さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

紀伊半島を横断する歴史の道 国道166号「和歌山街道」

2014-09-28 13:45:40 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
秋の行楽シーズンの到来。9月14日から開催されている「わかやまDC」とも重なり、例年より観光客が目立つ。
わかやまDCのキャッチコピー「和歌山からはじまる旅」にあるように、「熊野詣」や「お伊勢参り」は日本人の旅の原点と言われている。
これらの巡礼の旅路として栄え、今もなおその名残が残る道「和歌山街道」を紹介したい。


【写真】和歌山街道の起点「高見トンネル」

和歌山街道国道166号線の三重県内の区間(高見峠-松阪市)を指し、市販の道路地図などにも標記がある。
紀伊半島を横断し、江戸時代には紀州藩の本城である和歌山城と東の領地にあたる松阪城を結び、参勤交代にも使われた。
熊野詣、お伊勢参り、吉野詣の巡礼道や南紀・伊勢志摩の海産物を大和へ運ぶ交易路としても栄えたという。

和歌山街道の西の起点で、奈良県と三重県の県境に位置する高見峠への入口「高見トンネル」を訪れた。昭和59年に同トンネルが開通したことで、現在は自動車で快適に通行できるが、旧道となっている従来の峠道の走行は容易ではない。
松阪の出身で紀州藩に仕官した本居宣長もこの街道を通ったという。宣長が初めて和歌山城へ向かう道中、高見峠で「白雲の峰は隠れて高見山見えぬもみちの色ぞゆかしき」という歌を詠んでいる。
高見山に雲がかかり紅葉を望めなかったという言葉の裏に、故郷から離れた和歌山の地への期待と不安の気持ちが込められたのかもしれない。

歴史が詰まった和歌山街道は紅葉も楽しめる道。高見トンネル付近は標高が高く10月下旬が見頃。
和歌山から松阪方面へ向かう機会があれば利用してみては。

(次田尚弘/三重)
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東京駅前にアンテナショップ 紀州館いこら

2014-09-21 16:45:29 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
県外で和歌山の魅了を発信しよう。
先月、関西空港東京駅八重洲口に、新たなアンテナショップわかやま紀州館」が相次いでオープンした。
前号に続き、今週は東京駅八重洲口の「わかやま紀州館いこら」を紹介したい。


【写真】「わかやま紀州館いこら」の店内

同館は和歌山県商工会連合会が開設。8月1日に営業を始めた。
同会の地域力活用市場獲得等支援事業として、和歌山県と近畿2府4県の中小企業や小規模事業者が、地域資源を活用して開発した魅力ある優れた商品や地場産品などを、営業支援拠点として位置づけたアンテナショップで販売し、事業者の商品展開力や販売力の向上を図るねらい。
東京・有楽町にある「わかやま紀州館」の「のれん分け」として、都内では2店舗目のアンテナショップとなる。

店内には1300品目の商品を並べ、商品それぞれに、魅力や特徴が書かれた名刺大の値札を取り付けたり、猪豚など和歌山県ならではの商品には詳しい説明を、柔らかなタッチで発信している。

さらに、県産品を用いた料理教室や、アートキャンドルづくりなど、少人数の体験型イベントを開催するスペースを設けるなど、物販に留まらない、幅広いジャンルからの情報発信拠点となっている。
店長の津留哲也さんは「東京駅前という好立地を活かして和歌山の魅力を広く知ってもらえるよう頑張ります」と話していた。

同店は八重洲地下街の東京駅連絡通路26号出入口を地上に出てすぐの東京駅前八重洲ビル1階に入居。
営業時間は午前11時から午後8時。現時点では今年度末までの期間限定での営業。
詳しくは同店(電話03-3231-0321)へ。
ウェブサイト(https://ikora.jp/)では取扱い商品やイベント情報の提供も。

(次田尚弘/東京)
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空の玄関口で魅力発信

2014-09-14 15:21:06 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
和み、和らぐ。和歌山からはじまる旅」をテーマとした、和歌山デスティネーションキャンペーンが、今日から開催される。
全国各地から多数の旅行者が訪れるこの機会。
さらに県外で和歌山の魅力を発信しようと、先月、関西空港と東京駅八重洲口に、新たなアンテナショップ「わかやま紀州館」が相次いでオープンした。今週は、関西空港店を紹介したい。


【写真】わかやま紀州館 関西空港店の店内

関西空港店は、県中小企業団体中央会が開設。8月4日から営業を始めた。
東京・有楽町にある「わかやま紀州館」の「のれん分け」という形で、県内の中小企業や小規模事業者が地域資源を活用した開発した魅力ある産品を展示・販売。事業者の商品展開力・販売の向上を図ることもねらいのひとつ。

店内では柑橘を使った菓子やジュースなどの加工品に加え、黒江漆器などの伝統工芸を取り扱っていることが特徴。
オープンから2週間程の間は、旬の桃の販売が行われたという。

店舗があるエアロプラザ2階は、関西各地からの空港バスが発着する第一ターミナルビルや、JR・南海の関西空港駅から、格安航空会社(LCC)の乗り場がある第二ターミナルビルへ向かう連絡通路に面することから、乗り継ぎ客の来店が中心で、外国人旅行者も多いという。
同店スタッフの岩谷美由紀さんは「和歌山に興味を持っていただき、実際に足を運んでもらえるよう、情報発信します」と意気込んでいた。

関西空港は国内のみならず海外からの玄関口。ここから和歌山への旅がたくさん生まれることを期待したい。

同店の営業時間は午前6時30分~午後10時で年中無休。現時点では今年度末までの期間限定の営業。詳しくは072・456・8150へ。

(次田尚弘/大阪)
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災害に立ち向かう 地域に目を向け「心の備え」

2014-09-07 13:39:19 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
紀伊半島大水害から3年。大きな被害を受けた紀南の各地では今もなお、所々で爪跡が残っている。
昨年の来県者数が水害前の水準に戻ったという嬉しい知らせは、着実に復興が進んでいる証だが、今年は先月の台風11号で宿泊客のキャンセルが相次ぐなど、天候不順による影響が心配される。
「まさか」と思う災害が身近なところで起きる昨今、私たちにできる備えとは何だろうか。

個人の備えとしては非常持出袋の準備や避難場所の事前確認などが一般的だが、避難のタイミングが遅れれば、それらを発揮できない。
行政からの情報が届くのをただ待つのではなく、自らの判断基準を明確に持ち行動することが求められるようになってきた。

自らの判断基準を持つことは容易ではないが、自分が暮らす地域に目を向ければ、その判断材料はあるはず。
過去の石碑や絵図は先人が後世に伝えようとした証であるし、地名などはその土地の地形に縁があることも多い。

また、地域を見渡せる高い場所から周囲の地形を視ることも有効だ。
試しに、筆者は、和歌山市街を一望できる黒沢山(標高約500メートル)を登ってみた。


【写真】黒沢山から和歌山市街を望む

和歌山城が建つ虎伏山を中心とした、なだらかな丘陵地帯の名残がうかがえ、海からの近さ、紀の川の流れから、津波や河川氾濫が起きた場合の街の姿を想像することは難しくなかった。

防災に限らず「判断」は、虫の目と鳥の目の視点がバランスよく揃ってこそ的確なものになるはず。
地域に目を向け、自身や家族独自による、防災への「心の備え」の充実も大切だ。

(次田尚弘/和歌山)
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