長かった一日 <後編>

前編はコチラからどうぞ。

夜７時半ごろ。

残ったおかずをママは食べておりました。
ベイビーはソファの陰に座って、
ママに話しかけてました。

と、不意にベイビーの声が止み、
バタン！と音がしました。

あわててベイビーを見ると、
そこには尋常ではない状態のベイビーがいました。

両目は開いているけれど焦点はあっておらず、
口から泡を吹き、
身体は硬直して小刻みに震えていました。

必死で何度も呼びかけてもベイビーは応答せず、
体が硬直しているので
座らせることも寝かせることもできません。

ママの脳裏に浮かんだのは、
『タミフルによる異常行動』と『インフルエンザ脳症』
ということば。

ベイビーを抱きかかえて、救急車を呼び、
そのまま病院に搬送されました。

病院で点滴と血液検査をしてもらって、
結果は『熱性痙攣』ということで
夜11時には家に戻ってきました。

病院を出る頃にはベイビーの硬直も解けていましたが
それでもベイビーからの応答はないまま。

先生は、

「一時的に脳がフリーズしたような感じで、
　今はまだびっくりしている状態だと思います。
　眠たい時間でもあるし」

とおっしゃってくれたけど、

「このままベイビーの声が聴けないんじゃないか」

ママはそんな不安でいっぱいでした。
あんなにおしゃべりなベイビーが、何も答えてくれない。
不安なまま、布団に寝かせました。

一晩中、とってもとっても不安だったけど、
翌朝、ベイビーは目を覚ましてくれました。
第一声は何だったんだろう。
覚えてないけど、
なんでもない一言にママは本当にほっとしました。
泣き虫なママ、涙がとまりませんでした

その日のうちに熱は37度台まで下がりましたが、
ママは一日中ベイビーの顔を見ていた気がします

また熱が上がらないか、不安で不安で。
顔や耳が赤くないか、目は潤んでないか、充血してないか。

その次の日（金曜日）には熱は完全に下がりました。

きっともう大丈夫。
ベイビーも苦しかったし怖かったと思います。
もう二度とこんな長い一日はゴメンです。

ベイビーが生まれて、
一番パニクった一日でした。




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