「正統派俳優」の話題に続いては…「働く大人の昼ごはん!それが『サラメシ』~!」という
中井さんのナレーションで始まる、甲斐さんご贔屓の番組のオープニングが流れ
平岩紙さんが「こちらが、中井がナレーションを務める番組
『声』の仕事は、本人にとって大きな意味があると言う」と紹介なさって「サラメシ」の話題へ…
中井さんが「元々ね『サラメシ』っていうのは
、あのー、サラリーマンの方たちが家に帰って来て
あのー、パチッとテレビを点けた時に、次の日の昼っていうことをやることによって
ナンかこう…『ああ、明日も(頑張ろう)』っていう風に思って貰えればいいと思って
今から11年くらい前なんですけど、5パターンくらいの(原稿の)読み方を、最初考えたんです
まあ、夜中なので夜バージョン…で、えー、まあ
それよりもちょっと明るいバージョンとか、考えてって…
でも、待てよ、夜中に1回、皆さんを昼に戻すっていうくらいの
トーンでやってみたらどうかなと思って…
(収録スタジオの)ブースに入って、一番最初に、その自分の中で選んだ
5パターンの内の『夜中を昼に戻す』パターンで読んだんですよ
そうしたら『それでお願いします』って言われて、ずーっと11年、それになって…
(甲斐さんは、うつむかれてクスクス(笑))
朝…まあ、午前中、撮影してんですけど、ツライ!ツライ!(『はあー!そうなんだ!?』)
ハイ、朝から、あのトーンって…例えば、こう…それこそ、舞台をやってる時もありますし
わりと重い撮影をしてる時もあるんで、あのトーンに1回するのが、とっても大変!
(手で口元を覆って吹き出される甲斐さん(笑))
まあ(甲斐さんは)歌を歌ってらっしゃるけど、高音の…最初から、キーで出なきゃいけないので…
(『ハイハイ、そうですね、そんな…午前中から(声)張れないですよね』)…張れないので
僕、あの…3日前に原稿を貰うんですよ
まず下読みして、そこから、えー、映像を観さして頂いて、映像に…最初に合わせて
あのー、ナンか(原稿を)変える所は全部変えて、それで次の日、声録りするんですよ」
…と、身振り手振りを交えて「サラメシ」の裏話を披露なさってましたが
確かに、どこかスコーン!と突き抜けたような声のトーンと、たっぷりの声量で
映像の中の方々のお話を、心から楽しんでおられる感じがする、あのナレーションをなさるには
それこそ甲斐さんよろしく、スタジオ入りの前に「ひと泳ぎ」くらいしておかないと
あの声のテンションにはならないかも知れないなあと…?(汗)
ともあれ…甲斐さんは「僕らはライブじゃないですか?一発勝負じゃないですか?
だから、全体のトーンとして『こういうトーンで行く』っていう感じだけ決めるんですよ
でも、その…声、声…どの声で行くんだっていう感じは
やっぱり、ものすごく…僕、その…恐怖感ありますよね
あのー、話聴いて『えっ!?そんなに緻密な話なんだ!?』って…
僕にしたら、すごい…それ、緻密な話にしか聞こえないんで、スゴイなあと思って…」
…と、おっしゃっていて「収録」と「生」…「映像」と「舞台」…の違いはあっても
その番組なり現場なりの空気に大きく影響するという意味では同じなんでしょうね?
