ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ある日の日記

2017-07-24 22:01:53 | ある日の日記
毎日、暑い。外出すると、溶けてしまいそうなので用事以外は家で過ごしてます。

ノエルも、書斎で避暑生活――でも、数日前突然、血尿が出たのでびっくりして獣医に連れていくと「膀胱炎」であることが判明。ぶっとい注射をして(でも、てんで平気)抗生物質を6日分もらって帰宅。でも、とっても元気だし、血尿もすぐ出なくなりましたです。


私は自分の部屋で「アガサ・クリスティを訪ねる旅」という本を読んだり、「名探偵コナン」のマンガの最新刊を読んだりして、クーラー生活。
近所のBさんが、横浜の娘さんのところへ行ってきた、と言って「崎陽軒シウマイ」を下さったのですが、お元気だなあ……。確か、80歳も大分過ぎておられるのに。

夏は、旅に出るスタミナはないなあ
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怪物はささやく

2017-07-24 21:37:39 | 映画のレビュー

封切りされたばかりの「怪物はささやく」を観に行く。
ダークファンタジーというふれこみで、英国の児童文学の映画化なのだそうだけど、誰の原作なんだろう? きちんと調べて観にいけばよかった。

だが、この映画とーっても、面白い! 2時間の上映時間の間、一度も退屈することなく惹きつけられて観てしまうのだ。ほんわかとしたストーリーもいいけれど、本来こうした残酷さを感じさせる物語の方が、人の心に深く食い入ってくるのではないかと思う。

さて、ストーリー。同級生からもいじめの対象になっている、空想にふけりがちの孤独な少年、コナー。彼は、難病を抱えた母親と二人で暮らしている。コナーは夜ごと悪夢にうなされていたのだが、決まって夜中の12時7分にあらわれる怪物は彼にこう告げる「これから三つの物語を話す。それが終わったら、お前が代わりに真実の物語を話す番だ」と。

コナー演じる子役ルイス・マクドーガルの繊細で神経質な表情が、怪物を呼び寄せてしまう孤独な心情をリアイリティたっぷりに感じさせるし、怪物がとっても独創的!
コナーと母親が住む教会の裏庭にそびえる大木が化身したような、樹木の悪霊みたいなのである。


怪物が語って聞かせる物語は、決して口当たりのいいおとぎ話などではない。善が実は悪であり、悪と見えたのが、罪を犯してなどいない――という裏返しのストーリー。これにコナーはとまどい、反発するのだが、こうしたビターな結末こそ、「世の真実だ」と説き聞かせる怪物。ここで語られる3つの物語は、幻想的で美しいアニメ―ションで表現され、素晴らしく美しい。

少年が、自分の魂と対話を重ねてゆくかたわら、最愛の母は「死」へとおもむこうとしている。母の死を食い止めたい少年。だが、彼が語りたがらない第4の物語こそ、「母の死」をめぐる真実であったのだ――。

濃密な時間を過ごせた映画。「ハリーポッター」よりも、こういう方が好みである。
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