里山とバイオマス燃料考Ⅰ

2017年03月23日 | 日誌

1.プロローグ 

14日、経産省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制
度で
、2017年度の新規参入者向け買取価格および賦課金単
価等を決定したことを公表。それによると、バイオマス(
一般木質バイオマス・農産物の収穫に伴って生じるバイオ
マス)の価格区分を2,0000kW以上、未満で区分分けし、20
19年度まで決定(下表)。

○ バイオマス発電

間伐材等由来の木質バイオマス(2千kW以上/以下)の調
達価格は、32円/40円、同じく、一般木質バイオマス・
農産物の収穫に伴って生じるバイオマス(2千kW以上/以
下)は、24円/24円、建設資材廃棄物は、13円等と
決められた。尚、2017年度の賦課金単価は、1kWh当たり
2.64円(標準家庭で年額8,232円、月額686円)と決定。

単価は、上記の「平成29年度以降の新規参入者向け買取価
格」の買取価格を踏まえて算定され。また、標準家庭の一
か月の電気使用量を、2016年11月時点の東京電力他の管内
の実績260kWh/月として算出。
なお、同単価は、2017年5
月検針分の電気料金から2018年4月検針分の電気料金まで
適用される。

尚、広島県などのように、メガソーラー事業などの収益を
学校・幼稚園な
どの省エネ補助金に充当する自治体も出て
きているが、現状では、バイオマス発電からの収益金を住
民に還元する制度導入が、初期設備投資が大きい風力発電
や労力などの手間がかかるバイオマス発電の収益金の還元
事例などは皆無(あるいは、計画中)として乏しい。

2.バイオマス発電ビジネスの期待と現実

この様に未利用木材における燃焼発電の調達価格に32
の価格がつき、バイオマス発電への期待がかかる中。神奈
川県で林業とバイオマ
ス発電燃料の供給を行う Bioフォレ
ステーションの林業に対する考え方や、バイオマス発電の
現状などの取材時事(脚注12)を参考に木質バイオマス燃
料利用技術の課題を考えてみよう。ところで、
Bio フォレ
ステーションは、神奈川県の湯河原に、
900ha の山を保
有す県最大の山主で、
「木質バイオマスの FIT 制度を活用
し、日本の森林・林業を再生する」を理念として掲げる営
利企業である。

○ 森林再生とバイオマス燃料の課題

  1. 難しい間伐材の入手
  2. 嵩む搬出費用
  3. 作業道の未整備
  4. 間伐に欠かせない補助金
  5. 増えすぎる森林

 
次回は、これらの、5つの課題についてもう少し詳しく見ていこう。

                               この項つづく

【エピソード】

 
 

 

【脚注及びリンク】
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  1. 2017年度のFIT買取価格、例年通り委員会案で決定 
    2019年度まで発表 環境ビジネス 2017.03.15
  2. 再エネ事業を地域主導型から 地域貢献型へ PHP総研
    2014.03.05
  3. 木質バイオマスエネルギー利用事例集 - 林野庁 2013.
    04.23 
  4. 木質バイオマスの熱利用 - 林野庁 2015.06.25 
  5. メガソーラーの収益を地域に還元、自治体と電力会社
    が手を結ぶ スマートジャパン 2014.12.09
  6. 滋賀県再生可能エネルギー振興戦略プラン 〔概要
    版〕 2013.05.07 
  7. 地方自治体の地域エネルギー政策推進に向けた取組
    状況 環境省 2015.03.30
  8. 更なる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた 政策
    の方向性について 平成27年4月14日 資源エネルギー
    庁  2015.09.10 
     
  9. 滋賀県のバイオマスタウン 近畿農政局 2017.03.23閲覧 
  10. 滋賀県初の木質バイオマス発電所稼働 地元活性化へ
    の貢献にも期待 産経WEST 2015.02.12
  11. バイオマス発電ビジネスのリアル 環境ビジネス2017.sp  
  12. Bioフォレステーション株式会社 公式ホームページ 

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