日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 肥前國正廣 Masahiro Wakizashi

2016-09-16 | 脇差
脇差 肥前國正廣


脇差 肥前國河内大掾藤原正廣

 初代正廣の変わり出来の脇差。正廣は相州伝の再現に長けていたことから、藩主より「正廣」の工銘を賜り、以降はこの銘を代々が伝えている。「正廣」は言うまでもなく相州の名工。さてこの脇差は、表は直刃に浅い湾れで、裏は大互の目。小板目鍛えに地沸が付いた肥前肌に、刃文は小沸出来。刃中は澄んで透明感があり、刃縁の繊細なほつれが刃中に広がり、匂を伴って淡い砂流しを形成、霧の流れるような景色を生み出している。直刃側においても同様、刃中に淡い砂流しと沸筋が流れており、帽子は掃き掛けを伴う小丸返り。