大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

お能 1

2009-06-25 07:00:00 | 能・歌舞伎
 十数年お能を楽しんでいるのですが、今月はとても感銘する演目が多かったと個人的には思います。能 「盛久」(もりひさ)(シテ 當山 孝道 ワキ 工藤和哉)は特に印象深かったですね。シテの表情が今でも忘れられません。素晴らしい演者だと思います。能 『杜若』(かきつばた)(シテ 野村四郎 ワキ 宝生 閑)もとてもよかったです。能 『放下僧』(ほうかぞう)(シテ 高橋章(宝生流)ワキ 福王茂十郎)も素晴らしかったです。
私は十数年能楽堂に足を運んでいるにもかかわらず全く浅学非才な身の上ですので、あれこれ論評することははばかられますので多くは語りません。ただ、なるべく歴史的な背景とか能の衣装を楽しんだり、詞章を一生懸命理解すべく、脳細胞活性化に励んでいます。(笑)最近とてもいい『能楽囃子体系』というCDが八枚組で復刻され、早速聞いてみたのですが素晴らしい内容で大当たりでした。限定500部の貴重な作品集です。

「流儀の歴史と芸風」の西の春雄氏には、平成二十一年における現状を把握できるものとして、大幅の改訂をお願いし、羽田氏担当の「出演者紹介」につきましては、すでに鬼籍に入られた方の没年に加え、芸術院会員および人間国宝などの重要事項の記載にとどめました。(財団法人日本伝統文化振興財団 理事長 藤本 草)

藤本氏が述べられている通りなのですが、貴重な芸の記録が21世紀に生きる私たちも『楽しみ』を共有できるなんてしみじみ幸せだなと思います。おすすめです。(多分すぐ売り切れるかも、興味のある方はお貸ししますね!)
 国立能楽堂では能に関係する展示室があり、6月の能衣装はもちろんのこと、沖縄の組踊の衣装は素晴らしくてセンスが抜群にいいですね。一般の方も自由に観覧することができれば、もっといいと思います。

能 「盛久」(もりひさ)  シテ 當山 孝道
              ワキ 工藤和哉

狂言「痩松」(やせまつ)  シテ 野村 万作

能「鵺」(ぬえ)      シテ 登坂 武雄
              ワキ 宝生 欣哉

能  杜若(かきつばた)  シテ 野村四郎
              ワキ 宝生 閑

能  石橋(しゃっきょう) シテ 宇高通成(金剛流)
               ワキ 高安 勝久

能  放下僧(ほうかぞう) シテ 高橋章(宝生流)
               ワキ 福王茂十郎

能  安達原(あだちがはら) 観世清和 ほか(観世流)

国立能楽堂企画展示 『能の意匠』出品リスト

・組踊の衣装
組踊は、琉球王朝時代に清の冊封使節団を歓待するため、1719年に創始された「御冠船踊」を淵源とする。その初代躍奉行に任ぜられた玉城朝薫は、本土へ赴き日本の伝統芸能や文化を学び新しい宮廷芸能に反映させた。

・屋嘉の芸能衣装
沖縄県金武町屋嘉に伝わる踊衣装は、琉球王府の払い下げ品を譲り受けたと伝えられている。町の人々に大切に伝承されてきた衣装19点は、金武町の文化財に指定されている。

・白地と染地の稲妻斜め分けに枝垂桜菖蒲千鳥笹桜生垣朝顔蔦模様金摺箔入り. 木綿紅型単振袖(金武町指定文化財五号)

霞に枝垂桜、また菖蒲や水生植物や笹など、沖縄に自生しない植物が紅型染で表わされる。さらに、模様の一部に金箔を用いており、他に例を見ない極めて珍しい作品である。『御冠船踊衣装』の記録にある「琉摺箔」にあたると考えられている。

・白地に五色鱗模様木綿紅型の単馬乗袴(金武町指定文化財一二号)

鱗模様は能装束の象徴的な意匠であるが、琉球の伝統には無く、腰板を付けた形状の袴も珍しい。鱗の半切を木綿紅型で表現したものと考える。



(『安達原』 シテ・鬼女=観世清和 国立能楽堂パンフレットより)