さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

紀勢道で繋がる、町の情報発信基地 三重県北牟婁郡紀北町 2

2016-04-24 13:36:14 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では三重県紀北町の旧・海山(みやま)区にある、美しい石畳が特徴の「熊野古道・馬越(まごせ)峠」と、古道歩きの起点にふさわしい「道の駅海山」について取り上げた。
今週は、馬越峠から熊野古道を伊勢方面へ進んだ旧・紀伊長島区にある「始神(はじかみ)峠道」と、その近くに整備された「紀勢自動車道紀北パーキングエリア」を紹介したい。

「始神峠道」は、旧・海山区と旧・紀伊長島区の境に位置する峠道。
石積みがされただけの素朴な道だが、展望台は熊野灘とそこに浮かぶ「紀伊の松島」と呼ばれる島々を一望できるスポット。

この「始神峠道」の名前を用いた地域振興施設が、紀勢自動車道紀北パーキングエリア内にある。
その名は「始神テラス」。紀伊長島ICと海山ICのほぼ中間地点に位置し、平成27年6月にオープン。
高台に位置することから津波による浸水の危険がなく、住民や自動車道利用者の一時避難場所としての機能も備え、救援・復興活動の拠点としても期待されている。


【写真】紀勢道紀北PA「始神テラス」

「始神テラス」を訪れると、まず、紀北町産の尾鷲ヒノキをふんだんに使ったおしゃれな造りに圧巻。
建物に入ると大きな周辺地図や観光パンフレットが設置された案内コーナーがある。
2階建ての建物の1階部分には、熊野灘で獲れる魚介類や干物、寿司、野菜など、地元の食材を中心に販売する物産店と、それらの食材を使った料理が食べられるレストランが入居し海鮮丼や地鶏の天ぷら丼を求める観光客らで賑わう。
地元の新鮮な食材の旨みと、ヒノキの香りで満たされた暖かな空間が、訪れる者を和ませてくれる。

合併前の双方の町の魅力を、紀勢道でつながる新しい町の中央で発信する施設。
紀勢道利用の際はぜひ立ち寄ってみてほしい。

(次田尚弘/紀北町)





紀勢道紀北PA「始神テラス」
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石畳が美しい「熊野古道・馬越峠」 三重県北牟婁郡紀北町 1

2016-04-17 13:34:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では尾鷲市を起点に東紀州を南北に結ぶ自動車専用道路を取り上げた。
今週は舞台を隣町の紀北町に移すこととする。

紀北町は2005年10月、海山(みやま)町と紀伊長島町が合併してできた町で、人口は約1万6千人。
合併特例法の地域自治区制度を使い、旧町名が区名(海山区、紀伊長島区など)として残る自治区を持っていたが、先月31日をもって廃止された。
今週は旧・紀北町海山区の魅力を紹介したい。

お薦めのスポットは尾鷲市と紀北町の境に位置する「馬越峠(まごせとうげ)」。
熊野古道伊勢路で随一と称される約2kmに渡る石畳と、それを取り囲む無数の尾鷲ヒノキの木々が美しい、いかにも熊野古道と言えるスポット。

熊野古道の散策コースとして知られ、国道42号沿いにある「道の駅海山」を起点に尾鷲駅へと続く古道上には、旅の安全を祈願し子供の夜泣きにも霊験あらたかとされる「夜泣き地蔵」や、初夏にかけてツツジ、秋には萩の花が楽しめる「馬越公園展望台」などがある。
距離にして約5キロ、所要時間は約2時間30分とされる。

「道の駅海山」は前号で紹介の紀勢自動車道の海山ICから車で数分の距離にある。


【写真】「馬越峠」に程近い「道の駅海山」

雨が多い地域からか駐車場まで屋根付きの回廊が整備され、駅舎への移動に配慮されたつくり。
館内には熊野古道をはじめ観光や釣りの情報を発信するコーナーや、特産品の「あおさ海苔」や近隣の湖「白石湖」で養殖される「牡蠣」などの販売、地魚を使った丼や干物料理が食べられるレストランコーナーがある。

周囲が山に囲まれているため、山の幸が楽しめるイメージがあるが、熊野灘の海水と大台ケ原からの豊かな水の恵みを受け、海の幸が豊かな地域。

美しい熊野古道と海の幸に触れられる、旧・紀北町海山区へぜひ。

(次田尚弘/紀北町)



