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草加市児童クラブの現状と課題 ②一体運営、空き教室問題、夏休み保育を提言

2024年07月13日 | 子育て・教育

年々増加する児童クラブ需要に対して、草加市では10年間で児童クラブ定員を1000人増やしました。しかし、入室希望児童数はそれを上回る1269人増となっており、確保策が児童クラブ需要に追い付いていません。詳細はコチラ➡【草加市児童クラブの現状と課題 ①10年間で入室希望児童1269人増加】

草加市議会6月定例会で、児童クラブの待機児童対策としていくつかの提案をおこないました。

 

■父母会からの要望

2023年度から2024年度にかけて、児童クラブの父母会や学童保育の会から草加市に出された要望状況とその対応を確認しました。

草加市こども未来部によると、これまでに谷塚児童クラブ、八幡児童クラブ、稲荷児童クラブの各父母会、草加市学童保育の会から要望書を受けたとのことです。主な内容は、待機児童が生じるクラブのクラス増設、第2児童クラブの開室、常設児童クラブと第2児童クラブの一体運営などでした。

また、要望への対応について次のように説明しました。

  • クラス増設:多くの学校は教室確保が困難。教育委員会や学校と連携し、場所の確保に努めて、入室を希望する児童が児童クラブを利用できるよう保育環境の整備を行っているところ。
  • 第2児童クラブの開室:ご要望いただいた八幡児童クラブは、待機児童数を考慮した結果、2024年4月から第2児童クラブを開室したところ
  • 常設児童クラブと第2児童クラブの一体運営:同一学校内の児童クラブは同一団体での運営が望ましいため、一体運営を進めて行きたい。引き続き、関係者と調整を行ってまいる。

これら当事者からの具体的な要望を踏まえながら、以下の施策について草加市に提案しました。

 

 

 

提案①一体保育の推進

草加市の児童クラブは元々、全学年が同じクラスで生活する”異年齢集団”が基本でした。しかし、深刻化する待機児童対策として第2児童クラブが運営され、低学年は本来の常設児童クラブ、選考に落ちた年上の児童は第2児童クラブに入室する流れがほとんどの児童クラブで常態化してきました。

うちの息子も2年生で待機児童となった花栗南児童クラブでは、2021年度に専用施設が増設され、その後、草加市が社協やシルバーと協議を重ねた結果、2023年度から専用施設2棟とも社協が一括運営する方法に切り替わりました。兄弟・姉妹のような存在として異年齢の関わりのなかでお互いに成長していく異年齢集団が復活しました。詳細はコチラ➡異年齢集団が復活した花栗南児童クラブを視察-草加市

他の児童クラブ保護者からは、「うちのクラブも一体運営にしてほしい」との声が私のもとに複数寄せられています。この一体運営を増やしていくため課題と今後の対応について草加市に質問しました。

質問に対して草加市は、次の通り説明しました。

  • これまで、草加市社会福祉協議会、草加市シルバー人材センターと調整を行ってきた
  • 現在も一部常設児童クラブでシルバー人材センターの派遣スタッフを雇用するなど取り組まれているが、本格的な実施には至っていない
  • 特に第2児童クラブが学校内にある児童クラブは、一体運営を進めてまいりたい
  • 支援員の確保、第2児童クラブとして使用する教室の継続した借用などの課題がある
  • 支援員の確保は、引き続き社会福祉協議会と検討していく
  • 教室の継続した借用は、教育委員会、学校と調整を進めてまいる

 

提案②空き教室の活用促進と基準づくり

児童クラブの増設で、慎重かつ複雑な課題となるのが学校の空き教室の利用です。

校庭に専用施設を建設することや、周辺施設を借りての増設は、コスト的に大きな負担となります。できるまでに時間がかかるといった課題もあります。一方、空き教室はコスト的や安全面等においてメリットがあります。しかし、空き教室の活用は、学校側の懸念として児童生徒数の増加による教室不足等があげられます。もし空き教室を貸して、教室が足りなくなったら…といった懸念です。

現状、これら空き教室の活用は、実態として学校現場の一任となっているため、時の学校長の判断にすべてが委ねられているといっても過言ではありません。

そこで、児童クラブへの教室の貸し出しについて、基準等の有無について草加市教育委員会に確認しました。教育委員会によると、「現在のところ基準等は設けていない」。ただし、児童クラブを学校施設内に開設する際は、「教育総務部において学校運営の状況を確認し、こども未来部に対しての情報提供や課題解決に向けた検討を行うなど、円滑に整備が進むよう学校と様々な調整を図っている」と説明しました。

その上で、児童クラブに教室を貸し出すに当たり、可能な限り学校ごとの差が生じないよう貸し出し基準を設けるよう提案しました。

提案に対して山本好一郎草加市教育長は、「児童数や校舎の規模、児童クラブの利用状況などが異なることから、一律に基準を定めることは困難」としつつも、「学校の教育活動後においても、児童の適切な遊びや生活の場を確保し、健全な育成を支援することは重要であるため、この認識を各小学校とも改めて共有し、今後も学校運営に支障がない範囲で、学校施設を有効に活用できるよう、こども未来部と連携をはかってまいる」と答えました。

 

提案③夏休み期間のニーズ把握と対策

保護者のニーズとしては、「夏休み期間だけ利用したい」「夏休み保育があれば、常設の児童クラブを申し込まないで済むし、待機児童数の減るのでは」といった声が以前から寄せられてきました。

この夏休み保育のニーズについては、実態を正確に把握できていません。そこで、児童クラブ全体の退室児童数の年間の動向について確認しました。

草加市によると、2023年度は、年度中に459人が退室しました。そのうち、夏休み明けの退室は、8月末が児童80人、9月末が53人で、合計133人だったとのことです。調査結果について市は、「1年間で退室した児童総数のうち、夏休み期間終了直後の退室が約29%を占めた」「夏休みの一日保育を利用したのち、退室する児童が多い現状」と説明しました。

これら実態を踏まえて、夏休み期間中のみの児童クラブ保育など対応をおこなうよう提案しました。草加市は、「夏休み期間のみの保育について、利用者の意向の確認、運営方法、運営場所について調査研究してまいる」と応えました。

 

●前の記事:【草加市児童クラブの現状と課題 ①10年間で入室希望児童1269人増加】


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