草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

公正・共生・多様性による「じぞくまちプロジェクト」推進中!
草加の「知りたい」が分かるブログを目指します

草加市など5市1町のごみ処理-東埼玉資源環境組合の2022決算概要

2023年11月08日 | 市政・議会・活動など

11月7日に、東埼玉資源環境組合(リユース)議会の2022年度決算委員会が開かれました。

リユースは草加市、越谷市、三郷市、吉川市、八潮市、松伏町の5市1町が共同して可燃ごみ・し尿を処理する一部事務組合です。管内人口93万人のごみ処理や資源化の役割を担い、第一工場ごみ処理施設(越谷市)や第一工場ごみ処理施設パーシクル(草加市)、二工場汚泥再生処理センター八條キラリ(八潮市)などを運営しています。2022年度決算の歳入は約63億9808万円、歳出61億2496万円でした。前年度に比べて歳入は5億2002万円、歳出は4億7918万円増加しました。

 

■売電収入1.6倍に

第一工場ごみ処理施設では、ごみ焼却熱を利用した蒸気エネルギーでタービンを回して発電し、余剰電力を電気事業者に売却。リユースの収益となっています。※第二工場パーシクルの発電収益は、それも含めた運営業務の委託費用となっているためリユースの直接的な収益にはなりません。

2022年度における第一工場ごみ処理施設の売却電力量は約6738万kWhで、前年度より1.35%の小幅な増加です。しかし、平均の売電単価が、2021年度の8.77円/kWhから2022年度は13.85円/kWhと大幅に上昇しました。結果、電力売却代金は前年度比3億5千万円増の9億3350円にのぼりました。1.6倍に増えました。

 

■家庭系ごみ減少で可燃ごみ搬入量減に

コロナ禍で落ち込んでいた事業系ごみの搬入量は6万6799トンで、前年度より799トン増加しました。一方、家庭系ごみは16万9572トンで、前年度より4711トン減少しました。事業系ごみの増加量よりも、家庭系ごみの減少量が上回ったことから、全体の可燃ごみ搬入量は減少しました。

 

参考までに、5市1町の1人1日当たりの可燃ごみ排出量の推移をグラフにしました。(下参照)

ごみ削減の取り組みなどにより、家庭系ごみ排出量は2019年度まで減少傾向が続いていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大による自粛生活・巣ごもり生活などにより2020年度は1人1日当たり528グラムまで増加。その後は、再び減少に転じています。

事業系ごみ排出量は、企業のごみ削減の取り組みや経済情勢など様々な影響を受けて小幅な増減で推移していましたが、新型コロナが拡大した2020年度に1人1日当たり190グラムまで落ち込みました。その後は経済活動の再開などにより増加傾向に転じていますが、コロナ前の水準には戻っていません。(なお、事業系ごみの処理は手数料収入としてリユースの収益になります。2022年度のごみ処理手数料収入は約14億円でした)

 

■施設更新による負担増の見通し

今後は、第一工場ごみ処理施設(1995年完成)の更新・再整備に向けた資金需要が見込まれており、5市1町の分担金が年々増加していくことが想定されています。(2022年度の草加市の分担金は6億8996万7千円)

現在、新たな財政計画2024の策定作業が進められています。適正なごみ処理やごみの減量化、再資源化の取り組みをさらに推進するとともに、今後の経費の節減や効率化を図っていくことが重要です。

↑写真は、東埼玉資源環境組合(リユース)で17年選手だった公用車の買換えに併せて購入された電気自動車(EV)。リユースで発電した電気で走っています。EV充電スタンドも設置される予定とのこと。施設隣りの越谷市民プールを利用している間に自家用車を充電することもできるようになります。(2023年11月6日、第一工場前で佐藤憲和撮影)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

市民税収と市民の給与所得からみえてくる草加市の現在地

2023年11月06日 | 市政・議会・活動など

2022年度、草加市の市民税収は190億9660万円で前年度より5億円近い増収となりました。ただ、市民のお給料が増えて生活が楽になって税収も潤って…という実感は湧いてきません。そこで、市民税収と給与所得にスポットをあてて草加市の現在地を探ってみました。なお、限られた情報の中での一考察である点をご留意ください。

 

