草加八潮消防局など5消防本部(7市町)は、東埼玉消防指定業務共同運用協議会を立ち上げ消防指令業務の共同運用について協議を進めています。これまでメリットとしてあげられていた点について、数値的に把握できた内容をまとめました。
■概算費用は26億円削減
共同運用のメリットのひとつに財政負担の軽減があげられています。
草加八潮消防局の報告によると、各消防本部が単独で消防指令システムとデジタル無線の整備をおこなった場合、整備費と保守費(部分更新1回を含む10年間の概算)の概算合計で約94億3327万円かかる見通しです。これを共同運用にして1カ所で整備した場合の概算費用は約67億4696億円となり、26億8630万円の削減が見込めるとしています。
このうち草加八潮消防本部分では、共同運用の概算費用18億9715万円で、単独整備に比べて3億6994万円の削減が見込まれるとしています。(あくまでも現時点の概算費用のため実際は異なる場合があります)
■指令員は現71人から39人に
もうひとつのメリットとして、消防指令台に配置される指令員数の縮減があげられています。
草加八潮消防局の報告によると、5消防本部に配置されている指令員数は合計71人です。共同運用になると指令センター1カ所に集約化されて39人になる見通しとのことで、差し引き32人の配置換えなどが可能になります。なお、草加八潮消防局では現状15人体制ですが、共同運用で11人になる見込みとしています。(ただし、人員の縮減分が現場隊員の増強など消防力強化につながるかどうかが重要)
今回は協議会が示しているメリットについてのみまとめました。一方で、共同運用の組織体が増えて多層化することによる意思決定時間の増大や、責任の所在に係る課題などクリアすべき懸念点も多くあります。引き続きみなさんと情報を共有しながら、市民にとって本当にプラスとなるのか様々な視点から協議内容を検証していきたいと思います。
※東埼玉消防指定業務共同運用協議会は春日部市、越谷市、吉川松伏消防組合消防本部、三郷市、草加八潮消防局の5消防本部(7市町)で構成されています。