公共財の維持と景観 Ⅰ

2016年06月28日 | 湖と城郭都市

【公共財の維持と景観 Ⅰ】

● 開出今橋の塗装剥がれ

開出今という地名の由来については、2説あるという。
その1つは、往古、今村帯刀・今村西空という領主の居
(今村城)があり、当時は西空今村ともいい、帯刀が
小泉村か
ら転住したことにちなみに開出と称されたとい
うもの(出典:角川日本地名大辞典)。2つめは、犬上
川右岸下流の穴田(現在も開出今町の小字名として存在) 
の住民が、犬上川の氾濫による水害から逃れるため、犬
川左岸の現在地を開いて出て来たと言うことによると
いう説(伝承、松宮増雄氏)。双方の時期は特定できず、時代
は、鎌倉時代から足利時代と推測されている。



ところで、開出今町周辺は犬上川下流両岸にまたがり、
くすの
き通りから西にひろがり庄堺公園が右岸にあり彦
根市民病院(八坂町)に接し、南は彦根市清掃センター
あり、両岸に開出今橋が架かっていて、景観もよく初夏
を迎えると、犬上川で小鮎釣りが楽しめる絶好の場所だ
が、昨今の異常気象の豪雨で浚渫を必要とされるところ
である。この開出今橋は、前々期の中島一市長(故人)
の任期時に竣工されている(上写真)。橋の欄干の高欄
のマスタープランを中島前々市長が主監し、デザインは
抽象彫刻の第一人者であった清水九兵衛(故人)の手に
なる。鮮明な朱色は井伊家の赤備からきているものと考
えるが、いまでは、ところどころ塗装が剥げ景観を悪く
している(下写真)。これは施工の瑕疵によるものか、
自動車などにによる飛び石や台風などの増水や悪戯など
による破損などか精密な分析を行わないとわからない(
上位行政組織には道路・橋梁維持管理の分析・調査機関
があると思うが?)。

 

これに対し、橋梁の維持事業予算をみると16年度は2
20万
円と(下表ダブクリ参照)市内にある橋梁維持費
用から本件に充当する費
用(事前調査費・塗装工事費(
原単位は、面積当たりとなる)は超概算見積で足らない
と判断される。詳しくは、市に問い合わせるのが一番だ
が(いつでもできるが)今年度には計上されていないと
判断する。

国交省や県レベルでも、「橋梁長寿命化修繕」項目研究計画
されているが、技術革新のテンポが速い中、全国的に思い切
った投資を行うことで、安全性。利便性の、景観の維持補強を
行い国土価値を高めることは意味がある。今回は、普段から
利用いている開出今橋の瑕疵と公共財と景観の維持補強の
視点から考えてみた。

【エピソード】 
 
   
       

 

【脚注及びリンク】
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  1. 「私の住む開出今」へようこそ 開出今の歴史
  2. 彫刻家 清水九兵衛 Wikipedia
  3. 橋と欄干
  4. 橋梁維持管理技術の現場検証・評価の結果 国
    土交通省
  5. 平成 28年度 主要事業 彦根市
  6. 都市づくりの基本方針(全体構想) 彦根市
  7. 橋梁長寿命化修繕計画による対策橋梁について
    滋賀県
  8. 彦根市都市計画道路網見直し検討調査
  9. 「地域資源・交通拠点等のネットワーク化による
    国際観光振興方策に関する研究」国土技術政策総
    合研究所 プロジェクト研究報告 2008.05.21
  10. 「歴史まちづくりのてびき(案)」ISSN 1346-73
    28 2013.11.13
  11. 歴史まちづくりの特性の見方・読み方 国土技術
    政策総合研究所 2013.04.11
  12. 「まちづくりはひとづくり」をめざし 市民主導
    のまち創る-近世城下町 彦根市本町地区の2例の
    場合-(これからの都市づくりと都市計画制度 全
    国市長会) 中島一 2005.05.09
  13. 「城と湖のまち彦根」中島一 サンライズ印刷出版
  14. 「続・城と湖のまち彦根」中島一 サンライズ印刷
    出版部 
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  16. 中島一元彦根市長 Wikipedia
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  18. ドイツ:ニュルティンゲン市「市民による自治体
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  26. 三島由紀夫 著『絹と明察』
  27. 三島由紀夫の十代の詩を読み解く21:詩論とし
    ての『絹と明察』(4):ヘルダーリンの『帰郷
    』詩文楽
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  42. 中国城郭都市社会史研究 川勝守 著 汲古書院
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    出版
  47. 淡海文庫 44 「近江が生んだ知将 石田三成」太
    田浩司 サンライズ出版
  48. 佐和山城 [5/5] 大手口跡は荒れ放題。現存する移
    築大手門は必見 | 城めぐりチャンネル
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    ル・アーカイブ化に、彦根市立図書館  2012.05.
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  51. 彦根市指定文化財 「山崎山城跡
  52. 都市計画の世界史、日端康雄 講談社現代新書
  53. ドイツ流 街づくり読本  水島信
  54. 続・ドイツ流 街づくり読本 水島信
  55. 完・ドイツ流 街づくり読本 水島信
  56. 都市計画-1 日本の都市計画制度の概要 大谷英一   
  57. 都市計画-2 都市の歴史と都市計画 大谷英一
  58. 都市計画の理論 系譜と課題 高見沢実編集
  59. 「協働的プランニング」の都市計画理論 Patsy He-
    aley ,“Collaborative Planning”2010.02.13
        
  60. 第4回 リスク社会論 ベック・ギデンズ・ルーマ
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    和 正格 2010.05.25
     
  61. ビフォア・セオリ 現代思想の<争点> モダンと
    ポストモダン 慶應義塾大学出版会|人文書
     
  62. 道路をどうするのか 五十嵐敬喜・小川明雄 岩波
    新書
  63. 日本の道路史 武部健一 中公新書
  64. 道のユニバーサルデザイン 鈴木敏 技報堂
  65. 道路が一番わかる 窪田陽一 技術評論社
  66. 「道路」についての国際比較 藤井聡 2010.3.14
  67. 彦根市都市計画道路網見直し指針 
  68. 地域別のまちづくり方針(地域別構想)-彦根市  

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