22日は、足利市民合唱団(足唱)が出演する群馬交響楽団の第九演奏会でした。
終演後、更衣室にほんの数人が残っていました。団員の女性が一人、花束を抱えて浮かないお顔をされていました。理由を尋ねたところ、
「民生委員でお訪ねしている一人暮らしのお年寄りで比較的元気な方々に、第九のチケットをプレゼントしたの。他の方にはちゃんと言ったのに、一人だけ『何もプレゼントを持ってこないでね。』と、言い忘れてしまったら、こんな立派なお花を頂いてしまって……。これじゃ、何の意味もないわ……。かえって、ご迷惑をお掛けしてしまって申し訳なかったわ。」
とのこと。
自分をいつも気遣って優しくしてくれる民生委員さんが出演するコンサートのチケットを、思いがけずプレゼントされ、「そうだ!お花を買っていこう!」と決めて、お花屋さんであれや、これやと選び(とっても綺麗な花束でした)、わくわくしてお越しになった……んじゃないかなぁ、と私は思いました。その団員さんからしたら、とんでもなく若輩者の私だけれど、「そんなこと、ないですよ!」と、つい言ってしまいました(「そうだといいけれど……」と、大切そうに花束を抱えてお帰りになりました)。
足唱は、決して「超巧」団体ではないけれど、普通に暮らしていたら絶対にお友だちになることはなかったであろう年齢の方や立場の方と出逢えるところが、本当に好き。もともと、とても尊敬していた団員さんだったのだけど、「こんな女性になっていきたいなー。」と、改めて思った第九の夜でした。