ドラマの最後に「このドラマはフィクションであり…」というクレジットが出るのが
「(フツーに)なっちゃった」と中井さん
「それなのに、まだコンプライアンスと言われなきゃいけないっていう…」とおっしゃって
甲斐さんが「ああ、そうですね、ダブル、トリプルですもんね」と相づちを打たれたトコで
我が家が「中井貴一」という俳優さんに注目するようになったエピソードが登場します(笑)
「ハイ、だから、それがとっても不思議だなって…だから、ホントに…
僕、あるドラマをやってる時に、ある任侠の役だったんですけど
あの…自分の弟分が殺されるんですよ。ほいで、その仇を討ちに行くんですよ
ほいで、その(仇の)親分のウチに乗り込む時に
あのー、拳銃を持って、タバコを吸って…その親分のマンションの下に行って…」
…と、マンションの外から、その親分の部屋を見上げながら、左手に拳銃をお持ちになり
右手でタバコを吸っていらっしゃる感じのポーズから
視線はそのままで、右手をお顔の横でパッと動かされ
タバコを投げ捨てる仕草をなさって「…って、やったら
『ちょっとゴメンなさい!ちょっとゴメンなさい!
(甲斐さん大笑い(笑))…ポイ捨てはちょっと…』」
…と、スタッフの方からストップがかかり「『えっ!?どういうこと?』つったら
『ポイ捨ては、ちょっと…今、時代的に出来ないんですよ』って…
『あっ、ポイ捨て?…ポイ捨てダメなの?
で、なに?(…とジャケットの内ポケットに手を入れられ)
こっから灰皿出したりするの?(…と取り出す仕草)』つったら
『イヤ、それはちょっとオカシイんで…』
『じゃあ、どうすんのよ?』つったら
『じゃあ、僕、ここからもう失くしちゃいますから…こっから…』(…と右の手首から先を示され)
『ちょっと待てよ!お前ら、ちょっと待て!』
(『マジックね(笑)マジックね(笑)』と甲斐さん大笑い(笑))
『これ…これは?…俺、ここ(左手に)持ってんの何よ、これ?』『あ、拳銃』
『こっち(拳銃)の方がコンプライアンスにならなくて…(手を叩いて甲斐さん大爆笑(笑))
こっち(タバコ)は…こっちはダメなの?』つったら『そうなんですよ』って…
だから、このコンプライアンスのアンバランス感っていうのは
もう、見手(視聴者)の方に理解して頂かないと…
だから、こういうこと(ポイ捨て)に対して、クレームをつけないで貰いたいって…(笑)」
…と、まんざら冗談でもないような口振りでいらっしゃいましたが
ホントに今は、往年の名作を放送する際、その冒頭に、必ずと言っていいほど
この作品の中には、不適切な描写や表現が見受けられますが
当時の時代背景に忠実に、また、制作者の意図を尊重し…云々みたいな
「お断りテロップ」がクレジットされたりするんだけど、それはもうよくね?(苦笑)
イヤ、確かに、これだけコロナ禍が続いている状況…
マスク着用やソーシャルディスタンスが、いわば「常識」になって来たトコへ
かつての「満員御礼」「ぎゅうぎゅう詰め」の映像を目にすると
ちょっと引いてしまうというか「うわっ!」っていう気分にはなりますが(苦笑)
ホントのところ、どれくらいのクレームが来てるのか?判りませんし
クレームが来ると想定される言動を徹底的に排除しようと
制作者側がナーバスになってるだけかも知れないし
大方の視聴者は、ドラマの中での演出だと認識できるんじゃないかと…?(苦笑)
それはともかく…ここで、平岩紙さんが「中井が取り組む最新作『大河への道』…
江戸時代、初めて日本地図を作った伊能忠敬を巡る物語だ。中井が演じるのは市役所の職員
郷土の英雄を大河ドラマにしようと悪戦苦闘する
一方で、日本地図完成の裏に隠された、知られざる物語を時代劇で描いて行く
原作は、立川志の輔の創作落語。日本の文化や伝統が凝縮されている時代劇を残したい
そう願う中井が、自ら映画化を企画した」と、その映像をバックに紹介なさると
中井さんが「まっ、フツーのただの時代劇を作っても、ナカナカ見ては戴けないだろうけど
うまく、その…現代と時代を組み合わせて…
えー、ちょっと面白く、そいで、ちょっと泣けるっていう話
これは作れるんじゃないかって思って、そいで、志の輔さんの所に行って
『これを映像化さして貰えないでしょうか?』っていう風に話をして…
ほいで、僕、ちょっと…しばらく前から時代劇が全部なくなったじゃないですか?
ほいで、その時代劇を残さなきゃいけないと…
で、僕、何より大事だと思っているのは
えー、その時代劇を知るスタッフがいなくなるのが、一番怖いと…」と話されると
「ああ、そうですね、ホントだ!」と甲斐さん
イヤ、音楽業界も、コロナ禍の間に持ちこたえられなくなった
舞台装置や照明など、ライブに関わる企業が多いみたいだし(汗)
また、新たな人材が入って来ない、受け入れられない中
ベテランのエンジニアが現場を去って行く…といった状況らしく
長年培われた技術やノウハウが伝え切れていないようです(汗)
ともあれ…「ほいで、時代劇に付随するものって、もう今、ギリギリの所に来ていて…
で、俺らがデビューした頃は『もう絶対、この人、チョンマゲの時代から生きてる』
…って思う俳優さんとか、あの…スタッフが(いて)『何してんねん!お前!』って怒られて
スタッフに『歩き方がおかしい』って言われたり
『その刀の持ち方、おかしいやろ!自分』って言われたり
そういう風にスタッフに教わったんですよ」と中井さん
流暢な関西弁は、やはり京都の撮影所で覚えられたのかなあと…?(笑)
「それが、だんだん、そういうことを知らないスタッフが増えて行くことによって
俳優も育たなくなる。付随するものを残すためにも
時代劇を撮り続けることが大事だと思っていて、僕たちが、どういう…
今のこの情報過多の世の中で(時代劇を)残して行けるのかっていうのは
僕は、だから、ずーっと『時代劇を残す』って言ってるのも
そこの『粋』っていうものを残したいっていうことが、一番大きいかも知れないですね」
…と、熱く語られたあと、是非『マニア』としては…(笑)」と振られ(笑)
「そうですね、だんだんマニア化して来てイヤだなあ(笑)」と甲斐さん(笑)
「分析して頂かないと…(笑)」という中井さんのプッシュに
「責任が重い…」とおっしゃってましたが
もう、これはご覧になるしかないですよね?(笑)
そして、ようやく…六角精児さんが「後半は舞台をスイッチ!」と宣言され
画面が切り替わると…「東京・渋谷にあるNHK」…の外観がドーン!
いよいよ、甲斐さんのターンになるところですが、続きはまた次回に…(笑)