隠れ歴女(戦国時代)です。
宮本輝さんと同じく、永井路子さんもほぼ全読したかなと思います。ただ永井さんに関しては、「この1冊」を選ぶのに迷いがありませんでした。大好きな女性、お市の方(信長の妹で淀君のお母さん)に出会った作品だし、この1冊を読まなければ今でも歴史なんて「高校生のとき、日本史とってたなぁ……」程度の存在だったと思うので。その頃勤めていた銀行の小さな本屋さんコーナーでこの本に出会ったお昼休みを今でも覚えてるくらいに、大切な本なんです。
男女の区別なく、強い人もいれば弱い人もいる。でも、女性特有の「しなやかな強さ」というものがあると信じています。剣を振りかざし自分自身を貫くだけではなく、カメレオンみたいに自分を変え続け、主張がないようでいて、実は振り返ると一番大切なキーマンはあの人だったんだ……とみんなが気付く。そんな女性たちの姿を永井作品で知りました。20代の頃永井作品にハマったことは多分、今の自分にとって無駄じゃあなかったなぁーと思っています。
全然、理想の女性像には届いていないけど、でも今日も明日も来年も、「しなやかに強く」、写真館の若女将として生きていこうと決心しているのです。