☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
◆ 最近、不定期更新になってます!(詫) ◆

【 オピニオンリーダーが語る 「厨房談義」 第23回 】

【オピニオンリーダーが語る「厨房談義」第23回】
2016年1月25日開催、東京ガス様 業務用厨房ショールーム
『「BO!セミナー」料理撮影セミナー 』
~美味しそう!の先へ、魅力を表現する料理写真講座~
の様子を掲載して頂いております!
作例写真も合わせて掲載しておりますので、お時間のある際にご覧下さいませ。

続・写真セミナー報告 【2】

2010年05月30日 | ヲタクの館!写真講座

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毎度~、長らくお待たせのぉ。◇ 暮らしプラスOneセミナーアンコール企画 ◇  
【 おうちで カフェメニュー撮影に挑戦! 】の解説、第2回目(遅!)を
お送りしたいと思います。今回も、お時間に余裕がある方は、どうぞお付き合い下さい。

さて、えーとですね。今回のセミナーは、ご受講頂いた方から、「キメの写真」を送って
頂いておりました。解説をメールで返信致しましたが、お手元に届きましたでしょうか?

送ったのに、返事が届かない!という方がいらっしゃいましたら、ご一報下さい。

  2回目の今日は、皆様に共通していた疑問・質問についてお答えします。

 まず、一番多かったのは構図についてのご質問でした。

被写体に寄れないより、引けない(広い範囲を写し込むときのバランスがとれない。)と
お悩みの方が、多かったです。

又、寄れない(接写出来ない)という方は、接写はできているのですが、食品の切り方に
迷いが見られました。(どこまで切り取って良いのか、わからない。)

どちらに対しても、有効な解決方法としては。
「この被写体の何を一番見せたいのか?」を決めてから、ファインダーを覗くようにして
みてはいかがででしょうか? ということです。

実は、最初に作例写真を撮ってお見せしないのは、意味があって行っていることなのです。

講師の写真は、良くも悪くも印象に残ります。他のアート表現とは違い、写真はコピーする
ことが容易であるので。カメラを持った初期の段階から、他の方の模写という練習方法は
お薦めしていません。(写真学校時代、先生のセットした被写体を、全部動かして撮って、怒られたなぁー

” 料理写真はこうあるべき ” という固定観念を持ってしまうと、平板な写真は撮れても、
オリジナリティーのある写真は撮れなくなってしまいます。

自分はどうしたいのかを、常に意識して、頭の中で絵を構成してから、カメラを手に持って
みましょう。上達を焦る必要など、全くありません。

今回、引いた写真でいいなぁ!と思ったのは、この方のお写真、レアチーズ編(before)
セミナールームとは思えないこの切り取り方。お部屋全体を描こうとした意図が秀逸です。

寄った写真でありながら、奥行き感を見せるアングルで独自だったのは、この方のキッシュ
のお写真。トマトにハイライトが入って、キラッとしているじゃないですか!!!

思い切った俯瞰気味のアングルで、お菓子に意識を集中させた、この方のムースの写真
バックを窓にしなくても、いや、しなかったからこそ、すっきり纏まった写真になりました。

こういう写真を待ってたんですよぉ~。(本文が長くなってきましたので、話を先へ進めまぁす。)

次に多かった質問は、やはりこれっ。露出補正です。

適正露出を基準に、自分の明るさを作り出してみましょう!

明るさは、色味にもつながります。ここで、もっとも大切なことは。
前述した最も表現したい被写体の明るさと色味を、自分の記憶に基づいて再構成する、
という意識を持って、露出を決定してみることです。

ここでは、私の作例を見て頂きたいのですが。

まず、新じゃがを使ったキッシュの写真で。トマトの赤、キッシュの黄色、ハーブの緑。
カメラのはじき出す適正露出では、もっと鮮やかな色になるはずです。しかし、ここでは、
初夏のお昼の光を表現したい!と思ったので、背景の階調がなくなるまで飛ばしました。

二つ目の初夏のベリー類を使ったホワイトチョコムースは。
ベリーの赤、ムースの白。どちらも鮮やかに表現するため、適正に近い範囲で収めました。

三つ目のマカデミアナッツとアーモンドのチョコタルト。*今回のポイントとなるスタイリング
チョコレートの色を正確に表現する。暗いバック、コントラストをつけたライティングですので、
豊かな階調を画面一杯に散らすことによって、写真に立体感と変化をつける意図をもって、
露出の決定を行いました。

それでは、マイナス補正を行ってシックな雰囲気を演出した、この方の最後の写真をご覧
ください。バックの光の落ち方も格好良いですよね?しっかりした描写も好きな写真です。

今度は、金属の質感、光とお菓子の色味の両方が美しく表現できた、この方の最初の写真
ご本人の意図に反して申し訳ありませんが、私は、補正前のこの感じが好みなんですよね。

他の受講生の方の写真をご覧になってみて、いかがですか?良いでしょう!

最後に、参加した皆様の感想で、一番多かったご意見をご紹介します。

ズバリ、一つの被写体に対し、一回しかシャッターを切れないので緊張した!でした。

いや、もちろんですね。普段は何回撮って頂いても構いませんし、とくに露出を判断する
ためには、何段階か補正を行って撮影してみて、経験値を増やす必要があります。

しかし。メール添付で送って頂いたお写真も含め、集中して撮った真剣さが伝わりました。
何枚も撮って、その中から好きな写真を選ぶという方法も、時にはアリだとは思いますが。
ご自分の意図を反映させた写真には力があると、皆様から教えて頂いた気がしております。

正直に白状しますが。
多灯ライティング、ミックス光、4×5でのアオリ撮影が特徴である私にとりまして。
全ての得意技を封じられて、35㎜デジ一眼での一発撮り。実に、苦しかったですぅ

ここまでは、本当に基本的なカメラ操作や撮影姿勢のお話しでした。
この度の講座は、初心者向けの基礎的な内容になっていたため、上級者の方にとっては
物足りなく感じられたかもしれません。

受講生の中には、マニュアルで撮影してみたい!という方もいらっしゃいましたので、
ここで、クイズを出題します!

 私の作例写真3枚について。それぞれの露出値をお答え下さい。
写真から撮影データーを読み取る事は、大変勉強になります。(だから、コピー可能なんですけどね。)

回答は、写真セミナー報告【3】で。セミナー全体の総評と併せてお読み下されば幸いです。
                                         次回へ続く