今回の取材には私も同行し、その時に撮影した写真です。






道の駅では「和歌山ラーメン」も販売されていました。
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東紀州を結ぶ自動車道 三重県尾鷲市 4

2016-04-10 13:36:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では熊野古道伊勢路の情報発信基地として整備された「県立熊野古道センター」を取り上げた。
電車とバスあるいは自家用車でのアクセスについて記載したが、和歌山から尾鷲までの移動はたいへんなのではないかと思われる方もおられるだろう。

近年、三重県内では自動車専用道路の整備が進み、東紀州エリアへのアクセスが格段に良くなっている。
今週は伊勢路へのアクセスに便利な「熊野尾鷲道路」と「紀勢自動車道」を紹介したい。


【写真】熊野尾鷲道路「熊野新鹿I.C」付近。サミット期間中の交通規制を告知する掲示も。

「熊野尾鷲道路」は熊野市の「熊野大泊I.C」と尾鷲市の「尾鷲南I.C」を結ぶ延長18.6㎞の自動車専用道路。
熊野大泊I.Cは以前紹介した「鬼ヶ城」の程近くにある。
従来の国道42号では熊野市から尾鷲市の区間において峠道が連続することからスピーディーな移動が難しいうえ、雨の多い地域であるために土砂災害などで度々道路が寸断されることがあった。
2013年9月に開通し、同区間の所要時間が従来と比べ約20分の短縮となり、ドライバーや同乗者の負担も軽減。
災害時の代替路としても期待されている。通行料は無料。

また、尾鷲市の「尾鷲北I.C」と「勢和多気(せいわたき)JCT」を結ぶ延長55.3㎞の「紀勢自動車道」も同様の役割を期待され2006年3月から一部供用を開始。2014年に同区間が開通している。
尾鷲北I.Cと紀伊長島I.Cの区間は通行料無料。紀伊長島I.C以北は有料となる。
勢和多気JCT以北は三重の大動脈といえる「伊勢自動車道」に接続していることから、名古屋・大阪方面からのアクセスが大幅に向上。
和歌山からは西名阪自動車道、名阪国道を経由し合流できる。

伊勢路が通る東紀州エリアへのアクセスとエリア内のスムーズな移動に、ぜひ活用してほしい。

(次田尚弘/尾鷲市)
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伊勢路の「熊野古道センター」 三重県尾鷲市 3

2016-04-03 22:33:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では尾鷲市の特徴ある地域資源「みえ尾鷲海洋深層水」を取り上げた。
今週は熊野古道の魅力を発信する施設「県立熊野古道センター」を紹介したい。


【写真】尾鷲ヒノキで造られた「熊野古道センター」(尾鷲市)

県立熊野古道センターは尾鷲市中心部から少し東の高台にあるビジターセンターで、平成19年2月に開設。
前々号で紹介した「尾鷲ヒノキ」の角材のみで建築された建物は実に趣がある。
高台に位置することから尾鷲湾を一望できることも魅力的。

館内には熊野古道を紹介する映像を大画面で放映するブースを起点に、紀伊山地の霊場と参詣道の概要、熊野の気候や自然、伊勢路に古くから伝わる祭りや民話、熊野詣でと曼荼羅の絵解き、古道を歩いた旅人と地域の人々の暮らし、熊野古道の歴史などを紹介展示。
伊勢路を中心に、和歌山県内の中辺路や大辺路、熊野三山についても紹介され、和歌山・三重・奈良の三県で織りなす古道文化を、三重(伊勢)の視点から触れることができるのは新鮮だ。

展示の他にも、尾鷲周辺の野山や海、川などの自然と触れあう体験学習として、写真学校や工芸教室などが定期的に開催されている。
筆者が訪れた日曜の午後には、親子がヒノキを使った工芸品を熱心に作っていた。
スタッフの方によると、ヒノキの箸づくりや紙飛行機づくりなど、週替わりで様々なプログラムを企画しているという。
観光で訪れた土地ならではの体験をすることは旅の楽しさや記憶を強く残すもの。
尾鷲を訪れた記念に、また、伊勢路を自らの足で歩こうと考えられる方には、ぜひ、立ち寄っていただきたいスポット。

尾鷲駅から路線バスで約10分「熊野古道センター前」で下車。駐車場もあり車でのアクセスも便利。
伊勢路の魅力を学習できる熊野古道センターへぜひ。

(次田尚弘/尾鷲市)
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