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陶芸を学ぶため窯元に弟子入りした時の習慣で、My工房でも午後3時からブレークタイムです。いつもは、私も含め交代でコーヒーを淹れて飲んでいるのですが、今回は茶室で薄茶を点て、一服しようと予定していました。教室のメンバーの中に、2人がお茶(表千家と遠州流)をやっています。今日は、遠州流のAさんにお点前してもらうことに。 正月用に飾っておいた「竹台子」(たけだいす)
竹台子は、真台子から見ると「草」で、皆具(水指、建水、蓋置、柄杓立てが揃いの道具)を使わなくてもOKですし、気軽に多様な使い方ができます。
お点前がはじまり、柄杓を構え釡の蓋を蓋置に置きました
各流派の点前の違いを調べたことがあります。遠州流に関んする本は、私の本棚に「小堀遠州の茶道」(小堀宗通著)一冊だけで、しかもこれはお点前の本ではありません。当然、三千家の流れをくむ私の点前と対比すると、随所に違いが見られます。まず、外見的な大きな違いは、袱紗(ふくさ)を右に付けることとその向きです。これは、遠州流の茶道は「武士の茶道」で、左に刀をさすからということです。
なつめ、茶杓を拭いた後、茶碗を手前に引き茶筅通しをします
台子の扱いは、どの流派も運び出し・小棚と比べ若干違いがあります。今日は台子を使ったこともありますが、蓋置の置く場所、柄杓の引き方、袱紗さばき、茶筅通しなどに特徴的な所作が見られました。
茶筅の穂先を柔らかく、穂先の点検のための茶筅通し中
千家の茶道は「わび・さび」をより追求していますが、遠州流は、「きれいさび」ということで、お点前の中にその一端が感じ取れる場がありました。また、茶花の生け方をはじめ懐石、道具の取り合わせなど流独自の美意識が発揮されていることでしょう。
間もなく茶筅通しが終わります。茶名は「雲鶴」、詰は「丸久 小山園」。
いつもの休憩より長くなりましたが、心楽しいひと時となりました。いわゆるイイお点前をするには、まずは稽古です。そして、謙虚にお客のために一生懸命一服のお茶を点てる心入れです。はじめは型から入り、型を定着させ、その型から抜け出したときその人の風格とか個性が表れ、それが生活に生かされるものと思います。