いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

終止へと

2013年10月09日 | ピアノ・音楽

 今一番時間をかけて練習している曲が、ハイドン作曲のピアノトリオ39番 Hob. XV/25の第3楽章です。ジプシートリオと言われているとおり、ハイドンの曲にしてはジプシーの濃厚な情熱や激しさが感じられる曲で特に第3楽章はジプシーらしさに溢れた快速な曲です。この曲、練習開始前は細かく動く右手が大変だろうと思っていました。確かに右手の動きは細かいのですが、今最大の難所のひとつが終止感を音で表すことです。この曲の出だしは以下の楽譜のようになっています。

 

 このピアノパートの左手の和音の下にⅠ→Ⅳ→Ⅰと和音記号を書きました。Ⅳ→Ⅰの動きは終止の動きであり、緊張から弛緩へ、不安定から安定へと落ち着く方向に向かった動きなのですが、このⅣからⅠに向けての動きを表すのに苦心しています。鍵盤の手前から奥に、とか、大きい音から小さい音へ、という動きでもあるのですがそれだけではすまないような終止を表す何かを聴かせる必要があります。自分では弾けた、と思ったのですが持って行くとまだまだ。。(汗)ちなみ右手の第3小節目のソシレの「レ」の部分にはスタッカート記号がついていますがこの記号はあまり意識せずにちゃんとこの音を聴いて次の「ド」の音に移動するとのこと。しかし「レ」から「ド」まで距離がある上に、レの下にある点がついつい気になり、思わず跳ねたり弾いたか弾かなかったか分からないような音にしてしまったり、と色々やらかしているのでした。音価(音の長さ)はぎりぎりまで伸ばして瞬間移動、この瞬間移動を速く的確に、ということです。実際やってみたらまるで運動をしているみたいです。実際腹筋と背筋を使っているらしいし。子供の時運動苦手だったからとあきらめずにチャンスだと思ってやるのみだと感じるこの頃です。

 

追記)大変申し訳ありません。この記事にはミスがありました。次の記事で正しいものを投稿します。したがって本記事の画像は削除しました。


自主演奏会に行ってきました

2013年10月09日 | ピアノ・音楽

 更新がさぼりがちになっているこのブログですが思い立った時に更新です。

 先週末は二つの自主演奏会に行ってきたのでした。土曜日はピアノ仲間が在籍しているサークルの演奏会、日曜日はオルガンを弾く友人、どちらも貴重な音楽仲間が出演する演奏会でした。

 土曜日の演奏会は「音楽でヨーロッパを巡る午後」というテーマのもと、ヨーロッパ各国の音楽を楽しむ企画でした。会場は有名なホールの近く。落ち着いた雰囲気の素敵なところでした。ヨーロッパということで、ドイツ→フィンランド→スペイン→ポーランド→ロシア→ドイツ→オーストリア→アイルランド→ポーランド→オーストリア の作曲家の曲をメンバーたちが演奏しました。人前で演奏するためにその日に向けて丁寧に曲を仕上げてこられたのだというのが端々から伝わってくる演奏でした。練習会でも演奏を聴かせてもらっていたメンバーさんは謙遜されていましたが、その日に向けて大曲に向き合われてきたというのが感じられました。音楽が、そして演奏している曲が大好きという気持ちが伝わってくる演奏ばかりでした。

 前半はソロ、後半はアンサンブルだったのですが、アンサンブルも楽しかったです。ティンホイッスルというアイルランドの縦笛でアイルランドのサリー・ガーデンズという曲を演奏された方がいました。とてもさわやかで目の覚めそうな演奏、心も洗われました。縦笛とは違って歌口が丸かったので音を出すのが難しそうだなと思ったのですがどうなのでしょうか。プログラム最後は、モーツァルトの曲ばかり22曲を集めて春畑セロリさんが編曲したリレー連弾の曲「ヴォルフガングの玉手箱~モーツァルト名曲メドレー」でした。練習会でちょっとやったことがあるのですが、1曲ずつでは入れ替わりが激しく演奏も手ごたえがかなりあった覚えがあります。ところが今回入れ替えは数曲単位で行われていたうえに練習もされていたようで、とても流れがよくモーツァルトの音楽22曲のエキスを楽しむことができました。

 こちらの演奏会に行ったのは3度目なのですが今回も温かな気持ちになりました。音楽が大好きな方たちの真摯で心のこもった演奏ばかりだからだと思います。

 

 日曜日の演奏会は教会でのチェロとオルガンのデュオ及びソロの演奏会でした。勿体ないことに会場に遅刻してしまい、入った時は一曲聴きそびれてしまったのですが、プログラム2番目のバッハ作曲「コレッリの主題によるフーガBWV579」の悠々たる演奏。聴いていて胸がすくような思いになりました。前半はバロックとロマン派でしたが、後半はじめの2曲は近現代。オルガンはアレクサンドル・ギルマンという近代フランスの作曲家兼オルガニストによる、オルガンソナタ第1番からの抜粋でした。第2楽章の牧歌では牧場で笛がのどかに吹かれているこだましているような感じでした。パイプオルガン自体笛がたくさん集まってできていますものね。そして第3楽章の終曲は激情的なかっこいい曲。中間部はゆっくりしていましたが聴いているうちにどんどん盛り上がっていきました。ノブでの操作によるものでしょうか、オルガンの音ががらりと変わり華やかになるところがありました。調節は手間がかかるもののこのように音色を一気に変えることができるのは音色を変えずらいピアノしか普段触れていない者から見たらとても新鮮でした。近代フランスの曲とはいえどもそこまで奇抜な和声はなく聴きやすかった印象があります。

 その後のチェロ独奏はヒンデミットの無伴奏チェロソナタOp.25-3でした。ヒンデミットというだけで難解そうな予感がしたのですが、演奏者の方が曲の特徴を解説してくださり、予備知識を持って聴くことができました。確かにちょっとひねりはあったものの、奥底にある血の通った音楽が感じられました。第4楽章のささささっという音楽はかなり特徴がありましたがこれも楽しく聴くことが出来ました。難解さよりも親しみやすさを感じることができてよかったです。一緒に行った友人も聴きやすかったと言っていました。

 プログラム最後はフレスコバルディ作曲カサド編曲のトッカータでした。重音などがたくさん出てきて曲自体演奏が難しく聴かせどころがたくさんあったのもあるのですが、情感にあふれて生き生きとした痺れる演奏でした。カサドが大変なチェロの名手であったためチェロの聴かせどころをたくさん設けたようです。

 演奏者の方たち二人が司会&曲解説および演奏されたのですが、その二人が企画や演奏を心から楽しんでいるのが伝わってきて素敵でした。

 そのような貴重な縁に感謝しようと思った次第です。