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手抜き料理・5

2018年05月11日 07時14分03秒 | 手抜き料理
左手を負傷中のいかどんぶりさんから

“片手でもできる手抜き料理”というお題をいただいた。


経験から言うと、片手でもできる手抜き料理とは

負傷した方の手を濡らさずに作れる物。

また、痛い方の手も大事だが、それをかばうために

無事なもう片方に無理がきては元も子もない。

重たい鍋などの器材をいくつも使うことは避け

負担をかけないようにすることも大事。

そのため、洗う作業と切る作業ができるだけ少ない食材を選ぶ。



洗わなくていい食材として、まず思い浮かぶのはモヤシとキノコ。

昔のモヤシは黒ずんでいたため

漂白剤のようなもので色白にしてから販売されていた。

そこで今だに「よく洗わなければ身体に悪い」という伝説が流通しているが

品種改良の進んだ現代は、中国製でなければ大丈夫。

袋から出してそのまま使える。

なまじ身体に悪かったとしても、私と家族は今のところ元気だ。


シイタケは屋外で栽培することが多いので洗うが

エノキ、シメジ、マイタケなど密室栽培のものは洗わない。

洗うと、水を含んで扱いにくくなる。

こちらも、私と家族は今のところ無事だ。



『モヤシとキノコの炒め物』

モヤシとキノコをラーメンスープの素で炒める。

以上。


味付けには塩胡椒と醤油、または焼肉のタレ

またはウスターソースを使ってもいい。

包丁の登場は、キノコの根っこを除去する時のみ。

キノコはさっくりしているので、片手でも切れる。


ここで『手抜き料理・2』で紹介した刻みネギが威力を発揮。

モヤシとキノコの白っぽい炒め物に入れると、彩りが良くなる。

主婦だって、いつ何が起こるかわからない。

刻みネギのストックは、緊急時の料理に彩りという余裕を添えてくれるのだ。

「どうにもならないから、冷奴」という場面でも

ネギの有無で食卓の雰囲気は変わる。


肉がお好きでない、いかどんぶりさんには適応しないが

“火の通り1分”と銘打った「伊藤ハムのポークビッツ」

という小さいウィンナーをそのまま入れて一緒に炒めると

ボリュームが出る。

おててが回復されたあかつきにはニラや人参、アスパラガスなどで

さらに彩りと栄養を添えるといい。

また、肉の代わりにカマボコを入れてもあっさりしておいしい。


『干し大根の煮物』

干し大根を袋から出し、そのまま20分ほど水に浸けて戻す。

ポイントは、浸けた水を捨てずに取っておくこと。

干し大根が柔らかくなったら適度に絞り、少量のごま油で炒める。

そこへ干し大根を浸けていた水をひたひたに入れる。

砂糖と麺つゆで薄く味付けし、煮詰めたらできあがり。

以上。


戻した干し大根は握ると小さくなるので、片手でも絞れる。

戻したものをそのまま煮る、昔ながらのやり方もあるが

柔らかくなるので年寄り向き。

炒めて水分を飛ばすのは、歯ざわりを残すためである。


干し大根は見た目が地味なので、人気の食材とはいえない。

けれどもそのおいしさと便利さ、豊富な栄養を知れば

乾物の女王として崇めたくなる。

昔は水に浸けたら独特の匂いが漂い、食べる気がしなかったが

今どきのものは改良されているのか、あまり匂わない。


干し大根を戻した水で煮ると、ダシがよく出るので

改めて昆布やカツオのダシを入れる必要は無い。

さらに麺つゆにはダシが入っている。

ダシの味が強いため、ごく薄味で十分旨味を楽しめる。


干し大根の用途は、意外に幅広い。

煮物の仕上げに黒胡椒を振れば、ガラッと洋風に変わる。

黒胡椒のピリッとした辛味は若者にも受け、食欲をそそる。


かために仕上げた煮物を冷まし、マヨネーズで和えたら

おいしくも珍しいサラダになる。

サラダの定番、キュウリや玉ねぎともよく合う。

とびっ子と呼ばれる安いトビウオの卵や、細切りのタクアンを混ぜたら

一風変わったおつまみになる。


また、肉じゃがと一緒に煮ることもできるし

今思い出したが、こうや豆腐と合わせた煮物も

病院のメニューにあった。

病院のは豚肉の薄切り、じゃがいも、人参

サヤインゲンと干し椎茸が入っていた。



さて、暖かくなったので季節はずれではあるが

私の手抜きぶりを知っていただくため、恥をしのんで紹介する。

『キムチ鍋』

キムチ、豚バラか豚ロースの薄切り、豆腐を鍋に入れて醤油で味付け。

以上。


キムチは、すでに切ってある物を多めに買う。

生の白菜を入れようとするから、台所が散らかって大がかりになるのだ。

キムチを煮てみ。

白菜に戻るから。

もんだり漬けたり、こねくり回されている分

元の白菜より滋味と歯ごたえがあっておいしい。


豚肉は切らずにそのまま。

な〜に、煮たら縮まる。

キムチの酵素で柔らかくなるので、肉の寸法なんて誰も気にしない。


豆腐は一丁をそのまま沈めて、鍋の中で崩す。

散り散りバラバラの豆腐とダシがよく絡まって、うまいぞ。


まな板と包丁をどうしても使いたければ、ニラと油揚げを入れる。

モヤシとキノコもどうぞ。

シメにうどんや中華そばを入れてもおいしい。

全部キムチが味付けしてくれる。


これは病院勤めで遅くなった冬の夜

冷えた身体を早く温める方法として考案した。

水で野菜を洗いたくない一心からである。

着替えをしている間に湯を沸かし、材料を入れたらすぐできる。


以来、家族にも食べさせているが、評判はいい。

これまで、白菜が実は全部キムチだということに

気がついた者はいない。


肉を入れず、豆腐だけでもおいしいし

ダシをたっぷり吸う油揚げもいい仕事をする。

鯛などの白身魚ともよく合う。

冬になったら‥また、夏に汗をかきたいかたには

ぜひお試しいただきたい一品である。
コメント (15)
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