■法人はコロナ前水準に戻らず、個人は過去最高額に

税収の根幹となる市民税収は、個人からいただく個人市民税と、企業などからいただく法人市民税があります。

法人市民税は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年度が約28億円でしたが、翌2020年度は22億円で大幅な減収となりました。その後、2021年度からは2年連続で増加に転じていますが、依然としてコロナ禍前の水準には戻っていません。なお、2022年度は製造業やサービス業、建設業、医療・福祉関連業が増収となった一方、卸売・小売業や金融・保険業、運輸業などが減収となりました。

個人市民税は、法人市民税収が大幅に落ち込んだ翌年の2021年度に前年度比2億円超の減収(約160億円)となりましたが、2022年度は164億円で前年度より4億円増に転じ、過去最高額を更新しました。

 



 

■税収増の背景に年金者や主婦・夫の就労

個人市民税収が増えた理由として市は、全体の納税義務者数や給与所得金額の増加が主な要因との見解を示しています。

そこで、納税義務者のメインとなる給与所得者の状況について調べました。

2022年1月1日時点における草加市の生産年齢人口(15歳~64歳)は16万148人で、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年1月1日から2981人増加しました。草加市では子どもの人口が減少傾向にありますが、今のところ生産年齢人口は増えています。

一方、2022年度における給与所得者数は10万6870人で、2019年度より4290人増加しており生産年齢人口の増加人数を上回っています。

通常、生産年齢人口が増えれば、働く世代の絶対数が増えるため、給与所得者数もその範囲内で増えます。有効求人倍率の上昇をはじめ雇用情勢が一定改善したことなどの影響も考えられます。

しかし、それだけでは現状のように給与所得者の増加人数が、生産年齢人口の増加人数を大幅に上回っている理由にはなりません。

その背景には、実質賃金が上がらないなか夫・妻の収入だけでは生活が成り立たず主婦・主夫が仕事を始めたり、そもそも上がることのない年金だけでは生活できない高年者が仕事を始めるなど、働いていなかった方が就労しはじめたことなどが考えられます。私のもとにも、こうしたご相談は非常に多く寄せられています。

 

■給与所得200万円以下が減、200万円超は増加

次に、給与所得金額についてです。

2022年度における給与所得者の課税標準段階別所得割の人数(令和4年度決算課税状況等の調べによる実績値)を表にまとめました。前年度と比較して「200万円以下」の人数は284人減って6万3913人となっています。一方、「200万円超~700万円以下」と「700万円超~1000万円以下」、「1000万円超」の所得区分はいずれも増加しました。給与所得者数は増えるなかで200万円以下の層のみ減少していることから、パートやアルバイトなど非正規の方が正規雇用となったり、ダブルワーク・トリプルワークをはじめるなど、200万円以下の層で雇用形態や働き方を変えた方が多かった可能性などが考えられます。ただ、ずいぶん大雑把な所得区分でのカウントしか公式記録がなく、家族構成や年齢などをクロスさせた検証もできないため細かい正確な分析は困難です。

 

非常にザックリとした考察ではありますが…

草加市における全体の給与所得者数は増加傾向にあり、製造業やサービス業を中心とした企業業績の回復基調により、市民税は個人・法人ともに増収となっています。

しかし、その背景には、新型コロナや物価高騰などにより年金だけで生活できない高年者や夫・妻の収入だけでは生活が成り立たない主婦・主夫が仕事を始めるなど、働かないと生活していけない実態が浮かび上がってきます。そして、草加市を支える労働者の給与所得層は約6割が所得200万円以下です。多くの市民が苦しい生活のなかでお支払いいただいた血税によって草加市政が成り立っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PTA協力金と学校配当予算の一元化【草加市】

2023年11月02日 | 子育て・教育

PTAからの学校協力金(PTA協力金)が無くなった経緯や、草加市内小中学校への配当予算の一元化の流れとその後の運用状況などをまとめました。草加市教育委員会や市議会の公式記録などをもとに作成しましたが、私見や当事者の情報なども含めて記した内容ですのであくまでも参考程度でご確認ください。

 

■弾力的な運用が困難だった学校配当予算

草加市内小中学校へ配当されている配当予算は、2013年度まで草加市教育委員会の各事業に(総務企画課が所管する学校維持管理運営事業など)に組み込まれていました。そのため、予算書などでは総額として表れず、適正な予算配分や全体の実態把握などにおいて課題が生じていました。また、教育委員会と各学校との関係においても、各学校への配当予算が事業ごとに細かく分かれていることで現場での必要な対応への柔軟な予算執行が難しく、事務負担の課題などもあり、対応策が検討されてきました。

