になり気温が下がりはじめると、葉への糖分や水分の供給が止まり葉緑素が壊れる。
するとカトチノイドという黄色の色素が浮き出て見え黄葉するのがイチョウなどの樹木。
また、葉に残った糖分によりアントシアニンという赤色の色素が出来ると、モミジなどに見られる赤い紅葉となる。

紅葉の始まりは最低気温が6~7度になるタイミング。
その日からおよそ20日後が見頃の目安。
紅葉の良し悪しを決めるポイントは、日中の天気、寒暖差、適度な水分の3点。
糖分は光合成により生成、夜の気温が低いことにより蓄積され、鮮やかな赤になるという。
乾燥は落葉する前に葉が枯れてしまうため、渓流や川沿いなど一定の湿度が保たれる場所が紅葉の名所となるケースが多い。

お住まいの地域周辺で上記のような条件が揃う場所はどこだろう。
情景を思い浮べ訪れてみれば意外な発見。
あなただけの紅葉の名所に出会えるかも。


【写真】高野山内の紅葉(11月上旬撮影)

(次田尚弘/高野山)
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農作物を対面販売 日高地方で盛況「軽トラ市」

2015-11-08 21:31:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では和歌山県産の魅力的な農作物を海外に発信する取り組みを紹介した。
この秋、県内でも生産者自慢の農作物を一同に集め、軽トラックの荷台に載せて販売するユニークな試みが日高地方で行われている。
今週は、県日高振興局が仕掛けた「軽トラで描く、日高七色(なないろ)市場!!」について紹介したい。

事業の目的は、日高地方が魅力ある農産品の宝庫であることをPRし、生産者の販売機会を創出すること。
日高振興局と、御坊市、美浜町、日高町、由良町、印南町、みなべ町、日高川町の7市町が「軽トラ市推進協議会」を構成し、各市町主催で1回ずつリレー形式で開催することで、軽トラックを使った農作物販売のネットワークを形成し、市民に親しんでもらえるよう企画されている。

第一弾は10月24日(土)印南町の印南漁港で開催。


【写真】軽トラックを並べ賑わう会場(和歌山県提供)

18台の軽トラックが出店。
会場は300人の市民で賑わい、生産者が出店した農作物は販売開始から間もなくして完売するほど盛況であったという。

第二弾、第三弾は開催済みだが、第四弾は美浜町の「煙樹海岸キャンプ場」、第五弾は日高町の「産湯海水浴場駐車場」で、どちらも11月22日(日)に開催。

当事業を企画した、日高振興局企画産業課の西畑和彦さんは「生産者と消費者が直にコミュニケーションを図ることができるので、農作物の魅力や生産の過程、調理方法などを消費者に発信する効果がある。
飛ぶように売れる農作物を見ると嬉しくなります。」とにっこり。
詳しくは、振興局のウェブサイトまたは、電話0738-24-2911へ。

(次田尚弘/御坊)
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香港で発信、県産品の魅力 「Food Expo 2015」

2015-11-01 13:31:07 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今日から11月。秋が深まる季節になり、県内各地で「実りの秋」を迎えている。
地産地消で「食欲の秋」を楽しむのもよし。
県産品の魅力に触れられる絶好の季節だ。

昨今、それらの魅力を海外へ発信する取り組みが行われている。
香港在住の神野翔さんからのリポートを紹介したい。

(次田尚弘)
 

8月13日~17日に香港で開催された「Food Expo 2015」に和歌山県ブースが登場。
多くの訪問客に県産品の魅力を発信した。


【写真】多くの来場者で賑わう和歌山県ブース(香港)

この催しは、毎年香港政府が主催する、香港最大にしてアジア最大級の国際食品見本市。
中国、東南アジア、欧米など世界の選りすぐりの「食」が集まり、世界各地から約50万人が来場する。

和歌山県は、日本国内で唯一、香港政府と経済連携の覚書を締結する都道府県。
他自治体のブースが所狭しと並ぶ中、和歌山県は広い面積を確保。

今年は県内から5社が出展。海外バイヤーとの商談の場にもなるため、企業にとっては海外の販路開拓のチャンスとなる。
今年で4回目という伊藤農園(有田市)の伊藤彰浩さんは「バイヤーや訪問客の反応が例年以上に良かった。
はじめは何も無いところからスタートしたが、年々現地とのパイプが太くなっている。」と手応えを感じていた。

目利きの厳しい香港において、和歌山の知名度と商品の質の高さで多数のバイヤーと訪問客を惹きつけた和歌山県ブース。
国内外の競合がひしめく中、潜在的な競争力を見せ付けた格好だ。
地域資源の海外展開について議論が高まる中、出展企業にとっては確かな感触を得られたに違いない。
県産品のこれからの海外進出に期待したい。

(神野翔/香港)
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