日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 信國 Nobukuni Wakizashi

2016-09-15 | 脇差
脇差 信國


脇差 信國

 無銘ながら、信國の特徴が顕著な作。室町時代初期、相州伝を活かして作刀していたのが信國一門である。地景を交えて肌立つ風のある板目鍛えは、所々に杢目を交え、地沸が厚く付いており、地景はまさに地沸を切り裂く稲妻。刃文は、不定形に乱れる互の目の所々に尖刃、雁股刃、耳形乱刃、矢筈刃などを交え、湯走りと飛焼も交じって出入複雑。焼刃は沸が強く、激しいほつれ、沸筋、砂流しなどが金筋を伴って流れ、刃先までこれらが働いている。所々の杢目に感応して渦巻き状の働きも交じり、総体が激しく動いている感じだ。