さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

伊勢路・浜街道「七里御浜」 三重県 南牟婁郡 御浜町

2016-01-31 13:35:34 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、一味違う柑橘の味わいを楽しめる「マイヤーレモン」の産地である紀宝町について取り上げた。
今週は隣町の「御浜(みはま)町」の魅力を紹介したい。


【写真】七里御浜と道の駅を望む

御浜町は三重県南牟婁郡に属する人口約9100人の町。温暖な気候を生かし柑橘類栽培が盛んで、「年中みかんのとれるまち」というフレーズを前面に掲げ、年間を通して蜜柑の出荷が行われている。
紀宝町と合わせ、マイヤーレモンの主要な生産地であるうえ、国内で唯一の産地という「サマーフレッシュ」の生産も盛ん。
サマーフレッシュとは、ハッサクと夏みかんを交雑して作られたもの。

5月に実がつき1年をかけて木の上で肥大し、6月から9月に出荷するという特異な品種。
糖度は12%程度と甘いが酸度も高いため、さっぱりとした味わいを楽しめるという。「年中みかんのとれるまち」の由縁はここにある。

国道42号沿いにある「道の駅 パーク七里御浜」は立ち寄り地としておすすめ。
地元の野菜や柑橘、地魚を販売するコーナーがあり、時期に応じた様々な蜜柑を手に入れることができる。
同駅の向かい側には、町名の由来でもある「七里御浜(しちりみはま)」が広がる。
七里御浜は、熊野市から紀宝町にかけての熊野灘に面した砂浜で、約22㎞に及ぶ。熊野古道伊勢路の「浜街道」として古くから信仰の道として親しまれてきた。

5月から9月にかけてはアカウミガメが産卵のために上陸する。荒波が押し寄せるため砂浜は短めで、砂利が多いのが特徴。遊泳はできないが、どこまでも続く長い浜辺と、太平洋の大海原を一望でき、疲れを癒してくれる。種類豊富な蜜柑と伊勢路「浜街道」の魅力に触れられる御浜町を訪れてみては。

(次田尚弘/御浜町)
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一味違う、柑橘の味わい 三重県 南牟婁郡 紀宝町 2

2016-01-25 20:50:29 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、ウミガメの魅力に触れられる「道の駅紀宝町ウミガメ公園」を紹介した。

この地域は熊野灘からの潮風と太陽の恵みを存分に受けられることから、柑橘系の果物の生産が盛ん。
温暖でかつ降水量が多いことから、蜜柑においては、早期に酸度が減少し、他の産地よりも早く食べごろを迎え、いち早く出荷できるという特徴がある。

紀宝町など東紀州の地域では、収穫される蜜柑を「南紀みかん」と名づけ「三重ブランド」としてその魅力を全国に発信している。
実際に食べてみると、甘みと酸味のバランスが良く、濃厚な味わい。
シーズンになると、道の駅をはじめ国道42号沿いに設けられた直売所や無人販売所などで広く販売されている。

また、紀宝町と隣の御浜(みはま)町を含む南牟婁郡を中心に「マイヤーレモン」と呼ばれる果実が作られている。


【写真】完熟したマイヤーレモン

マイヤーレモンは、中国が原産で、レモンとオレンジを掛け合わせてできたもの。
この地域では、国内生産量の約9割が作られ、一大産地となっている。

見た目は一般的なレモンと変わらないが、酸味が少なく味がまろやかであるのが特徴。
皮が軟らかく苦みも少ないことから、スライスすればそのまま食べることもでき、レモン特有の酸っぱさがなく柑橘の良い香りが口の中に広がる。
子どもからお年寄りまで親しまれる味で、筆者はレモンティーとして賞味することをおすすめしたい。

収穫時期は10月から1月頃。10月~11月はグリーンレモンとして、12月~1月は完熟レモンとして店頭に並ぶ。
加工品の製造も積極的に行われ、ジャムやジュレとして販売されている。

新宮市内から僅か10分程度で訪れることができる紀宝町。
この地域ならではの味に触れてみては。

(次田尚弘/紀宝町)
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ウミガメの魅力に触れられる 三重県 南牟婁郡 紀宝町

2016-01-17 16:29:04 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、5月に伊勢市で開催される「伊勢志摩サミット」について取り上げた。
伊勢神宮と熊野速玉大社を結ぶ「熊野古道・伊勢路」は、今後、サミットを通じ国内外から注目されるだろう。
今号より伊勢路沿いの市町村とその周辺の魅力について紹介していく。


三重県との県境、熊野川に架かる国道42号・熊野大橋を渡ると三重県紀宝(きほう)町。
紀宝町は人口約1万1千人の町。三重県の最も南に位置する南牟婁郡に属する。
熊野大橋を渡り、国道42号(旧道)を進むとまもなく製紙工場が見えてくる。
この地域はかつてから製紙業が盛ん。また、柑橘系の果物の生産も行われ、レモンとオレンジを掛け合わせた「マイヤーレモン」の主要な産地となっている。

ぜひ立ち寄りたいところが、国道42号沿いに位置する「道の駅 紀宝町ウミガメ公園」。


【写真】紀宝町ウミガメ公園

紀宝町はウミガメが産卵に来る町としても知られ、同公園はウミガメの保護・啓発活動の拠点として親しまれている。
同公園には実際にウミガメを観察できる「資料館・飼育棟」がある。大小2つの円形のプールがあり、それぞれにアカウミガメやアオウミガメを間近で見ることができる。
また、ウミガメの生態を紹介する展示ブースもありお子さんやお孫さんと訪れるのもお薦め。

併設する物産館では、地元で収穫された農作物や海産物が販売されている。
筆者が訪れた頃は蜜柑が豊富なシーズンで大勢の客が買い求めていた。
同館3階には展望テラスがあり、ウミガメが産卵に来る「七里御浜」と太平洋の大海原を一望できる。
いずれの館も入館料は無料。

海・山・川の恵みを受ける豊かな町、紀宝町を訪ねてみては。

(次田尚弘/紀宝町)
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伊勢志摩サミットまで137日 伊勢路の魅力に触れる

2016-01-10 18:09:45 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
2016年の幕開け。皆さんは新年をどのように迎えられただろうか。
昨年は、紀の国わかやま国体・大会を中心に県民総参加の大きなイベントが目白押しで、本コーナーでも「きい探訪」と題した長編のシリーズを組ませていただいた。
おかげさまで本コーナーはまもなく6年目に突入。
今年も和歌山の魅力を発掘し、ご紹介させていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
 

5月26日(木)・27日(金)に三重県志摩市で開催される「伊勢志摩サミット」について触れたい。


【写真】伊勢志摩サミット会場と英虞(あご)湾を望む

サミットとは、日、米、英、仏、独、伊、加、露の計8か国の首脳、欧州理事会議長と欧州委員会委員長が参加して毎年開催される首脳会議。
現在は露を除く7か国によるG7サミットとして開催されている。
日本での開催は2008年の洞爺湖サミットに次ぐ6回目となる。

8日、外務省にはサミットまでの残り日数を示すカウントダウンボードが設置されるなど、国内外へ伊勢志摩をはじめ日本の魅力を発信しようという動きが活発化している。
私たちに馴染み深い「熊野古道」は三重県にも「伊勢路」のルートがある。
伊勢路は、伊勢神宮から熊野三山へ通じる参詣道。
かつて、伊勢・松坂までが紀州藩の領地とされたことは皆さんもご存知だろう。
現在の三重県中部と南部(主に、気勢・東紀州)の一部がその範囲にあたるが、和歌山県北部で暮らす私たちにとって、この地域の魅力をどれほど理解しているだろうか。
熊野古道・伊勢路は、サミットを通じ国内外から注目されるだろう。
伊勢神宮から新宮へ続く約170kmの伊勢路沿いにある市町と、その周辺の魅力について次週からシリーズで紹介していきたい。

(次田尚弘/三重)
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