日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 國清 Kunikiyo Katana

2016-09-26 | 
刀 山城守藤原國清


刀 山城守藤原國清

 國清は堀川國廣の門人。密に詰んだ綺麗な小板目鍛えに直刃を得意としたが、この刀のように國廣の流れを明確にする相州振りを示した作も遺している。江戸時代初期寛永頃に多く見られる伸びやかな造り込みで、身幅も広くがっしりとしている。地鉄は板目肌がざんぐりと肌立ち、細かな地景が潜んで地沸が付いて・・・縮緬風に細かに揺れて肌立つ堀川肌とは趣を異にするが、明らかに戦国時代の気風を遺して斬れ味を高める工夫が感じられるところは師と同様。刃中に流れる砂流しや沸筋により、刃寄りは正に流れていることも分かる。刃文は沸主体の不定形に乱れる互の目湾れ。この刃沸が刃先近くまで広がり、刃縁辺りはほつれかかり、刃中には金線、砂流し、沸筋が層をなして走る。