何年か振りで旭川に立ち寄り、Kさんにお会いしました。
Kさんは、小熊秀雄の研究を集中的にされているとのこと。尊敬すべき人生の大先輩です。
数年に一度、テーマを決めて著書を発行されており、北海道を代表する優れた論客だとわたしはいつも思っています。
Kさんはクラシック音楽に大変精通されている方で、絵画の優れたコレクターでもあり、一言でいうと知性に満ちあふれた教養人ですね。
小熊秀雄の油彩をぼくもつい最近手に入れた経過を、Kさんにちょっとだけお伝えしました。
Kさんがこれから出版予定の小熊秀雄研究書は、いままでの小熊秀雄研究とはひと味違って、新たな角度から光が当てられる予感がしてとても楽しみです。Kさん、いつまでもお元気でいてくださいね。
空港へ向かう途中、三浦綾子記念文学館の看板が目に入ったので、いつもの通り、興味津々でふらっと立ち寄りました。だいぶ前に『塩狩峠』を読んだことがあり、いい機会でしたので展示されている著書と自筆の原稿を読ませてもらいました。すばらしい小説家であり、優れた人格者であることを思い知らされました。
『生きること ゆるすこと』という本と、『綾子・光世 響き合う言葉』(三浦綾子・三浦光世著/北海道新聞社)の2冊を買い求め、帰りの機内で読ませていただきましたが、上手く言葉に言い表すことができないくらい深遠な思想というか哲学を体感させていただきました。
『綾子・光世 響き合う言葉』という本は最新刊で、今年の4月に発売されたそうですが、表紙を開くと三浦光世さんの自筆で「愛は高ぶらない(聖書)」と記されておりました。また、『生きること ゆるすこと』という本の見開きにも「知恵は宝石にまさる」と三浦光世さんの自筆で書かれており、しみじみいい言葉だなぁと思いました。どちらもとてもいい本ですので、とりあえず10回くらい読んでみようかと思います。
いずれにせよ、人生の一大事になればなるほど、
資格証明は出ないから、お互いに失敗したり、
傷つけ合ったりして、惨憺たる人生を送る。
自由意志を与えられた人間の悲劇である。
「自分には愛される資格はない、と言える人のみが
愛される資格を持っている」
と言った人があった。含蓄深い言葉である。
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人生には確かに耐え難い苦難がある。
しかしそれだけ尚のこと、
感謝の種を数えて行きぬく者でありたいと
思うのである。
(三浦綾子のことば)