 

■特色ある学校経営に一元化

それら検討の結果、2014年度から「特色ある学校経営推進事業」が新たに設けられました。各学校への配当予算を特色ある学校経営推進事業に集約し、予算上のひとつの事業となりました。

特色ある学校経営推進事業の新設で予算が一元化したことにより、各事業に分かれていた配当予算が束ねられたため、学校独自の予算編成や弾力的な予算執行ができるようになる効果をもたらしました。また、学校の教育活動に必要な予算を学校みずからが配分して執行できるような仕組みを作ることで、学校ごとの特色が活かされる学校経営を推進していくことも狙いでした。

なお、特色ある学校経営推進事業が開始されてから現在までに、報償費やクラブ活動等補助金、清掃委託料、機器借上料が事業内の科目として新設されています。

ただし、原資はあくまでも税金です。草加市の他事業予算と比較しても、特色ある学校経営推進事業は予算執行の自由度も現場裁量権も非常に高い制度設計となっており、より厳格なチェック体制や運用方法の改善が重要となっています。

 

■特色ある学校経営推進事業の予算推移

各年度における特色ある学校経営推進事業の予算額および児童生徒数、児童1人当たり予算額の推移です。

児童1人当たり予算額でみると、小学校はおおむね1万4千円台、中学校は1万8千円台で推移しています。なお、特色ある学校経営推進事業の財源は、市財源だけでなくコロナ禍で国から自治体へ交付されている新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金なども活用されています。

※草加市教育委員会への調査結果をもとに佐藤憲和が作成

 


■PTA協力金がなくなった背景

各校でPTAから学校への協力金(PTA協力金)が実施されてきた背景には、各学校への配当予算がそもそも足りでいない実情がありました。

市の教育予算不足を保護者の方々が補っていたという見方もできる状況でした。特色ある学校経営推進事業を新たに設けることにより、これら配当予算の不足状況を改善する狙いもありました。同時に、PTAにおける家庭の負担軽減も狙いのひとつでした。

また、PTA協力金の用途も課題となっていました。PTA協力金は主に、通学の安全安心のための校外活動費や、植栽などの環境美化費、地域との結びつきの深い運動会、入学式や卒業式などに関する経費に使われていました。その一方で、長机やカーテンの購入など本来は教育予算で対応しなければならない支出や、先生が購読している新聞などにも使われ、改善を求める声があがっていました。※平成24年2月定例会 小川利八議員の一般質問議事録を参照

こうしたなか、特色ある学校経営推進事業の新設と時を同じくして、2013年11月から「草加市立小中学校におけるPTA協力費取扱いガイドライン」が施行され、ルールが公正かつ厳格化されました。施行後、PTA協力金は次第に廃止され、2020年度にはすべての学校で廃止、翌2021年度から実施校がゼロとなり現在に至っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

監査委員を退任しました-新しい草加市議会三役決まる

2023年11月01日 | 市政・議会・活動など

11月1日の草加市議会臨時会で、1年間務めた監査委員を退任しました。また、新しい議会三役が選ばれ、新議長に白石孝雄議員、副議長に吉岡健議員、議会選出監査委員に関一幸議員が就任しました。

私自身、議員として最も経験したかった監査委員を1年間担わせていただきました。教育委員会や健康福祉部、市立病院などを監査し、自治体予算の単年度主義に反する予算執行や法令に基づく契約書の締結が適正になされていないものなどに対して指摘するなど、草加市がさらに良くなることを願いながら時に厳しく監査してきました。現在進行中の草加市社会福祉事業団の監査は後任の関議員にバトンタッチです。また、市の財政状況などを毎月監査していくなかで、年2回の予算・決算審議が中心となる議会とはまた違った時間軸や視点で市政を捉え方ることもできました。

監査委員中にできなかった議案質疑や一般質問が次の12月議会から復活です!監査で得た経験や識見をいかして皆さんの声を市政に届け、草加市政を変えていきます!!

↑監査の様子。向かって右端が中村幸彦代表監査委員、隣が佐藤憲和。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする