殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

プラッシーの誘惑

2009年06月20日 11時54分39秒 | みりこん昭和話
昔の話で恐縮であるが

結婚にあたり、3人のおかたからアプローチがあった。


モテた…ということではない。

いにしえの田舎町では、恋愛はもとより

親しいというだけでも結婚が前提となり

現在の世情とは、少しニュアンスが違うと思われる。

そういう時代であった。

たいていのことは“時代”ですませられる、いい年齢になったもんだ。


その中の一人は、まだ学生であった。

穏やかで良い人だが、恋愛感情は湧かない。

しかも名字がちょっとイヤ…。


もう一人は消防士。

これも名字がかなりイヤ…。

しかもしかも!農家の長男!

うちのルーツはどこを掘っても稲作農家だ。

農家の嫁がどれほど厳しいものか、よ~く知っている。

改善されつつあるとはいえ、長い歴史を完全に覆すのは難しい。


最後の一人は…言わずと知れた我が夫。

これは簡単明瞭で、好きな名字であった。

我が家と同じ自営なのも、安心感があった。


君がいないと死ぬ…と言う。

あまりの情熱に恐れをなして、一度断わったら

ものが食べられなくなって寝込みやがった。


死んでも構わない…いやむしろ、その時死んでもらっておけば

あまたの女人を苦しめて罪を重ねることもなかったであろう。

しかし、そこへ出て来たのがヤツの母親。

私と両親に「なんとか付き合ってやって欲しい…」と言う。


それで情にほだされ結婚したのか…というと、そうではない。

「バカだからよしたほうがいい」

と止める家族をふりきり、私は自分の意思でヤツに決めた。


決定打は…

「プラッシー」じゃ。

昔、お米屋さんだけで販売していたあのオレンジジュース。


何が嬉しいといって、ヤツの家に行くと

プラッシーが飲み放題なのだ。

農家出身の我が家は、米屋とつきあいがなく

その上清涼飲料水のたぐいは極力避ける主義だったので

プラッシーは夢の飲み物であった。


プラッシーの次は、キリンレモン!

どっちもケース買いして、たんまり冷やしてある。

結婚したら毎日飲める…と思った大バカ者の私であった。


年月は経過し、学生君はいまや花のお江戸でテレビマン。

消防士君は、市役所のエライさんになった。

どちらも良い妻をめとり、幸せに暮らしているという。

プラッシーなんかに魅せられるような愚か者と

結婚しなかったからにちがいない。


今、プラッシーはスーパーで普通に売られている。

なにげに腹立たしい。

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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
とりあえず一番乗り (にしき)
2009-06-20 17:32:34
それだけ告げて一先ず退散。
まだ脳ミソが全快してないんです。
後ほどコメントします。
返信する
えぇΣ(゜ロ゜;)!! (はな(^^♪)
2009-06-20 21:19:12
決め手は「プラッシー」だったんですか( ̄∇ ̄|||)
しかも!結婚前から家族にバカだと見抜かれていただなんて・・・( ̄  ̄;)

それでも当時は、ホントに大好きだったんですね!
でも、寝込むほど好きになってもらえたら考えちゃうよね(^^;

見捨てられないし、情に厚いみりこんさんを
見抜いてたのかもしれないですね!(^-^)フフ
返信する
プラッシー… (ユウキ)
2009-06-20 21:40:39
そんな魅惑の飲み物なんですか!?!?
人生で初めて聞いたんですが


私も
『君がいないと死ぬ』なんて言われてみたいなぁ
返信する
プラッシー?? (K)
2009-06-20 22:06:00
知りましぇーん(^o^;
相当魅惑的なんですね!…ウソウソ
みりこんさんも好きだったんですね?顔と名字が(笑)
反対されればされるほど燃えるし?
熱烈に求められたなんて羨ましいです!
私は若気の至りで自分から持っていきましたから~
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なつかし~ (きょん)
2009-06-20 23:14:51
最近、いや、もう20年以上飲んでないような気がする プラッシー!
同時に ” 愛のスコール ” とかも好きだった~
きゃっ! みりこんさんモテモテじゃん!
選択肢が多いと 「こっちを選んどけば・・・」 って 
空想の世界がたくさん広がるね~
私は・・・分岐点がありません 
返信する
寝ろよ(笑) (みりこん~にしきさんへ)
2009-06-21 15:41:53
ゆっくり寝ときなさいよ!
早く元気になってね!


返信する
プラッシーが… (みりこん~はなさんへ)
2009-06-21 15:45:32
目当てだなんて、誰にも言えず…(汗)
つきつめれば、こんなもんです(笑)

バカ…見抜かれてましたね(笑)
こっちは「よく知らないのに何がわかる」
って気分でしたが、年を取ったらよ~くわかります。
腐ったリンゴは、みなまで食べなくても
見ただけでわかりますもんね。
返信する
魅惑の飲み物!(爆) (みりこん~ユウキさんへ)
2009-06-21 15:49:00
今なら絶対そうは思えません。
ただのオレンジジュースです(汗)
お米屋さんにしか売ってないことが魅惑だったのかも。
先日久しぶりに飲んだら、昔より酸っぱくなっている
ように思いました。

死ぬ…と実際言われてみ?
気色悪いから(笑)

返信する
君も… (みりこん~Kさんへ)
2009-06-21 15:53:03
知らないのか…。
そっか~。若いモンは知らないのだな…。

熱烈に 求愛されて 結婚し

   釣られたサカナが エサを調達

ほ~っほっほ。

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スコール! (みりこん~きょんさんへ)
2009-06-21 15:57:43
あるよっ!スコール!
なぜかスーパーや量販店でなく、町の小さな
駄菓子屋さんにあります。
時々買ってます。

プラッシーは、その昔、我が町のはずれに製造工場があり
それでこの辺では多く出回っていたのかもしれません。

分岐点…多分、どれを選択しても結果は同じだと思います!
でも「空想の世界が広がる」というきょんさんの考え
すごく好きです♪

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