中井さんが「僕は、最終的に目指しているのは、棒読みの俳優を目指してるんです
ほいで、セリフが棒読みであっても、感情が通じるっていうことを
僕は終着点に、自分で目指していて、でも、人間って『やれない』っていうの…
『やらない』っていうことと、こう…『出来ない』っていうことは、たぶん違うことであって
色んなことが出来て、それを『やらない』っていう選択であることが、僕は大事だと思っていて
そのためには、まず色んな声の音色を使えるようになっておくところから
それを全て使わなくするっていうところに行き着きたいっていう風に思ったんで
ちょうど、そのナレーションっていうものに対してね
『あっ、トライしてみよう!』っていう風に思った時期だったんだと思うんですけど…」
…と、ナレーターを始められたのも、俳優としての1つのステップと捉えておられるみたいで
「この『SWITCHインタビュー』って、まあある程度、今は甲斐さんが僕に訊く番で
こう…じゃあ、僕が甲斐さんに訊く番が出て来るんですけど
まっ、ちょっと設定が映画館なんで、今ここで訊いちゃいますけども
甲斐さんが、ホントにその…映画とかがお好きじゃないですか?伺ったところによっても…
そうすると、映画からインスパイアされるっていうか
今度、音楽にフィードバックするっていうか、それが、やっぱり強いっていうこと?」と質問
甲斐さんは「もう、ほとんど!」と即答なさって
「ほとんど!?」と驚かれる中井さんに「ほとんどそうですね
自分の思い出を画で覚えてる人と、言語で覚えてる人と、色々いるんですけど
僕は、画で覚えてるんです、全て…で、音楽っていうのは、あのー、聴いた瞬間に
あっという間に、その時の…過去のことをファーってフィードバックして来るんですけど
映像とかドラマって、そんなにバッと来ないじゃないですか?
でも、音楽って、聴いた瞬間に、その時のその場面を思い出せるんですよ
(『そうそう、そうですね』と中井さん)…うん、だけど忘れるのも早い、音楽は…
映像って、こう…ファーって、そんなに一挙に来ないんですけど
『ああー!あったあった!あったあった!(と膝を叩かれ)』って
こう…観ながらこう…すごい残るんですよね」と説明なさって
「あの…趣味とかっていうの、ナンかあるんですか?」と質問を返されると
中井さんは「あんまないんですよね…(『僕も全然ないんですよ』と甲斐さん)
だから、基本的には…イヤ…イヤ、じゃあ僕がサラリーマンだったら
ちゃんとね、あのー、ちゃんと、あの…皆さんしっかりした趣味を持とうとすると思うと思うんですけど、これ、趣味でしょ?」とお答えになり
甲斐さんも「そうなんです!イヤ、もう…あっ、ありがとうございます!その通りです
僕、だから、自分がこう…生活してる…色んなものに興味持って
色んな風に生活してるものが全て跳ね返って来る…
それが全部、吸収になると思ってるんで…」とハゲ同
中井さんが「だから、メシ食うにしても、ナンにしても
そしてナンか…それがナンか、自分のものになってって、それが趣味みたいな感じなんですよ
日常にしか、僕たち、餌になるものがないとも思っていますし
基本的に僕たちの仕事って、ムダの中に存在しなければならない」と
かつて、甲斐さんがよくおっしゃっていた「日頃の生活の仕方が全てステージに出る」とか
「ロックをやってるけど、ロックで生きてないなんてことは絶対イヤだ!」とか
「ムダなことをいっぱいやる」という言葉と同じことを口にされると
「そう!そう!でも、それ、ナカナカみんな気づかないんですよ」と甲斐さん
中井さんの「生きてることが、ナンか、趣味の集合体で、それがたまたま生業になっていて
ナンか、お金を戴けるようになって…だって、お金を戴くんだったら
自分たちが、そこにプロフェッショナルとして、何をやらなきゃいけないか?っていうことが
付随して来るっていう考え方なのかも知れないなと…」という言葉に深く頷いておられました
自分の好きなことが仕事になる、好きなことで食べて行けるって
とても幸せなことだなあと羨ましく思う一方で
「ON」と「OFF」の境界が曖昧…というより境界があってないような毎日を
例えば、体を作る、体調管理をするといった日常的なことから
お仕事に関する目標やビジョンなど、展開のために必要なことまで
常に、ご自身を厳しく律しながら送らなければならないというのは
ホントに、そのお仕事が好きでないと出来ないんじゃないかと…?