両刃造短刀
備前 勝光 明応
備前 祐定 明応
相模 廣次 永正
備前 祐定 弘治
美濃 兼先 天正
備前國長舩住祐定天正
室町時代の文明頃から桃山時代までのおよそ百年間にのみ製作された、特殊な造り込みの短刀。近代戦では米軍が創案したダガーナイフに使用方法とその効果をも重ね合わせれば分かり易い。両刃の短刀の遠祖は、太古の時代から剣に求められるも、それらの多くは突くことを目的とし、両刃の切れるという機能性を追究したものではない。即ち両刃造短刀とは、鎬筋を中心として左右非対称であって基本は斬るにあり、鎧の隙間から刺し、刃のあるどちら側へも力を加えることによって内部の截断が容易に行われるもので、必殺の武器であることは言うまでもない。
実は、この両刃造の短刀は、恐ろしい実用の武器であるにもかかわらず、地鉄が綺麗で焼刃も丁寧に施された極めて質の高い短刀であることは、あまり知られていない。下級武士が雑用を含めて日常的に用いるものではなく、高級武将が敵に攻められ、混戦の中で咄嗟の場合に身を守る目的で用いる武器と認識すれば良い。
美しい姿形であり、高級武将は好んで備えとした理由も想像できよう。
備前国に多く、美濃国に稀にあり、他は頗る少ない。相州伝の両刃造という極めて珍しい作があったので、比較鑑賞されたい。
備前 勝光 明応
備前 祐定 明応
相模 廣次 永正
備前 祐定 弘治
美濃 兼先 天正
備前國長舩住祐定天正
室町時代の文明頃から桃山時代までのおよそ百年間にのみ製作された、特殊な造り込みの短刀。近代戦では米軍が創案したダガーナイフに使用方法とその効果をも重ね合わせれば分かり易い。両刃の短刀の遠祖は、太古の時代から剣に求められるも、それらの多くは突くことを目的とし、両刃の切れるという機能性を追究したものではない。即ち両刃造短刀とは、鎬筋を中心として左右非対称であって基本は斬るにあり、鎧の隙間から刺し、刃のあるどちら側へも力を加えることによって内部の截断が容易に行われるもので、必殺の武器であることは言うまでもない。
実は、この両刃造の短刀は、恐ろしい実用の武器であるにもかかわらず、地鉄が綺麗で焼刃も丁寧に施された極めて質の高い短刀であることは、あまり知られていない。下級武士が雑用を含めて日常的に用いるものではなく、高級武将が敵に攻められ、混戦の中で咄嗟の場合に身を守る目的で用いる武器と認識すれば良い。
美しい姿形であり、高級武将は好んで備えとした理由も想像できよう。
備前国に多く、美濃国に稀にあり、他は頗る少ない。相州伝の両刃造という極めて珍しい作があったので、比較鑑賞されたい。