僕が大学生の頃、大阪梅田の阪神百貨店裏に、3階建ての「まるい飯店」という中華料理店があった。今のシネコン「ブルク7」のあるところ。戦後、闇市が開かれ、昭和55年頃まで闇市の雰囲気が色濃く残っていたのだ。「まるい飯店」はその隣にあった。
この店の名物は「100円ラーメン」。「みそラーメン」が280円だったから、「100円ラーメン」はお客を呼ぶ為に作ったメニューに違いない。麺と支那竹とチャーシュー1枚。赤字覚悟!
僕は映画を観た後、「まるい飯店」にはよく行った。頼むのは「100ラーメン」と「ギョーザ」と「ビール」。「瓶ビール」はお客が自主的にクーラーボックスから出して飲む形式。
お金が無い大学生にとってはパラダイスだった。
その「まるい飯店」も今は無い。きっとシネコンのビルを建てる為に立ち退いたのだろう。
「まるい飯店」が今でもどこかで営業しているなら、是非行ってみたい。