昨日は日本・ベネズエラ外交樹立75周年記念事業として開催された、エル・システマ・フェスティバル2013に行ってきました。会場は東京芸術劇場のコンサートホール。19:00の開演から盛りだくさんの内容で堪能してきました。
演奏:エル・システマ・ユーズ・オーケストラ・オブ・カラカス
指揮:ディートリヒ・パレーデス
ピアノ:萩原麻未
曲目は
ヴェルディ作曲 オペラ『運命の力』序曲
グリーグ作曲 ピアノ協奏曲イ短調Op.16
<アンコール>
バッハ/グノー作曲 アヴェ・マリア
~休憩~
チャイコフスキー作曲 交響曲第5番
<アンコール>
サン=サーンス作曲 『サムソンとデリラ』より パーカッション
セキーニャ作曲 ティコティコ
バーンスタイン作曲 『シンフォニック・ダンス』より マンボ
噂には聞いていたエル・システマ。どのようなステージなのだろうと期待していました。とにかく最初から最後まで圧倒されぱなしの3時間でした。終わった時にはすっかりラテンの祭りのルンルン気分に、音楽とはこうあるべきなのでは、と語ってしまいそうでした。
最初のヴェルディ、オーケストラのメンバーがステージに溢れかえりそうな状態になっていました。コントラバスが10人、フルートが8人はいたでしょうか。弦楽器もたくさんいました。エル・システマの教育を受けた若々しい演奏家たちが表情豊かな音楽を奏でてくれました。音程もしっかりしていました。場面転換も鮮やかでまるで絵巻物を見ているようでした。
次のグリーグではオーケストラのメンバーが激減。萩原麻未さんによるピアノが入りました。萩原さんの演奏を初めて聴いたのは彼女が中学生のときでしたが、そのころから地元のオーケストラをバックに協奏曲を堂々と演奏していてさすがだと感じた記憶があります。そのころから世界的な大ピアニストへの道筋へとつながっていたのかもしれません。グリーグ、オーケストラとも堂々と掛け合っていてダイナミックな演奏でした。第2楽章の中間部の夢見るようなところでのきらきらした輝き。第3楽章では一転して切れの良い演奏を聴かせてくれました。メンバーが激減したオーケストラのメンバー、しかし音の厚みがほとんど変わらなかったのがすごかったです。管楽器の音がのびやかに出ていました。
その後萩原さんによるアンコール、アヴェ・マリアだったのですが、繊細なピアニシモが2階席にもしっかりと届いていました。細やかな真珠のような演奏。ピアニシモとなると音すら出なくなりやすいのに、さすがです。しびれました。
休憩後はチャイコフスキーの交響曲第5番。大好きな曲なのですが生演奏で聴いたのは初めてでした。再び大所帯のオーケストラによる演奏。曲が曲だったのもあるのですが、どこかへ連れて行かれそうな圧巻の内容でした。第2楽章の有名なところでは空に舞い上がったような気分に、第3楽章では曲に合わせて頭を振りながら、第4楽章ではアドレナリンが放出しっぱなし、あの疾走しそうな場面ではこんな演奏をするのかと再認識。今でも口すざめそうです第4楽章。音楽よ永遠なれ、と口走りそうな状態でしたが、演奏者の方たちはそこで収まるような方たちではありませんでした。
壮絶のアンコール3曲!!!ラテンのエネルギー爆発といったような状態でした。抜群のリズム感、超絶なパーカッション、立ったり座ったりトランペットや弦楽器の軸が上下したり回転したりと、噂にきいていた世界が目の前で繰り広げられました。最後のマンボまでイケイケドンドン、なんといっても演奏者の人たちがとても楽しそうで、これぞわれらの音楽だと体全体で表してくれました。ステージと客席が一体になり熱きラテンの渦に。楽しく興奮に溢れたひとときでした♪